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わかった。
気をつけてね。
[自衛団の話を聞きにゆくというエーリッヒに
見送るための言葉を向ける]
エリィが折角作ってくれたんだもの。
ちゃんと食べるから心配無用よ。
[にっこりと笑みを浮かべるものの。
直ぐに迷うような表情が過ぎり――]
今度、また、一緒にお茶でも飲みましょう。
[一度は飲み込んだ言葉を別れ際に呟いて
女は自宅の中へと戻ってゆく**]
― 翌朝/宿屋・食堂 ―
昨夜は酷い雨でしたね。そのせいなのかしら。
宿もお掃除が大変?
[人当たりの良い青年との軽口に紛らわせようとしても、不安は消えない。そわりと出入口を見た]
外の様子、見てきますね。
[他にももう起きている客がいたなら軽く挨拶だけして宿を出る。
向かう先は村の入口である広場**]
ノーラさん、おはようございます。
[にこ、と常のように笑いかける。]
俺も見に行ったわけではないので、はっきりとは分かりませんが…。
外への道で、何かが起きたようです。
[ぽり、と頭を掻いて、ノーラへと答えた。]
─ 翌朝/自宅兼工房 ─
[途中の道は、水の後始末に追われる人たちで慌しい。
その間をすり抜けるように自宅に戻ると、作業台に玉の袋とミリィから受け取った包みを、棚にノーラから預かってきた腕輪をそれぞれ置いて。
朝食は取らずにでてきたから、台所にあるもので簡単に食事を済ませる]
さて……何やら騒がしかったようだし。
一応、見てくるか。
[お茶を淹れて一服すると、戸締りを確かめ、再び広場へと向かう。]
─ 広場 ─
[改めてやって来た場所は、先ほどよりも騒がしい。
その空気に眉を寄せながら、目に入った顔見知りの自衛団員を捕まえた]
一体何があった…………って、はぁ?
[問いに返されたのは、唯一の出入り口である通路が水没した、という答え。
思わぬ知らせに、知らず、惚けた声が上がる]
……おいおい……勘弁してくれよ。
[はあ、と大きくため息をつき、通路の方へと翠を向ける]
(……それにしても)
(確かに、大事だが……それだけにしては、張り詰めている……か?)
[外との出入り口が水没した、というのは確かに一大事だが、自衛団員の間に漂う空気は、それ以外にも何かあるように感じさせて。
無意識、ベルトにつけている飾り紐の玉を握り締めていた。**]
―翌朝 宿屋―
多分。
[こくり、とノーラの言葉>>137に頷く。]
そりゃ普段の雨の降り方と比べたら、大変ですよー。
[からり、と空の蒼のように笑って。
外へと向かうノーラに手を振って]
はい、気を付けていってらっしゃい。
滑りやすい箇所もあると思うんで、足元に注意してくださいね。
[と、注意を投げて。]
………何か起きたのかな?
[ノーラを見送ってから、ポツリと呟く。
人と接する機会が多いせいか、村内の雰囲気が違うことはなんとなく察せられて。
意味はないが、んー、と眼を細めた。]
───……まぁ、出入り口の通路が。
水が引く見通しはつかないの?
………そう。
[外へ繋がる通路が水没したと聞いて、隻暗緑を円くした。
外に出ることは少ないため、然程不便には思わないものの。
通れないと困る人は多数居ることは知っていたから、出来得る限りの情報を引き出そうとした]
……え?
死者が、出た?
…そう、その水没した、通路に…。
[そこだけを聞いて、無理に出ようとした人が溺れてしまったのだろうかと考える。
そうしていると、「丁度良い」と言う言葉と共に、団員に宿屋へ集まるよう指示を受けた]
宿屋へ?
ええ、構わないけど……何かあったの?
