情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
ほら、そこにもここにも。
始まりを示す小さな欠片が散っています。
見えていないのか、見えない振りをしているのか、どちらでしょう?
どうやらこの中には、村人が4人、占い師が1人、狩人が1人、妖魔が1人、囁き狂人が1人、智狼が1人いるみたいですよ?
―広場へ―
たっだいまー。
アルカ、無事に戻ってきましたよー。
[広場に向かいながら、カラン、カランと到着を知らせるいつものベルを鳴らす]
ああ、雑貨屋のおばちゃん!頼まれてたの受け取ってきたよ。
後で届けるから待っててー!
[明るく声をかけて、広場を横切ってまずは荷を下ろすために自宅へ向かおうと]
― 本屋 ―
そりゃ、エリィゼは可愛いし、良い子だし。
誰だって優しくなるよ。
僕だけが特別ってこともないと思うけど……ま、ありがとな。
[と言いつつ、悪い気はしないが照れくさそうに頬を掻いた。
嬉しそうに笑うエリィゼをもう一度撫でて]
今度また、エリィゼの好きそうな本がないか探しておくよ。
[とも付け加えた**]
ただい......ま
ごめんごめんテレーズ姉さん。大丈夫だよ、具合悪くなんてなってないから。
[家に帰ってから、遅くなった事を心配するテレーズに言い訳しまくる羽目になったのは、自業自得と言える**]
― 本屋 ―
そう、かな?ありがとう
みんな優しいけど、特別なんだもん。
[何で、かは上手くいえないけれど、もう一度撫でられたらやはり嬉しそうに笑って]
うん、その時はちゃんとお金持ってくる、ね。
[そう言って頷いた**]
─ 回想 ─
あぁ、やはりお前んとこの爺様もか。
うちの親父もよく同じことを言っていた。
[>>0:66ソーヤが自覚していないと知らず、知っていてもわざわざ口に出すことも無く。
慣れた付き合いの青年と共に食事に出た先。
宿屋見知った顔が見えるなら、声をかけて怪我をしたら治療に来いとか、両親がたまには顔を見たいと言っていた事を伝えたりもしたり。
薬師見習いが思い出したハーブティーの届け先がどこか聞けたならば、こちらもその家の青年に出した薬の残りはまだあっただろうかと思い至ただろう。
もしかしたら回診のついでに、青年と盲目の女性の様子を見に行ったかもしれない。
そうして日が落ちれば、薬の在庫を確認してカルテの整理をして眠りにつく。
いつもと変わり映えの無い、一日を過ごしただろう**]
[子供の頃、『外から来た』という所に好奇心を抱き、遠慮の『え』の字もないまま、療養に来たという少年の所に押しかけて。
周りの大人たちには色々言われたものの、それ以降、なんやかやと付き合っている青年から、何やら頼みごとをされそう>>0:62なのは当然のごとく今は知らず]
あれは楽しむものであって溺れるものじゃない、ってのは、じっちゃんの口癖だよ。
……俺にはよくわかんないけど。
[なんて返す当人は、そこには大きなこだわりもなく。
何気なく口にした、新しい配合のハーブティの事と、それをクレムの所に届けに行く、という話が何を齎すかの想像もできないまま、食事を終えて]
んじゃ、あんまりのんびりすると、じっちゃんに怒られるから。
またねー。
[いつもと変わらぬ調子で挨拶ひとつ。
合わせるように、肩の相棒がキョキョ、と鳴いた。**]
[宿屋の主人の声が中から聞こえる。
アルビーネ、と呼ぶ声に眉尻を下げた]
ん、今いくー。
[うたたねする間もないらしい。
大鍋の番を頼まれて宿屋に留まっていれば
医師の顔が見えて、ふっと表情を綻ばせた]
……ん、怪我をしたらちゃんと診て貰う。
でもほら、頑丈だから、ちょっとくらいなら平気だし。
[そんな事をいうものの用心棒として駆け出しであった頃は
擦り傷や打ち身、切り傷なども茶飯事にあったから
彼が案じてしまうのも無理もないことなのかもしれない]
近いうちに挨拶にいくよ。
私も、会いたいから。
[こくんと頷き、食事にきた者に料理を運んだ**]
―広場―
あー わぁ、ああ…待って、待てってば!
いうこと聞かない子にはあげないんだからな!
[流行りの味のキャンディを取られないように高く掲げながら
集まった数人の子供に向かってしかめっ面をするも束の間。
そのすぐ後には両手にキャンディをつかんだ子供がわーっと散っていく。
それが、村に帰ってきて最初の仕事。
家に戻って荷を降ろし、届け先別に仕分けるのが二つ目の仕事**]
その日の夜明けは、少しだけ空気が重くて。
幾人か、異変を感じるものもいたかも知れない。
その答えは、陽が天に達した時に示される。
陽と月が重なる刻──『蝕』の訪れ。
『祈り子』が泉に身を投げ。
『魔』が眠りについたその日と、同じ空。
『封』の力が安定を欠く日──と、知る者はいたかどうか。
いずれにしても、陰りし空は、人の心に不安を呼び起こす。
──もっとも、呼び起こされるのは、不安だけではなく。
──永く眠りしものの力もまた、封よりとかれ、呼び起こされる。
──それに最初に気づくのは、果たして誰か。
──村の外へと向かう道を閉ざす、不思議な力に。*
はあ...ソーヤにもらったお茶、飲もうかな?
