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―― 篝火そば ――
[ロランの家から人影がこちらへやってきた。
一人だったろうか、誰かと一緒だっただろうか。
ぎこちなく口元に笑みを作って、片手を上げた]
……………
[石畳の隙間からしぶとく生えている雑草をぷちっと引き抜いて炎にくべる]
でもきっとキリルのほうがよく似合ってる。
[差し込まれた髪飾りが似合っているかどうかは、鏡のない今は確かめられないけれど。
おそろいだというキリルが可愛かったからうん、と頷いた]
えへへ、キリルとおそろいとか嬉しいな。
[にこにこと笑みを浮かべ。
目を伏せて短い同意を返すのには、特に問うことはない。
きっと、またなにか考えてるのだろうとそっと案じる視線だけを向けて]
― →墓地 ―
[広場のほうに人影を見た気がするけれど、向かう先は墓地。
特に何を持っていくわけでもなく。
辿り着けば、夫と子の墓に手を合わせるのが最初。
それから旅人の墓を見て]
……人狼、なんて、居ないわ。
昨日だって、何も起きてないじゃない。
[小さく呟いたけれど、答えが返るわけもない。
ため息を吐いて、森の方を見た。
狼の鳴き声が聞こえる気がした]
えー、なにが?
[大丈夫、の後に続く謝罪には不思議そうに返して]
そろそろかえろっか。
ほんとに暗くなってきちゃうし。
[森の中で話しこんでいる間に、空は夕暮れ色に姿をかえはじめていたから。
森の中ではさらに暗くなってしまう。
いこう、とキリルに手を差し出した]
[雑草引き抜く様子。
いつもと違うのは明白だったから]
…イヴァン、何か、
[あったのか?と、続く言葉は語尾消えた。
話したくないのに迄聞く気は無かったから]
―― 篝火近く ――
[マクシームが片手掲げる気配に顔を上げる。
視線を追えばイヴァンの姿が見えた。
同じように手をひらと掲げるは常の挨拶代わりの所作。
溜息の気配と共に座る幼馴染を一度流し見て
再び篝火へと視線を向ける]
――…如何かしたか?
[常より元気がなくみえるイヴァンに尋ねる。
無理に喋らせる心算はないのか
人の気配が増えたからか言葉を重ねることはせず]
ロランもお疲れ。
腕の具合は?
[自らの肘に触れて怪我の具合を問う]
[イヴァンが抜いた雑草が火にくべられる。
瞬きしてから少しだけ苦さの滲む笑みが浮かんだ]
足しにするなら抜いたばかりのじゃなく
落ちてるものにするといい。
瑞々しいのは、燃えにくいからな。
[乾いた枝を篝火へと落とせば高く乾いた音が鳴る]
―― 篝火そば ――
あー……うん。
[ユーリーに尋ねられ、がり、と石畳を引っ掻く。
どこまで何を言えばいいのか考えて]
年甲斐のないことを、ちょっと。
[形に出来たのはそれだけ。その先を続ける前に人が増え、ロランの問いかけには首を振る]
いや、大丈夫。辛気臭くて悪いな。
あぁ忘れてた。酒は今日は持ってこなかった。しまったな
[声は小さいが、喋っているうちに表面は取り繕えて来る。
ユーリーとロランのやり取りを聞き、ロランの肘に目をやった]
[枝のはじける音がする]
…そうだな。
[ユーリーの言葉に頷いた。ぷちりと別の芽を抜いた]
[篝火にはあまり関心のない瞳で投げ入れる。
この試みにあまり積極的ではない様子がありありと]
[マクシームに文句を言われた。肩をすくめる]
年甲斐ない、ねぇ。
そう思ったならもう同じ事は繰り返さないだろ。
これでまた一つ成長できたと思えばいいさ。
――…ま。
誰かに迷惑かけた、とかなら
早急に今の気持ちを正直に伝えるべきだとは思うが。
[間をあけて紡がれたイヴァンの言葉に
深くは問わず己の意見を幼馴染に伝える]
酒はほどほどに、な。
[ロランへの言葉には嗜める響きをのせた。
大丈夫とロランがいうならふっと表情を和らげ]
なら良かった。
痛むならレイスをこき使うといい。
何だかんだで頼られるのは悪い気しないと思うから。
[別の芽がイヴァンに摘まれる。
マクシームが文句言うを聞いて男は苦笑した]
イヴァン。
そんなに草むしりがしたいなら
僕の家にくるといい。
