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― →大広間 ―
[それから少し時間は経ち。
大浴場の洗面器に水を張り、そこに途中で取ったタオルを浸したものができあがる。
メイドに差し出されたそれを、ボクは腕に抱え]
ありがとうございますっ……とと……
[頭を下げて、水がこぼれそうになって慌てて体勢を立て直した。
それから無表情に見送られ、ボクは再び大広間へ戻る。
水を零さないようにとゆっくり歩いたから、戻るまでに時間は掛かってしまったけれど**]
─ 大広間 ─
どうかしましたか。
[その声>>75を聞いていなかったから、メーフィエが立ち止まった>>91のに首を傾げて。
リディヤがジラント>>79に声をかけた>>86のにも気付けば、彼にも何か変調が起きたかと案じる視線を向け]
大丈夫ですか?
体調を崩されているなら、無理は禁物ですよ。
[ジラントだけでなく、他の皆にも届くように声を投げてからメーフィエに視線を戻し]
あなたも、疲れていると思ったら言って下さいね。
私でも毛布位は運べますから。
[メーフィエと名乗った彼女>>94に笑みと共に告げると、リディヤ>>95に続く形で廊下へと出ていった**]
─ 大広間 ─
[オリガの額に宛がっていた手は次第に彼女の体温で熱を帯びて。
後は冷やすものが来るまで待とうと、オリガの額から手を外した]
うん、それは、分かるんだけどね。
何と言うかこう、居てもたっても居られなくなったと言うか───
…はい、気をつけます。
[僕を案じてくれるオリガの言葉>>92に、もごもごと言い訳を口にしていたのだけれど。
これを言い返すのは相手の厚意に失礼だと思い直して、ちょっと敬語になって言葉を受け取った]
そうかな?
目の前で辛そうな人を見て見ぬ振りするのもなぁ、って思うし。
会ったばかりではあるけど、同じ境遇で集まった同士なんだしさ。
親近感みたいなもの、かな?
[あれこれと理由はつけるけれど、一番の理由はまぁ、推して知るべし]
分かりました。今はそれだけでいいです。
必要になったら、お願いしますね。
[念は押して暫く待つと、痛み止めにもなる熱冷ましの薬が、水差しとコップも添えた盆に乗せられて来た]
これくらいは必要になるかもしれません?
そうですか。ありがとう。
[私は首を傾げながらその盆を持って大広間に戻り、オリガとサーシャの下へ届けた**]
─ 大広間 ─
うん、気をつける。
ありがとう、心配してくれて。
…オリガも優しいと思うよ?
僕のこと、そうやって心配してくれるんだもの。
[今大変なのはオリガの方なのに、僕を案じてくれる>>98のは申し訳なく思いつつも、嬉しかった。
だから、僕はオリガも優しいと口にして笑みを向ける。
感情を体現したい衝動にかられたけれど、流石にそれは拙いだろうと思い自重した]
へへ、オリガがそう言うなら、そうなんだ、って思っとく。
[僕を優しいと繰り返すのにも笑いながら返して。
毛布や薬を取りに行く面々を見送りつつ、僕はオリガの傍に留まった。
足に負担をかけないためでもあったし、何よりその場に居たかった*から*]
― 大広間→二階客室 ―
あ。ううん、なんでもない……です。
[アレクセイ>>96に首を傾げられてしまった時は、はっと首を横に振った。
「無理は禁物」と彼が言うのには、リディヤが声を掛けた先の男をまた一瞥したりもしたが。
自分に対しても直接告げられた言葉に、はたと瞬き、それから笑みを作って返してみせた。]
その……お気遣い、ありがとうございます。
無理はしないようにしてます、から。
[リディヤ>>99から返ってきた笑みにも、緩く笑みを作って会釈を一つ。
やがて彼女の後から、大広間を出た。
メーフィエの足は階段を伝い、二階へ、宛がわれた客室へと。]
あー……うん、後で暖かい茶でも頼むさ。
ま、ちょっと大人しくしときゃぁ大丈夫さ。
[余計な心配をかけたくないという年長者の無駄な意地から、左目の不調に気づかれないように注意を払い、リディヤやアレクセイ達を見送って、座ったまま顎に手をやる。
オリガのそばにはサーシャがついている。物腰柔らかい彼なら任せておいて大丈夫だろう、と。
視線はベルナルトと外国人らしき人へと。
ベルナルトの問いかけに答える人の声>>101。]
……よばれた、ね。
[嫌でも思い返すのは、森で聞いたあのコエ。]
気に入らねぇな。
[得体のしれないモノに動かされているような、そんな気がして吐き捨てる。
左目の焦点は、まだ*合わないまま。*]
― 客室→二階廊下 ―
[少しひんやりとした客室。
一度ベッドで身を休めていたものだったから、その上に置かれていた毛布もくしゃりと丸められてしまっていた。
ほんの少しだけ躊躇いが胸の内に過ったが、それでも湿っていたりなどはしていなかったから、オリガのもとに届けるには問題ない、と思うことにした。]
とりあえずは、この一枚があれば大丈夫かな。
[ハンガーに掛けた毛皮のコートは、幾らか雨水も乾いてきているようだったから、自分の分の毛布替わりはこれで良いだろうと思う。
少しだけ重量のある毛布を抱えて、部屋を出て。
真っ直ぐに、大広間へと戻る道を行く。]
――…。
何だかまるで、人が変わったみたいだった。あの人。
こんなゲームで、人が変わったりも……しちゃうのかな。
[ふっと零したのは、先程アレクセイに、どうかしたのかと問われたことに対して。
それは丁度、たどたどしい言葉遣いだった筈の男に言い掛けた言葉でもあった。**]
[視界の片隅に過る白い靄。
きっとそれは熱が見せるまぼろしなのだろうと思う。
だから、誰にも言わず己の心の深き場所に沈めた。
優しいの言葉がサーシャ>>102から返ると
驚いたような表情が浮かび]
――…そんな風に言われると
何だか照れてしまいます。
[頬に手を宛てがい目を伏せてぽつと呟いた。
笑みの形は辛うじて見えたけれど視線重ねるのは
何となく恥ずかしく感じられる。
サーシャの考える事は知れないけれど
オリガ自身が今弱っているからか親切にしてもらっているのは感じて]
ん。
……何かお返し出来るといいんですけど。
[傍に付き添うサーシャと案じて動いてくれた者を思い呟く]
[やがて、ゲームの参加者達の姿が、大広間から減っていくと、プラーミヤも、ひっそりとその姿を消す]
愉しみだね。早く…始めたい。
[抑えられない熱を吐息にまぎらせるような囁きは、闇の中**]
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