[身体を温めるにはいいかも、と起き上がって厨房に向かった]
[ハーヴティーを届けに来てくれたソーヤに、ついでに薬を頼もうとしたら、直後にヒューゴ先生が様子見にやってきて、いろいろばれたりしたのは、ともかくとして...ハーヴティーは、とてもいい香りがした]
[その日は起きても何だかすっきりしなかった。
前日根を詰めすぎたのもあるかもしれないけれど、何となく、それだけじゃない気がする]
今日は休暇にしちゃおうかなぁ…。
[スランプは未だ続いていて、筆記帳に色が乗ることも無くなっていた。
こういう時は一旦仕事から離れるに限る、と今日は何も持たずに外へと出る]
うわぁ……もうお昼…。
[随分と寝てしまっていたらしい。
これではクレイグのことを言えないなぁ、と思いながら目を空へと向けた]
― 自宅 ―
[ポラリスと本屋を訪れてから数日
その日は家の大人たちの様子がおかしくて、朝から外には出してもらえなかった]
……つまんなーい。
[退屈そうに窓の外を眺めて、それに気付いた]
……お日様?
[辺りが少しずつ暗くなる、月が太陽を隠していく]
あ……
[陽がすっかり隠れた時、小さな声が零れて落ちた
何故かわからない不安に駆られて窓辺から離れる]
[結局眠れぬまま、夜を越えて]
あ...
[散歩に出かけた泉のほとり、手折られた蓮の花を手に、呆然と立ち尽くしたのは、夜明け直後**]
[「蝕」なんて初めて見たから動揺してるだけ、と自分に言い聞かせる]
…………
[幽かに、震えるような唇は言葉を紡ぐことはなく
だけど、何かとても大事なことを思い出したような気がして
だけど、それは思い出してはいけない事のような気もして、きゅっと目を閉じる]
だいじょう、ぶ
[自分を励ますように、おまじないのようにそう言って
あとで、外に出ても良いと言われたなら、誰かに元気付けてもらおう、と、そう思った**]
─ 森の中 ─
[薬草摘みの朝は早い。
と、いうか、早起きな祖父と共に生活していると、自然とそうなる、とも言うのだが]
んじゃ、俺、森に出るねー。
[祖父母と三人での朝食の後、いつものように籠を肩にかけて森へと向かう。
外に出るとすぐ、相棒が肩の定位置へと舞い降りた。
そのまま真っ直ぐ森へと向かい、必要な薬草を選り分けて摘んで。
先日は採取を見送った薬草を摘んだ時、近くの枝に止まっていた相棒が、いつになく甲高い声を上げて、鳴いた]
どした、クレー?
[問いかけながら、相棒の丸い目が見上げる先を見て]
……え?
[いつもとまるで違う空に、少し惚けた声を上げた。**]
うーん……おじいちゃんが確か何か言ってたはず…。
[しばらくうんうん唸っていたけれど、直ぐには思い出すことが出来なかった。
普段なら思い出せないことは直ぐに諦めるのだけれど、今日のこの空は放っておいてはいけないような気がして、頭から全く離れてくれない]
…おじいちゃん、何か書き残してないかしら。
[祖父の遺品は少なからず残っている。
探してみようと考え、ポラリスは出てきたばかりの自宅へとんぼ返り。
それからずっと引っ掛かるものの答えを探し続けていたけれど、解答を見つけたのは探し疲れて寝落ちた後の、翌日の朝のこと*だった*]
─ 午前/診療所 ─
[診療所は今日もたまに患者が来る以外は静かなものだ。
薬の在庫チェックやカルテの整理などがあるから暇ではないが、忙しくも無い時間を過ごす。
そんな中思い返すのは、先日の一日のこと。
頑丈だからちょっとくらいなら平気だという彼女>>8に、「少しでも怪我は怪我だ」と言った後運ばれてきた食事を平らげてすぐにあの場を離れたが彼女はあれから両親の所に顔を出しただろうか。
父の跡を継いでからは診療所に寝泊りする様になった男も自宅には随分顔を出していないが]
どちらが子供か解らんしな。
[息子よりも、彼女が顔を見せる方が余程喜ぶ両親の顔を思い浮かべる。
単純に思ったままを口にしながら、その後寄った屋敷の住人に意識を移し]
─ 午前/診療所 ─
あの家にも、行った方が良いか。
[盲目の女性と、病弱な青年。
二人とも三年前男が父から代替りした際に受け持ちも引き継いだ患者だ。
理由はわからないが体調不良を隠そうとする青年に、その都度「我慢した所で楽にはならん、診せに来るなり俺を呼ぶなりしろ」と言ってきて。
ハーブティーを届けにいくというソーヤの言葉に回診がてら訪れた時も、同じように告げてきた。
すぐさま診察して出来る対処をしてきたが、回復に至っているかどうか気がかりで。
今日は先に回診に出ようと外に出たところで、異変に気付いた]
…?何だ、やけに暗いな。
[今日が『蝕』の起きる日だと気付いていなくて。
空を見上げ、光の源が隠される様>>#0に、何故だか目を離せないまま。
陽が翳っていくと同時、無意識に胸の中、不安が落ちていった**]
─ 『蝕』翌日/自宅 ─
─── あ、ったぁ…!
[夜が明け目が覚めて、下敷きにしていた手帳を読み直して知りたかった部分を見つけた。
口の中で繰り返し読んで、頭の中で整理する]
………って、こと、は。
──大変、見てこなきゃ!
[思い当たった事柄に慌てて椅子から立ち上がり、ぼさぼさになった髪も直さないままに泉へと駆け出した]
え、え?...あ、これ?
ここに落ちてたんだ。
ゆうべ、なんだか良く眠れなくて、だから気晴らしに散歩してて......僕は、ここが好きだから......
自然に折れた、とか、じゃ、ないのかな?
[自分の言葉がとても言い訳めいていて、段々声は小さくなる]
これ、折れちゃダメなんだよね?
ねえ、なんだか、すごく怖いんだけど、僕。
ポラリスさんも、何か感じない?