そろそろ庭の手入れをしたいと思ってたんだ。
[軽い口調でいってみせた]
[しばらく墓地に居たけれど、だんだんと日が落ちてくるから、と。
小さなバスケットに入れたクッキーを、たまにはね、なんて言いながら置いて]
また来るわ。
[そう言って、来た道を戻ってゆく。
もう少ししたら、月も昇ることだろうけれど、
今はまだ、太陽の時間]
―― 篝火 ――
[年甲斐、の台詞にロランの視線を感じる。
ただ黙って頷いた。
ユーリーの説教を神妙な顔で聞く。
視線はゆらゆら揺れる火から話さないが、少しその向こうを見ているようだった]
もう二度とするつもりはなかったんだよ。
いい大人ってのはいつ成れるんだかね。
ロラン、20すぎても多分大人になった気はしないぜ。
[そうして、迷惑を現在進行形でかけているだろう彼女を思って自分の膝を抱え込んだ。そうしながらロランの肘の話について大体を察してた。片眉上げて]
……お大事に。
狼避けな。分かってる、分かってるよ。明日は手伝うって。
別に火がすぐに消えるって訳でもないんだ。いいじゃないか。
[今日は色々あった。多分疲れてすこしざらざらしてる。
それこそ子どもみたいにマクシームに言い返してみたりして]
[けれど、フォローのように入ってくるユーリーに]
………最近、実はやり飽きてる。
でも、分かった。収穫期が終わったらな。
[イヴァンの応えに男は微か柳眉を寄せる。
悩ましいといった風情で篝火を見詰め]
難儀だな。
[ぽつと零して]
じゃあ今度こそしないと大事なものに誓ってみる、か?
……、……いい大人、ねぇ。
[自分は如何だろうと考えて吐息を零した]
――…獣を警戒するなら。
広場で火を焚くよりも
夜は家から出ない事を徹底した方が効果はあるだろ。
マクシームも、……不安だったから
こうして集まりたかっただけじゃないのか。
[イヴァンとマクシームを交互に見遣り
最後は揶揄るような響きを乗せてマクシームへ]
飽きてるなら無理にとは言わないさ。
動かないと身体が鈍るし……
ああ、けど、イヴァンが手伝ってくれるなら有り難い。
オリガが何か育ててたと思うんだが
どれも同じ草に見えて、さ。
流石に全部抜いてしまったら戻ってきた時、大変だ。
[草むしりに関してはイヴァンにそんな風に言って
再び爆ぜる炎を花色に映した]
[キリルと手を繋いで森から出てくる。
森と村の境のところで一度足を止めて]
あたしは薬草をレイスさんに届けに行くけど。
[一緒に戻るのか、それとも、とは口に出さぬままに、そんな風に告げる。
どちらにしても、途中までは一緒なのだからと歩き出し。
広場で篝火が焚かれているのが遠目にも確認できた]
―― 篝火 ――
大事なもの、か。
[真っ先にちらつくのは、今日傷つけてきた恋人の顔]
今はキリル以外にないんだが、もう近寄れないかもしれない。
[背を丸めて腕の中に口元をうずめながら]
ユーリーは少なくとも俺よりは大人だ。補償する。なぁ?
[周囲に同意を求めてみた]
[酒はほどほどに、という言葉に少しだけ憮然とする。
だって、今日は飲んじゃいない。
論点はそこじゃないと判って居たから、言葉にはしなかった。
レイスを、との言葉には少し頭を横に振る。
彼をこき使って、笑いもせずに文句を言われるかもと思うと
とてもそんな事は、自分には無理だとおもうから]
…20過ぎても?
――じゃあ、幾つになったら、大人なの。
[もうそれは間近だったのに。
憮然とした表情のまま、呟く様に告げてから、
お大事に、という言葉にはこくりとひとつ頷いた]
/*
某ウィルスバスターさんからお手紙が届いて(某の意味がない)
何かと思ったら、払い込み票だった。
普段使っているアドレスじゃ違うやつになるし
これはいったい…って思ってお問い合わせしてたのでした。
どのPCのもちがうよなーっておもってたから伺ったら破棄しても良いとのことでしたので、破棄しましたががが。
あーびっくりした。勝手に買い物したかと思っちゃったじゃない…
契約可能なところに送りつけてるらしい。。。
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