[食餌を最低限終えると、血塗れの口元を舌で拭う。
物と化した男の体、心臓と肝臓のあった場所に落ちていた石を入れ、水に落とす。
首から上は、左の目玉のあった場所に。
一度沈め、問題なく沈むようなら、頭も体もすべてそこに落とした。
雨が止んだら向こうに捨てようと、出口の方を示し言う]
さて、少し流してくか。
[彼女はともかく、自分は血塗れだ。
雨で赤を流し、衣服を絞り、さっぱりしてから家へと戻った。
だから、彼は知らない。
流れ込む水の勢いで、体と頭が傾き、石を落とし。
男の亡骸が二つ、水面に浮かんできてしまう事を。
――雨の音は、未だ*止まない*]