[不安に満ちた瞳で、訴える。病弱であることは知れているけれど、その顔はいつもより更に白く血の気を失って見えただろう**]
─ 『蝕』当日/森の中 ─
[森の中を動き回るのが仕事で、泉の近くにしか生えない薬草もあるから、どうしてもそこに近づく機会は多く。
それだけに、睡蓮と祭壇に触れてはならない、とは他よりも厳しく言い含められていたけれど。
伝承や物語にはあまり興味が向かない気質のため、それと──『蝕』と泉の伝承とはすぐには結び付かず。
ただ、肩の相棒がいつになく落ち着きなく、キョキョ、キョキョ、と鳴き続ける様子に異常を感じて]
……これ、戻った方がいっかな。
[これ以上奥に行かない方がいいような気がして小さく呟く。
相棒がこんな風に落ち着きをなくすのは、滅多にない事だから]
んー……今日は奥まで行きたかったんだけど。
やめとこ。
[そんな呟きを落として、踵を返し。
いつも通り森から出て、いつも通りの帰途につく。
そんないつもの当たり前、が、不安を感じる人たちにどう見えるか、などは考える事もなく]
あー……そういや、アルカ戻ってきてるんだっけ。
っても、こんなんじゃ、話に聞きに行く気にもなんないなぁ。
[同い年の定期便請負人が帰ってくると、街の話を聞きに行くのはいつもの事だが。
さすがに、こんな状況ではそういう気にも慣れなくて。
真っ直ぐ帰った家で、出迎えた祖母に何もなかったか、とか、奥に行ったのか、とか質問攻めにされたけれど]
ん、別になんにも?
奥にも行ってないよー、クレーがなんか、落ち着きないし。
[答える様子は、いつもと変わらぬものだった。*]
[結局、その日はどこかに出る事もなく。
薬作りの修行に明け暮れる事になった。
それ自体は嫌いではない──というか、好きでやっている部分も大きい。
もっとも、選択の余地がなかった、というのも否めないが。
生まれてすぐに村を出たという両親は、それきり音信不通で。
薬作りの技術を継げるのは、自分だけ、と。
そう、幼い頃から言い含められてきたから、それが自然と思っていて。
村の外へ出る、という事は考えず、けれど、外への尽きない興味は抑えきれず。
結果として、外から来たもの、行き来のある者の所に遠慮なく突っ込んで行く、という気質が出来上がったのは、余談として]
─ 『蝕』翌日 ─
……んじゃ、行ってくる。
……だいじょーぶだってば、奥までは行かないからっ!
[『蝕』の翌日。
村の中は相変わらずどこか落ち着かない空気に包まれていたけれど、ただ、じっとしている訳にも行かず。
いつものように採取籠と相棒を左右の肩に振り分け、家を出た]
……にしても、なんつうか。
落ち着かない、なぁ……。
[森へ向けて歩きつつ、小さく呟く。
昨日からずっと、村の中には不安げな空気が漂っていて。
それがなんとも言えず、落ち着かない。
肩の相棒もそこは同じようで、きょときょとと周囲を見回しつつ、時折ぱささ、と羽ばたいていた。**]
[武芸の嗜みは力を制御する為に始めた。
己の身さえ護りきれぬささやかな力なれど
御しきれずにいたこどもの周りでは不可思議な事が起こる。
それを厭うた両親は半ば病んでいたのだろう。
娘を手に掛け泉に沈めようとした。
けれど――。
近しい力持つ者は『魔』の封じられし泉に救われる。
覚えているのは水の冷たさ。
泉の澄んだ水音。
清楚なる睡蓮の花の芳香。
誰かに救われたような感覚。
それ以外は今なお忘れ記憶が蘇ることがあるのかさえ知れない]
[記憶を失い、力のことさえ忘れてしまった。
首筋に残る手の跡から疎まれていたと知れるのに
その理由がわからないからこそ不安を感じずにはいられない。
そんな娘に手を差し伸べてくれたのはヒューゴの両親。
優しい彼らとの暮らしの中であたたかな安堵を覚えていった。
少しだけ年上のヒューゴを兄のように感じ、頼りにも思え
彼が村を離れるまでの二年間で慕うさままで見せるようになる、けれど
彼にもその両親にも家族に向けるような呼び方は出来なかった。
身の振り方を決めるまで、焦らずとも良いという言葉に甘えて
六年もの間ハモンド家の世話になり続けてしまう。
用心棒を生業にして六年。
住処を変えたのもその年。
ハモンド家を出てからもヒューゴが村に戻るまでは
彼らを案じるように留守である彼の代わりのように
ハモンド家にも頻繁に顔を出してはいたのだけれど]
― 『蝕』当日/宿屋 ―
[起きるのはいつも通り早めの時間。
目が覚めているのにベッドからなかなか抜け出せないのは
空気が重く感じられたせいだろう。
気だるげな紫紺の眼には僅かな潤みが湛えられていた]
………………。
[夢をみたような気がするけれど覚えてはいない。
は、と息を吐き身体を起こして
後はそのままいつものように水汲みから一日が始まる]
― 『蝕』当日 ―
[朝食の準備を手伝い宿屋の主人と共に食事をとる。
仕込みの手伝いはいいからと買い出しを頼まれて宿屋を出た。
何軒かまわり最後に雑貨屋で仕入れを済ませ後は戻るだけ。
両腕に抱える荷物はたんまりとあり視界を半ば遮る]
あれ。
[日中であるはずなのに暗さを感じ見上げれば
雨雲の気配はなく、徐々に陽が影にのまれる様が映り込む。
珍しい現象に、ふと不安を感じて
頭を過るのはハモンド夫妻とその跡継ぎの顔]
……大丈夫、かな。
[案じる言葉が漏れる]
― 『蝕』当日/宿屋 ―
[大荷物を持って戻れば店内には良い匂いが漂う]
ただいま。
[珍しい『蝕』も何とやら。
営業する気しか見えぬ宿屋の主人の様子に笑みが漏れる]
次は何をしようか。
[遠出する仕事の依頼はないから、と
次に手伝う事をきけば、「休憩しとけ」と返事がある]
……じゃあ部屋に居るから。
[そう伝えて部屋に戻れば本屋で選んだ本の一冊を手に取り
綴られる文字をゆっくりと追ってゆく*]
泉に咲く睡蓮に触れてはいけない。
そう言われるのはきちんと根拠があってのことなの。
祭壇もそう。
触れてしまったら、『封』が破れてしまうかもしれないから───。
[折れちゃダメと問うクレムの言葉に返すのは、肯定を含んだそんな言葉。
自然に折れたと言う彼の予想を否定する言葉でもあった。
言いながら、泉の傍へと歩んで少し覗き込む]
……『蝕』が起きる日はね、『封』がとても不安定になるの。
そんな日に誰かが睡蓮や祭壇に触れてしまったら、きっと…。
───ううん、きっとじゃない。
『封』が、破られてる。
[泉を覗き込んで分かったこと。
自分に共鳴するはずの『封』が感じられなかった]
[既に伝説や逸話となってしまった出来事。
『封』の話をして信じてもらえるかは分からない。
それはクレムに限らず、村人全員に言えるだろう]
……クレム君、一旦戻ろう?
