7 【鍵の書】─精霊演戯・第二演─
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少女 ベアトリーチェ
［きょとんとしたふうなベアトリーチェには避けられるはずもなく、もしくは避けようともせずに、手は飛び出た蔦にぱしりと弾かれてしまいました。］
わ。
［痛みはあったのでしょうが声をあげたのはそれきりで、鮮やかな緑の眼を大きく開いてその場に立ったままです。上手く操れなかったのか、小さなてのひら生まれかけた力は宙に散って、ふわふわと粒子が舞います。お日さまよりもあたたかく、月よりも透明な光が辺りを包みました。天聖の力が溢れてゆきます。］
陶芸家 アマンダ
[ブリジットに手を振り、ジョッキサイズのトロピ（略）を手にしたハインリヒにも笑って手を振る。
ほぼ同時に着地した千花は、何の躊躇いもなく差し出されたパイナップルを両前足で持って齧り始める]
千花、ありが…っ、ティル！
[千花に礼をするようと言いかけた時、急激に高まった翠樹の気配に驚いて叫ぶ]
【念】 職人見習い ユリアン
[『彼女』とマスターの方に意識がいってたので、
...は反応が遅れた。
苦しげなコエが聞こえてばっと振り返った]
えっ……。ティル！？
[硬直]
少年 ティル
……つた、戻って。
[くらいみどりの目をした後の、コエは冷静に、静かに。
蔦は苗床の言うことを聞き、先までのようにするっと、その身のうちに入り込む。
少し、苦しげに反応をして、それでもすぐに落ち着いた、あおの瞳が戻ってくる]
ごめんなさい、騒がせた。
[困ったような顔で、そこにいた人たちに、微笑む。]
【赤】 少女 ベアトリーチェ
[彼女の力を用いるには、
ベアトリーチェはまだ幼過ぎる。
拙い、と思った時には遅く。
本来は少女を構成する為の力が、散っていく]
少年 ティル
[それから天の子どもを見て]
痛かったでしょう、ごめんね。
[聖なる力を感じながら、そう言って。
幾度か息を吐いて、吸って、身体のうちに沈める。]
職人見習い ユリアン
[...は洗い物をしていて反応が遅れた]
どうしたの？ティル、ベアトリーチェ？
[二人だけじゃなく、宿全体がただならぬ雰囲気に包まれ...は息をのむ]
探偵 ハインリヒ
って、なんだ……これは？
[辺りに漂う光を見て、戸惑う。]
ベアトリーチェの力、なのか。これ。
[前々から、『神童』と呼ばれている事は知っていたが。
得体の知れない能力を目の当たりにして、対処に困っている。]
少女 ベアトリーチェ
［光が溶けてゆくのと共に、ベアトリーチェのからだから、力が抜けました。惚けたかおをして、ぺたんと床に、座り込んでしまいます。痛みはまったくなくて、ただ、力が入らないのです。］
……？
［服の上から、鎖に通した指環を掴みます。心臓の鼓動は、早くなるどころか、やけにゆっくりとしていました。もしかすると、対である時空の竜には、ベアトリーチェの存在がほんの少し、まるで薄くなったように感じられたかもしれません。］
騎士 ダーヴィッド
[左手で拳銃に触れ、半ば腰を浮かせたまま、
唖然と目の前の光景に見入る。
きらきらと輝く少女は、この世のものとも思えなくて。]
陶芸家 アマンダ
[弾かれたベアトリーチェの腕、還っていく蔦。
柔らかな暖かな円やかな、天聖の力に茶色の目を見張る。]
…大丈夫？ ベア、ティル？
[アマンダは二人に声を掛け、様子を見る。
ティルの方が苦しそうだろうか。
そう思ってよく見ると、困ったような顔のティルの背が破れている事に気づき、自分の上着を脱ごうとして止まる。
腕のヒビは、まだそのまま。
何も出来ずに、席に座って、ただ心配そうに見守る。]
探偵 ハインリヒ
いやそもそも。
何なんだコレは。原因は何だ？
[ベアトリーチェに聞いてもはぐらかされるだろうと思い、
ティルに聞いてみる事にした。]
【赤】 少女 ベアトリーチェ
[ベアトリーチェに力を持たせておくのは、危険だ。
特に、十四の属性が集ったこの場に置いては。
けれども奪ってしまえば、少女は生きてはいられない。
彼女が力の制御の手助けを行う事も、現状では出来ない]
【念】 職人見習い ユリアン
[...は確かに見た。
ティルから蔦みたいなものが出ていたのを。
ティルの謝罪の言葉に彼は我に返る]
「人ではない」って……。
まあ、何者でもティルはティルだから別にいいけど。
正直、今日はいろいろ驚きすぎて、もはやあまり驚きもないかな。
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