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[子を身篭ってから、日に日に強くなる飢餓感は、
表面に出ないようにするので精一杯だった。
夫の声が聞こえれば、人狼――グラォシルヴは、
いつもの調子で囁きをかえした。]
うん……我慢、するのはそろそろ辛いの。
…どうしよう。
[困ったなぁと、返す調子は表の常と変わらない。]
─宿屋─
あー……大体、こんなもん、か。
[一通り、薪を移動させた頃には当の本人はずぶ濡れで。
長く伸ばした前髪が張り付くのを、うるさそうに後ろに払った]
っかし、ひっでぇ雨だな……山道の方、何てことなきゃいいんだが……。
/*
んあ。
ロシア語諺はやめとこ。
出したら色々唐突過ぎる。
母親をロシア系にする必要も無くなったので、銀武器についてだけ考えれば良いな。
/*
開始直後から、全力で間接多角しているとかなんなの、俺……!
ちなみに、ダイスロールはなるべく独り言で振る所存。
表で振るの好きじゃないひともいるからね。
─工房『Horai』・客室─
[カルメンの含み笑いは悪天候に気を取られ、気付くことは出来なかった。
雷鳴の後に客室へと戻って来るゼルギウスと、新たな訪問者のライヒアルトに気付けば]
む、ライヒアルトも雨宿りか?
[そんな言葉を投げかけて、会釈に対し頷くような仕草を返した]
どうしても我慢できないなら、私を食べて……とは
今は謂えなくなってしまったから。
[妻の身に手を伸ばしながら囁きを返す。
幼い日。今よりもっと陽の光に弱く、闇に生きていた頃。
暗闇より2つの聲が聴こえた。
その聲があったから、今、ゼルギウスは存在していると云っても佳い。]
うん。お腹の子どもの為に、誰かにご飯になってもらわないと駄目だね。
[グラォシルヴの常と変わらぬと同じで、男の調子も変わらない。
罪悪感を知らぬ子どものように、誰が佳いと思う?と問いかけるは、もう一人の人狼に。]
―宿屋―
[勝手口の方でずぶぬれのアーベルにタオルを投げてよこして]
ありがとな。
山道か…、一本道だしな。
まぁ、なるようになるんじゃないか?
[アーベルの言葉にそう返しながら、薪を手に]
すぐに風呂沸かすから、風邪引く前に先に入っておけ。
[そうアーベルに言い残して風呂を沸かしに風呂釜の方へと]
─工房『Horai』客室─
[玄関の方からイレーネを呼ぶ声と、急ぐ足音が聞こえ。
そこから推測される通りのゼルギウスの慌てた様子と、人目を憚らずに妻を引き寄せようとする様を目で追い、つい笑みが零れた]
あら、修道士さんだったのね。
ごきげんよう。
[呆れた声に振り向けば、先程の客の正体も知れる。
夫婦に気を使ってか若干顰めた声で、ライヒアルトに会釈を返した]
―工房『Horai』/客室―
…………。
[青年はやれやれと肩を竦めた]
客が居るの忘れてんじゃねぇか。
ま、何時もの事だが……はぁ。
[主にゼルギウスの方に呆れた眼差しを送っていれば
ミハエルから声が掛かり一つ頷く]
イレーネに用があってきたんだが……
難儀な事に降られちまって、な。
あんまり酷い嵐にならないといいけど…。
[嵐になると言う夫には、少し困ったように見上げて。]
クロエちゃん、家に戻ってるかしら。
急に降り出したから、小屋のほうのままなんてことにならなければいいけど。
[湖の近くであれば、そこも荒れるかもしれないと。
彼女の事を心配そうに今は思った。
その思考は、一時幼馴染の声で中断はされる。]
ライ、いらっしゃい。タイミング悪い時に来ちゃったね。
[幼馴染の訪問に、一旦は嬉しそうな顔を見せたものの。
外の様子を思えば、やや困ったような視線を彼に投げたのだった。]
うん、さっき終わった所。
[商談の話をされれば、>>7立ち上がる前に、代金は受け取っており。
雨宿りの旨は、どうぞ遠慮なくと笑顔で承諾を返した少し前の事を思った。]
―工房『Horai』/客室―
[カルメンの挨拶にゆると目を伏せる]
ごきげんよう。
人形作家殿。
――…そろそろ名を覚えては頂けませんか?
[肩書きで呼ばれた事に苦く笑うのは
彼女が村に来てもう三年も経つから]
…そうだね、こんなこと聞かれても困っちゃうね。
今度、君の足に飼い主さんへのお礼のお手紙でも括らせてもらおうかな。
[困ったように首をかしげてみせる蒼鷹に苦笑してこちらも首を傾げ。
怯える自分を励ますような仕草や鳴き声には、青褪めながらも大丈夫だよと微笑んでみせた。]
…でも、今日は。
ちょっと、いつもより荒れがひど…きゃあ!!