[呼び出される理由が分からなくてそう問いかけるも、団員は仔細は言わずにその場を立ち去った。
水没通路のこともあり、それ以上引きとめてはいけないと思い、そのまま団員を見送る]
……何が、あったのかしら……。
[リスを押さえていた手はいつの間にか下へと落ち、隻暗緑は出入り口通路のある方へと向かう。
リスが「キルル…」と大人しめの警戒音を上げ、エーリッヒの両肩を忙しなく行き来していた]
/*
……大分昔にシマリス飼ってたけど、警戒音とか聞いたことなかったなぁ。
聞こうともしてなかったのかも、だけど。
[もう一人、ノーラの聲に蒼を瞬かせる]
逃げる……、一緒に……。
[何処に逃げるのだろうと女は思う。
二人にとっての世界は広い。
村から出たことのない女の世界は
二人の知る世界からすれば大分狭いはずで]
私も、ついていって、いいのかな……
[足手纏いになるを危惧して聲は控えめに零された]
─ 広場 ─
……で。
[しばし出入り口側を見詰めた後、自衛団員を振り返る]
水没以外には、何もなかったのか?
[静かな問いかけに、自衛団員はやや、言葉に詰まる素振りを見せた後、死者が出た事を教えてくれた。
それからもう一つ]
……宿屋に? ああ……別に、構わんが。
[宿に集まるように、という言葉。
唐突なそれに、翠が僅か、険しさを帯びる]
……何があった。
[低く問えば、団員はまた、言葉に詰まる。
その様子に、ここで聞き出すのは無理か、と察して息を吐いた]
ま、いいさ……行けば、説明されるんだろ?
引き止めて、悪かったな。
[一転、軽い口調でこう言うと、団員は足早に離れていく。
妙に気ぜわしい様子に、ただ、違和感が残った]
―昨夜:自宅―
[夫が自分を信じてくれているのは分かる。
それと同じくらいこの人は自分の能力も信じている。
…信じるしかないのだと理解しているからこそ、自分は夫を恨む事も、夫の選定から逃がしてくれと言う事も出来なかった。
他に選んだ者の名を聞けようはずもない。
力強い抱擁に、こちらも力を込めて返す。
二度とこうする事もないかもしれないと、そんな思いを拭い去るように。
明るく振舞う事は出来なかった。
それは痛々しくも見えるだろうし、何より自分と夫の事だけではない。
他の物の運命も絡んでいるのだ。
勤めるのは必要以上に暗くならない事だけだ。]
―昨夜:自宅―
いってらっしゃい。 ……気をつけてね。
[食事を終えた後、雨の中出て行くという夫を見送った。
先の話しもだが、この雨にも注意を払っているのだろうとは分かる。
夫の影が見えなくなるまで見送った後、溜息付きながらはじめたのは家の掃除だった。
夫の帰りを待ち、雨音を聞きながら、掃除は夜遅くまで続く。
遣り残しのないように、隅々まで部屋は磨かれていった*]
―自宅―
[自警団がゲルダを訪ねてくるというあまり無い光景に
隣人が野次馬に出てくるのと、目が合った。
愛想も無い女を、言葉も相まって気味悪がる者もいる。
慌てて引っ込む様子を気にする風でも無く、
ノックから訪れた自警団に言われた通りにするつもりで]
……、
[準備の間外で待たれてはいなかったから、
急ぎではないのだろうと判断し。
ゲルダは裁縫箱を抱えて肘に鞄を下げたまま、
昨日行きそびれた服飾屋への道を辿る]
勿論よ。
[嘘を言っているつもりはなかった。
付いて来れる限りは、という注釈がついていることをシン自身も自覚していなかったから、カルメンに微笑む気配で答えた。
実際、叶う限りは手を貸そうともしただろう。
普通に逃げる事が出来たのであれば]
/*
……げるだー、自警違う、自衛ー。
[私的お約束]
つか、お?
ヨハナさん、能力持ちか?
ふむ。
どっちゃにしろ、そこ護衛は難しなぁ……。
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