顔色、凄く悪いよ。
[クレムの体調を指摘して、この場を離れることを提案する]
それと……その睡蓮、私が預かっても良いかな。
[彼が持つ睡蓮の花を示して、問いかけ手を差し伸べた*]
― 『蝕』翌日 ―
[その日もいつも通り。
けれど前日に見た夢はみない]
今日はおひさま隠れたりしないよね。
[窓枠にはめ込まれた空の景色を眺めこぼす。
宿屋での手伝いを終えてしまえば
ふらりと外へ出て、本屋へと足をむける**]
―『蝕』の日―
[その日は慌ただしかった。
街から持ち戻ってきた荷物は配るのに数日かかる。
その日も、花やへ仕入れ先から預かったお金を届け、
宿屋へは宿泊客からの手紙だったり新しい食器の入った荷物だったり。
他にも何通か手紙を配って、家に戻ってきたところで『蝕』が訪れた。
家の裏手から、聞いたことのない嘶きが上がって飛び出した。
その時足を派手にくじいたが、気にしている場合ではなかった。
『蝕』という現象に騾馬がおののいて暴れて回っていた。
家は村の外れに近いとはいえ、落ち着かせなければ慄く獣の嘶きが止まらない。
やっと落ち着いた時はすでに日が暮れていた]
―『蝕』の日―
そうだ、アレッキオ。少し、走ってこようか。
[なんとなく、そう思って突然騾馬に乗って向かったのは森の中。
あまり遅くに立ち入るのは気が引けたが澄んだ空気を吸えば
自分も騾馬もきっと今日の疲れは癒えるだろうと思ったのだ]
ここはね、すっごいすっごい昔…
とても、さみしくて悲しいことが起きたんだって。
[人を守るために身を投げた祈り子の話をふと思い出した。
いつも聞いていた話のはずだが、改めて思い出そうとするとぽろぽろと抜け落ちていた]
そういう、伝説。本当かどうかは知らないけどさ。
さーかえろ。ボク腹減っちゃった。
[ぽん、と騾馬の首を撫でて向きを変える。
いつもと同じ睡蓮の景色に背を向け、家へと戻ったのだった]
―『蝕』翌日―
[ずきずきとした足の痛みで目が覚めた。
昨日足をくじいたのを思い出し、今日は診療所に行こうと立ちあがる]
おはよ、飯だぞー。
[いつものように騾馬に餌を差し出すとまた暴れ出した。
昨日のように怯えの見える暴れ方だ]
おい、アレッキオ、おいってば!
何なんだよ昨日から…お前、変だぞ?
[差し出した餌をどうしても食べようとしない相棒に困り果て、餌を置いて厩を離れた]
なんだかテンションあがらないなぁ。
いつもならそろそろソーヤの奴が来るころなのにこないし、
こんな時は宿屋のおばちゃんのケーキかなぁ…けど足痛い。
[診療所へ向かう前に気持ちを上げるべきか、どうしようか。
ひとまず家から村の中心へととぼとぼ歩く。]
ケーキ…のまえに腹も減ったなぁー。
[パン屋で焼きたての小さな白パンを買い、ひとつ頬張る。
残りは紙袋に入れてもらい、小脇に抱えて診療所へ]
―診療所―
こんちわ、先生いる?
足くじいちゃってさ、診てもらいたいんだけど…。
[怪我してはまともに出来ない仕事なれば、こうやって顔を出すことも少なくはない。
パンの紙袋を抱えたまま、いつもの調子で顔を出して声をかけた**]
― 回想・「蝕」の日 ―
[結局、その日は家から出してはもらえなかった
大人たちが不安そうにしているから、少女の不安も消えなくて
そうして、眠りについて、夢を見た
泉の睡蓮 誰かの声 そうして………]
………?
[それは、本当に夢なのかわからない、夢
まどろみの中はっきりと覚えていた、睡蓮の色
だけど、その意味を辿る前に深い眠りに落ちて]
― 『蝕』の翌日 ―
[目を覚ましても夢の事はよく覚えていた
だけど、それは誰にも言わず、朝食もそこそこに外へと
母親に見咎められたなら、「本屋さんにお金を持って行く」とでも答えただろうか
勿論、それも理由だけれど]
……確かめ、なきゃ。
[家を出て、真っ直ぐに向かうのは、夢に見た泉]
― 『蝕』の翌日・泉 ―
[泉に辿り着けば、既に見知った顔が二つ
二人の話は終わりかけていたようだったけれど、クレムの顔色>>27が余りにも白いのが気になって]
クレムお兄ちゃん、大丈夫?