[また雷鳴が轟いた。地を揺るわせるようなそれに、叫んで目を瞑り蒼鷹にしがみつくように抱きついた。]
―――――は、は…っ、驚いた……!
幾ら夏場は天候が安定しないからって、
いきなり嵐になる事無いじゃない
[二度目の吃驚に心臓が飛び出しそうになる。足元が縺れかかりそうになると肩を抱きとめられ半ば寄りかかるように凭れ]
ユリアン――――あ、りがと…?
本当、吃驚したよ… あんまり大嵐だとお店が倒壊しかねないや
[助平と想う間も無く、ふらつきが収まる頃合いを見計らい手を借りた。その間指摘するまで肩に手が添えられていると、何故だかくすぐったい気がして。娘は二度三度瞬き暫しの間ユリアンの手指を見つめていた。]
ン――――… いいよ
助かったのだよ、有難う
[転びでもすればまた傷を増やす所だったかもしれない。想うところは有るものの先ずは礼を述べた。]
ごめん、商談の途中だったね…僕のお肌は高いのだから、
君が下心で触れるとすってんてん、間違い無しさ
[そう冗談めかして瑠璃細工の値切りには少し考えたのちに、]
…ふむ、絹織物が此処で売れるか如何か解らないけれど、
担保として貸し付けるのは十分にありだね。
[スカーフを見せてもらうと手触りの好さそうな素材と意匠に、
ほう、と嘆息を漏らす。銀を織り込んだ其れは間違えるまでも無く
高価な物と知れる。]
―宿屋―
あぁ、出ることはできないかもしれないけど、なんかが来る心配もないんじゃないか?
[去り際にけらけらっと笑いながら冗談めかしてそんなこと言ってから、
風呂を沸かしながら]
まぁ、このままずっとってわけには、いかないよな…
[小さく呟いて、ため息の変わりに一息釜に噴いた]
―工房『Horai』/客室―
[身を引き寄せて、流石にそのままとはいかずとも、手を握られ傍にイレーネがあることでやっと本当に安堵したという表情を見せる。]
だって、奥さんは大事なのだもの。
[遅れてやってきたライヒアルトの言葉に、少し拗ねたように唇を尖らすも]
……ん。でも、皆、止まってくれてて良かった。
帰してしたら、ずっと無事かなってやきもきしてたと思うから。
嵐が過ぎるまで、狭い我が家だけど、好きにしていいからね?
[すぐに子どものような笑みを浮かべて、そう告げた。]
/*
フルメンバー、ありがとうございます!
まずはこれを言っておかないと。
俺も無事移動完了しました。
箱暴走と格闘してたのです。ギュン爺用のが何故か鳩にない…。去年も使ったはずなのにどうしてだ。
不備が多くて本当に申し訳ないです…。
紅茶好きな人は多いから喜ばれるはずだよ
ライヒ君なんかは飛びつくかもしれないね
[瓶の中の茶葉はさらさらと白砂のように細かく香り豊かな物。
仕入れるとの言葉に何度も頷き、そうしてほしいと云わんばかり。]
好いなあ…何処の地方で作られたのだろう
[村を出たことのない娘は外の世界に想いを馳せる。こうして品を手に取り、村には無い地方独特の形に触れるこの時期は忙しくも大変有意義なものでもある。ユリアンが持ってきた品々をそれぞれ見つめ、愉しげに瞳を猫のように細めた。]
―工房『Horai』/客室―
濡れなかった事を考えればタイミングが良かったかな。
まぁ、直ぐには帰り辛くなっちまったけど。
[幼馴染たるイレーネに向けるのは仄かに優しい笑み]
そうか。
……なら、直接渡すとしよう。
[商談が済んでいないのであれば待つ気であったが
終わったと聞けば遠慮はしないようで
腰の布袋からジャムの小瓶を取り出しイレーネへと差し出す]
ローズヒップのジャムだ。
お前さんとおなかの子の為になるはずだから
ゼルギウスに紅茶でもいれさせて溶かして飲むと良い。
─工房『Horai』客室─
……あら、ごめんなさい。
[ライヒアルトの苦い笑いに一度瞬きをし。
ややあって口許に手が行き、同じような表情が女の顔にも浮かんだ]
つい癖で、ね。
憶えてはいるのよ、ライヒアルトさん。
あ、あぁ、ごめんね?
私まで驚かせちゃったね。
[腕の中で驚いたようにばたばたと羽ばたく蒼鷹を慌てて解放して謝って。
こちらを心配するような仕草を見せる様子には、少し苦笑混じりに微笑んでから、うん…と曖昧に頷いて]
…ほんとは、大丈夫じゃない、けど。
でも、君がいてくれるから。
一人で居る時より、怖くないよ。
[そういって、感謝を伝えるように今度はそっとその羽を労わるように撫でた。]
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