[と声を掛け、その手元に、折れた睡蓮を見つけ、小さく声を零した
泉を見れば、咲いていたはずの花はなく
村の古い家に生まれて、その睡蓮の話は何度も聞かされていたから]
……封、が、って……ぁ
[ポラリスの落とした言葉>>40が耳に届いて、はっとして口元を手で押さえた
自分の見た夢がそうなんだと、だけど、それは多分言ってはいけないことだと子供心に察して
他の村人に知られてはいけないことだと、何故かそう理解して]
ポラリスお姉ちゃんの言うとおりだよ
倒れたら、みんな心配するから、帰ろう?
[クレムにそう声を掛けて、そのまま二人を見守って**]
─ 『蝕』翌日/→診療所 ─
……と、そーだ。
行く前に寄ってかないと
[いつものように森へと向かう前に足を向けるのは診療所。
行く前に届けておけ、と祖父に持たされた籠の中には、この間頼まれた薬が入っている。
相変わらず落ち着かない様子できょろきょろと周囲を見回す相棒の様子に、珍しく眉を寄せながら道を行き]
……あれ?
アルカ、何してんだ?
[たどり着いた診療所で見えた姿に、きょとん、と一つ瞬いた。*]
─ 『蝕』当日 ─
[ただの自然現象に不安を抱くなど、いつもなら考えられない事。
自分自身疑問に思いながら、それを追求することは出来なかった。
先生と、己を呼ぶ声が耳に届いたから]
ん?
あぁ、どうした。
…爺さんが?解った、今から行く。
[同居している祖父の様子がおかしいからと呼びに来た村人に付き添い、訪問して診察すれば不安による動悸だと解って。
薬を飲み安静にして、落ち着かぬ様ならまた呼ぶようにと指示している間にも同じように不安を感じた年配者、子供のいる村人が次々と自分を呼びに来る。
結局呼ばれた家を訪れるだけで一日が終わってしまい、自宅に顔を出すことも、
当初の予定に入っていた家への訪問もこの日は出来ず仕舞いになり。
だからアルビーネが先日会った後すぐに両親の元へ顔を出したことも、知らないままにこの日は終わった]
[男とアルビーネの付き合いは12年も前に遡る。
彼女が家にやってきた時、男はまだ少年だった。
記憶を失い行く当が無い患者を医者である父が保護する事に疑問は無かったから、一緒に住むことも不思議には思わなかった。
ただ不思議だったのは、父が彼女の記憶が戻る努力をしようとしなかったこと。
けれど、それも理由があるからだろうと、何故を問うた事は無い。
血の繋がりも素性も解らないけれど、彼女が両親を悪しく思っていないとは解っていたし、それさえ解っていれば問題無いとも思っていたから。
アルビーネがどう思っているかは知らないが、少なくともハモンド家にとって彼女は紛れもない、家族だ。
問われない限りは口にすることは無いが、男はそう、思っている]
─ 『蝕』翌日 ─
[いつもは早く目覚めるのだが、今日は聊か勝手が違っていた。]
…まずいな、寝過ごした。
[高く上っている陽を見ても、まだもやもやしたものが胸にある。
眠りが浅かったのか身体は重く、目覚めもすっきりしないままに顔を洗ってそれを飛ばそうとして。
念の為、昨日診察した者達の様子を見に行くかと考えたところで、外から声>>47が聞こえ]
アルカか。
いるぞ、入って来い。
足をくじいたって、仕事でか?
[湿布と痛み止めの残りを確認しながら、中へと促す。
入ってきた彼女から差し入れだとパンを一つ出された所に聞こえた声>>52に、一つ瞬き]
ソーヤか、お前もこっちに座れ。
[アルカの手当てをしている間に積もる話もあるだろうと、椅子を勧めた**]
─ 『蝕』翌日/診療所 ─
[よう、とあげられる手>>52に、こちらもひら、と手を振り返しつつ]
お邪魔しまーす。
あ、これ、こないだ頼まれたやつね。
[座れ、と勧めてくれるヒューゴ>>57に返して、籠を空いている台の上へと置いておく。
それから、改めて椅子に座って]
んー、行こうと思ってたんだけど、昨日の空見てたらなんか、そういう気分になれなくてさ。
[訪ねなかった理由はがじ、と後ろ頭を掻きながら答えて]
足挫いた……って、大丈夫かぁ?
まあ、ここで診てもらえば大丈夫だろうけど。
[一瞬だけアルカの足を見やりながら言って。
続いた問いに、自分も肩の相棒を見た]
クレーも、昨日の『蝕』から全然落ち着かない。
夜になってまで鳴くとか今までなかったし、外に餌取りに行こうともしなかったし。
[相棒とは言え、いつも一緒にいるわけではなく。
餌取りやら何やらで離れる事は日常茶飯事だった]
森の花とかもさー、なんか元気なかったんだよなー、昨日。
俺らが気づかない何か、感じてたりすんのかもな。
[言いながら、相変わらず落ち着かずにきょろきょろとしている相棒を撫でてやる。
キョキョ、と上がる鳴き声は、どこか不安げな響きを帯びていた]
―『蝕』翌日・診療所―
ううん、帰ってきてから…昨日、家で思いっきりずっこけた。
今日痛くて起きたから、やばいと思って。
[ヒューゴからどこで怪我をしたのか問われて>>57、えへへと苦笑して答えた。
ソーヤが来なかった理由が昨日の天候と聞けば>>58、なるほどとうなずいて]
昨日のはなんだか変な感じはあったかもなあ。
ボクはそれどころじゃなかったけど。
[ははは、とやはり苦笑いしながら、ヒューゴへ痛めた足首を見せようとズボンの裾を巻きあげた。
ここで診てもらえば大丈夫、には黙ってうんうんとうなずく。
正直街の医師に診てもらうよりはここの方が具合がいいのは、気のせいではないだろう]
― 『蝕』の日 ―
[ポラリスとエリィゼとのやり取りから、代わり映えのしない平和な日が数日続いて。
その日の朝も、父が仕入れの為村を出るのを見送った後で、カウンターに座った。
やはり客足は殆ど無くて、当然のようにうとうととしていたところで]
…… ん?
[不意に陽が翳った。
瞬きをして、窓の外を見る。ごしごしと目を擦った]
……何だあれ。
[最初は寝惚けて見間違えたのかと思い。
覚醒するにつれ、そうでないと理解する]
えっと……何だっけ。
何か、見覚えが……
[少し首を捻った後で、本棚の方へ向かう。
本の位置は記憶していても、曖昧な記憶頼りではなかなか目当ての本まで辿りつけず]
……あ、あった。
『蝕』かぁ。ふぅん。
[漸く見つけた古い伝承の本の中でその現象の記述を見ただけで満足してしまって、それ以上を読み進めることはしなかった]
─ 『蝕』翌日/診療所 ─
[ここで診てもらえば大丈夫、と思うのは、きっと、幼い頃からの刷り込みと、診療所を預かる医師への信が強いから、というのは余談として]
ま、植物の状態正しく見れなかったら、いい薬草は手に入んないしな。
違いくらいは、わかるつもり。
[すげー、と言われて悪い気はせず、ちょっと誇らしげにこう言って]
なんかこう……萎れてるわけじゃないんだけど、元気がないみたいな感じだった。
毎日見てないと、ちょっと気づけねぇって、あれは。
[昨日見た森の様子を思い返して付け加え。
何に、という呟き>>62に、腕組みをして首を傾げた]
それがわかんねぇから、困るんだけど。
……いつもと違う事、起きてるって事、だよなぁ。
[そこまではわかっても、すぐにどこかに結びつくわけではないのだが]
― 『蝕』翌日/本屋 ―
[陽が月に喰われた翌日。
まるでそんなことなど無かったかのように、いつも通りに夜が明けて、クレイグもいつも通りに店を開けた。
定位置であるカウンターに座り、いつものように居眠りを――]
……うーん。
[――否、頬杖をついてぼんやりとはしていたが、眠りはしていなかった]
─ 『蝕』翌日/診療所 ─
あぁ、薬の補充か。
後で確認するから、置いておいてくれ。
[ソーヤの来訪理由>>58に、置き場所を視線で示してから勧めた椅子に座るのを見て。
自分も同じく、アルカの正面の椅子に座って診察を始める]
そうか。
次同じ事をした時はすぐ診せに来い。
[アルカから怪我した理由と時間>>61を聞き、それに対して声を返しながら湿布と塗布薬を取り出す。
ソーヤとアルカの会話は耳に入れるも、まずは診療優先で口は挟まず。
二人からの信用を裏切らない程度の腕は、捻挫の程度をすぐに把握出来た]
杖をつく程ではないな、固定も要らん。
だが少し腫れているから、今日明日はあまり動かさんようにしろ。
仕事の予定が入っているなら、先に延ばせ。
─ 『蝕』翌日/診療所 ─
[腫れに効く薬を塗った後、湿布がずれない様に包帯を巻いて指示をして。
それからこちらに向けられた問い>>63を聞き]
動物は門外漢だから良くは知らんが。
異変を察知するとは聞いたことがあるな。
第六感というか、勘が鋭いというか。
しかし、昨日か。
爺さん達も揃って何やら落ち着かんと言っていたな。
[答えながら、すっきりしない胸中に眉を顰めた。
蝕という普段と違う現象に、子供が不安を感じるのは解らなくもない。
初めてのことだろうし、日中なのに暗いというのは解っていても落ち着かないものだ。
だが、いい大人である年配者が不安を感じるのはどういうことか。
何より昨日は、自分も言い知れぬ不安を感じた、その理由も解らない。
思案に落ちそうになった自分に気付いて、軽く頭を振った]
ああ、伝承にもあったんだ?
それなら、……村の人たちは昨日の『蝕』を気にしてたりする?
[躊躇うように間が空いたのは
昨日様子を見にいけなかったヒューゴの両親を思ってのこと。
クレイグの手>>72がひらと振られれば安堵したように目許がゆるむ]
掃除、手伝おうか?
[暇だから、という理由ならその必要もなさそうだけど。
少し高い位置の本もクレイグには難なく届くよう。
自分なら手を伸ばして届くかも怪しい]
――…背、伸びたよね。
私もそれくらいあればよかったのに。
……と、この中で読みやすそうなのはどれかなぁ。
専門用語いっぱいの本はきっとわかんない。
[本を選ぶ為の相談を詳しそうな店主へと向ける]
……んー、気にしたことなかったけど。
『寝る子は育つ』ってやつかな。
[自分で言った。後で]
うーん、そうだなぁ。これとか?
学生さん向けらしいし、他よりは読みやすいと思う。
[読みやすそうな本と言われて少し考え、真ん中の一冊を示した]
―『蝕』翌日・診療所―
…はぁい。
[次はすぐにとヒューゴから言われて>>75小さく肩をすくめた。
言い方はぶっきらぼうだから最初は怖かったけど、今は信頼しているから素直に言うことは聞く]
草花の勢いがないのはボクも悲しいと思うよ。
見てるこっちもしなしなになっちゃいそうだし。
明日にはなんてことなかったー!ならいいんだけどなあ。
[薬を塗ってもらいながら、肩越しにソーヤ>>66と話を続ける。
しかし、ヒューゴから動物の第六感と、昨日の件>>75を聞けば]
人間も年をとると動物と同じ…ってこと?
じゃあボクも年取ったらアレッキオと同じものを感じられるのかな…。
[――――、思案顔でうう、と唸った]
[森を歩きながら、ふと最初にここに連れてきてくれた友人の事を思い出す]
[療養のためにやってきた病弱な子供は、預けられた家でも腫れ物扱いで、だから、遠慮なく押し掛けてきて、質問攻めをしてくれた少年は>>7自分の世界の中では恐ろしく異質な存在だった]
[そもそも街でも友達らしい友達はいなかったから、どう付き合えばいいのかすら判らずに、それでも、知る限りのことをぽつぽつと話したら、いちいち嬉しげに反応を返されて...だんだんこちらも嬉しくなって]
[お返しに、と案内された森の中。あまり近付くと怒られるから、と言いながら、こっそり睡蓮の泉を見せてくれたのもソーヤだった]
……もっとたくさん寝るべきだったかな。
[神妙な顔をしてぽつと零す。
間をおいて示された本の表紙へと手を伸ばし
ページをそろと捲ってみる]
ああ、これなら読めそう。
じゃあこれ、貰うよ。
[ぱたと本を閉じてから財布を取りだし代金を用意する]
[村まで戻って来ると、視線は再びクレムへと向く]
家まで送ろうか?
[問いかけは体調を案じてのこと。
断られるならその場で別れるつもり]
─ 『蝕』翌日/診療所 ─
年を取ると動物と同じ、というよりは。
言い伝えが大きいんだろうと思うぞ、爺さん達の不安は。
[アルカ>>82の問いのような独り言のような疑問に返すのは、昨日感じたこと。
男は子供であっても可愛げ無く、村に伝わる逸話などにも興味は無かったから詳しく覚えていないが、年配の村人達は揃って気にしていた。
男は現実的でない事だと思うが、信じている当人達にとっては大きいことだろうと否定も肯定もせず様子を見る様にと伝えることで昨日は終わった。
ソーヤとアルカの言う通り、何事も無く過ぎてくれればいいのだが]
…確か、泉が関係しているんだったか?
[森の中については自分より詳しいだろう、ソーヤに何か思い当たる節は無いかと視線を向けた*]
だって伝承はみんな知ってるから。
親に教えて貰ったり、で、態々本で確かめる事も稀なんでしょ。
[此処の生まれではないだろうアルビーネもまた
伝承については軽く教わりはしたから
他もそうだろうとクレイグに視線を重ね]
――…落ち着かない。
それなら、様子みにいくんだった。
……けど「大丈夫」って言い合える相手がいるから、うん。
[落ち着かない風と聞けばぽつぽつと考え事が漏れる。
笑みの気配にまた小さく笑い]
良い客だろう?
[なんて軽口染みた響きをのせた]
[身長の事を言われれば少し考えるように間をあけて]
あると便利そう。
高い所にも台なしで手が届くし……
それに、もう少し背があれば強そうにみえるかもしれないし。
女としては可愛くないんだろうけどね。
[可愛げなんて必要ないと思っているから
言葉の響きに滲むものもなくさらとしたものだった]
……ん、ありがと。
クレイグが相談にのってくれるから
本、選びやすくて助かる。
[財布をしまい、本を受け取って少しだけ嬉しそうに微笑んだ]
― 『蝕』翌日・泉 ―
[ポラリスが再度促すのを側で聞く>>60
心配しないで、とクレムが言うのには>>73心配そうな視線を向けたまま
それでも、帰る事に同意を得られたなら、安心したように笑う]
うん、帰ろう。
[そう言って、二人をみて、村に戻るなら共について行く
睡蓮の花、それいついて話すのに耳を傾けて、その花がポラリスの手に渡る>>90のを目で追って]
ポラリスお姉ちゃん、そのお花で、何かわかるの?
[花に触れたとき、僅かに和らいだのに気付いてそう尋ねてみる
自分が不安であることは変わらなかったから、何かわかるなら、と]
─ 村 ─
え?
[エリィゼに問われて、瞳を一・二度瞬いた。
答えるにしてもどう説明すれば良いかに悩んで、数拍間が空く]
…えっと。
何か分かると言うか。
この花は、『封』のための花だから、何か分かるとかそう言うものじゃないの。
[口にしたのは結局、曖昧とも言える言葉だった]
……ん、ま、確かにな。
森からはいろんな恵みもらってるんだし、かえせるものはちゃんと返さないと。
[それでも続いた言葉は納得できたから、同意した。
勿論、こちらもノープランだが]
んーと、泉の伝承、だっけ?
俺もあんまりよく憶えてないけど、奥の泉の睡蓮と祭壇には、絶対触っちゃダメだ、ってのは何度も言われてる。
下手に触ると、寝てるものを起こしちゃうから、とかなんとか……。
[ともあれ、ノープランなあれこれは置いておいて、いつも言われている事を思い返す]
そーいや、それが眠ったのって、陽と月が重なった日だったような違うような……?
[やっぱり記憶は曖昧でした。
泉と祭壇の不可侵は徹底しても、泉の話自体はしたがらない祖父母の偏り教育は、こんなところで残念さを発揮させていた]
― 村 ―
[問い掛けに幾らかの間が空いたのに、ほんの少し期待を乗せた眼差しを向けて
だけど、返ってきたのはどこか曖昧な答え>>102で、少しだけ首を傾げた]
お姉ちゃんなら、何か知ってるのかな、って思ったんだけど、な。
お花、じゃなくて、お姉ちゃんが何か知ってる、とか……んー……
[どう言えばいいのか考えて、結局上手く言う事が出来なくてそこで言葉が途切れてしまう
返事が返っても返らなくても、今はそれ以上は訊かずに
家まで送ろうか?との申し出>103に、思い出したように顔を上げて]
あ、そう言えば、リィ、この前の本のお金、クレイグお兄ちゃんの所に持っていかないといけないんだった。
[母親に告げた外出の目的を忘れるわけにいかない、と、ポラリスにはそう答えて]
― 村 ―
うん、じゃあね、ポラリスさん。
[エリィゼとポラリスの間に交わされた会話も、聞くとはなしに聞いていたが、やはり口を挟む事は無く、別れ際に手を振る頃には少しは顔色もマシになっていたか]
― 本屋 ―
……でも詳しく記されているなら
この本を読んだ後にでも読んでみようかな。
[本を読むのは好きだから。
次に読むものが出来たとばかりに
先程クレイグが見ていた本の背表紙をちらと見る]
――…ん、ヒューゴの両親。
そうだね、様子見に行ってこようかな。
[軽く頷き、軽口が返れば破顔して]
じゃあ次も歓迎してよ。
[軽口の結びはそんな言葉]
見かけで強いと分かったら襲ってくるのも少ないから。
相手に怪我させるのもなんかイヤだし。
……ああ、アルカの護衛とか、外に出る際にね。
[クレイグの言葉は腕を認められたように感じ
自然と口許がゆるんでしまう。
棚に本を戻す彼が振り向く頃、片手を軽く掲げて]
これくらい?
クレイグの知識は――、尊敬に値するよ。
じゃ、またね。
[くると踵を返して本屋を後にした]
─ 『蝕』翌日/診療所 ─
怖い、とはまた違ったと思うが。
昔聞いただけだから、詳しくは解らん。
[アルカ>>101に返すのは曖昧な答え。
男の問いに対してのソーヤの返答>>107の方が詳しい位で]
あぁ、それは俺も言われたな。
早々奥に入ることは無いから、忘れていた。
[泉の睡蓮と祭壇に触れるなとは、大人達が揃ってきつく言って聞かせてきたこと。
今も年配者が子供達に言い聞かせているだろうとは、容易に推測できて]
陽と月が重なったっていうと、『蝕』じゃないのか?
あぁ、そうか。
その何かが眠った時と同じ現象だから、何かあるかも知れないと思ったのか。
[年嵩の村人達が不安を抱いていた理由が、腑に落ちた]
―『蝕』翌日・診療所―
…つまり、何か起きたんじゃないかってじーさんたちは思ってるってことだね。
[きっかけの一言>>95と、ソーヤが思い出しながら言ったこと>>107と、
続く、ヒューゴの言葉>>112。
それで自分がわかったのは、不安の原因のようなものと、他にひとつ]
…ボク、伝承の話…全くまじめに聞いてなかった…。
[泉に入ったり、祭壇に登ったり、睡蓮に触ったりしたら怒られる。
だから、やらない。それだけだった…ということ]
ま、『蝕』だって滅多にあることじゃないし…びっくりしちゃっただけだって、みんな。
…明日もこんな雰囲気だったら、でいいんじゃないかな。
[偉そうなことを言った割にはノープランをさらっと露呈させた]
― 村 ―
[ポラリスを見送った後]
エリィゼちゃんは、本屋さんに用事?
僕も寄りたいから一緒に行こうか。
[この少女になら隠す必要も無いから、そう声をかけて、手を繋ごう、と、言うように差し伸べた]
─ 『蝕』翌日/診療所 ─
あー、そっか。
それって、『蝕』の事なんだ。
[引っ張り出したうろ覚えの記憶へ返った言葉>>112に、ようやくいくつかの現象が重なって、ぽん、と手を叩く]
そういう事なら、不安になったりもするよなぁ……。
[とはいうものの、それが動物たちの落ち着きのなさとはすぐに結びつかなくて、んー、と首を傾げるものの]
ん、そーかもな。
深刻になりすぎちまってるだけかも。
[諸々が繋がりはしたものの、その先には思考は伸びず、アルカ>>114に同意の頷きを返して]
明日まで続いたら……その時は、いくら何でも、みんなで集まってなんかやるだろうし。
[こちらもこちらで、さらっとノープランぶりを晒していた]
……さて、と。
届け物も終わったし、俺、そろそろ仕事に戻るよ。
森の様子、また変わってるかもしんないしさ。
[相棒は相変わらず落ち着きないけれど、のんびりしているわけにもいかないから、と。
軽い口調で言って、椅子から立ち上がった]
─ 村 ─
[クレムとエリィゼと別れてからしばらく歩いて、不意に足を止める]
……これ、皆に知らせないと、だよね。
[『封』は破られた。
けれどまだ何かが起きたわけでもない。
それがポラリスに迷いを与えていた]
う〜〜〜……
一回、誰かに相談……。
[そう考えてまた悩む。
誰に相談するべきか。
ふ、と浮かぶのは一つ上のしっかり者の医者。
忙しいかなぁと思いながらも、足はそちらの方へと向いていた]
― 村 ―
[クレムが離れて行くのに手を振り返して>>109
顔色が少しだけよくなっていたのに安心はしたけれど、心配は拭えないまま
ポラリスからの返事>113が返れば、やはり、うーんと考えてから]
そう、なんだぁ……うん、本当の事だったんだ、って言うのはなんとなくわかる、かも。
[なんとなく、の理由は伝えないまま、本屋へ向かうことに了承を得れば笑って]
うん、約束したし、リィが約束守れない子だって思われたら嫌だもん。
[零すのは、相手に嫌われたくない、と言う思い]
ポラリスお姉ちゃんも、また、ね。
[そう言って、やはり手を振り返して本屋へと向かった]
[本屋に向かおうとした所で、離れかけたクレムから声が掛かった>>115]
クレムお兄ちゃんも?
うん、それじゃ一緒に行こう。
[手を差し伸べられたなら嬉しそうに手を繋いで、共に本屋へと]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新