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――きゃっ!
[ばたっ]
[なんということでしょう、
足元を横切ってきた小動物――シルエットからしてリスでしょう――を避けようとしたはずみに転んでしまいました。
突然割って入った音のせいで合奏は止み青いきのこは飛び跳ね去っていきます]
あっきのこさん……、
……きのこさん待ってくださいましーっ
[と言っても待つようなきのこではありませんでした。
残された私と妖精さんは自然と顔を見合わせる形になります]
…………。
[せっかくお手伝いしていただいたのに何とお詫びをしたらいいのやら……**]
ええっ、遊んで欲しいの?
[ちゅうちゅう、と鳴き声を上げる野ねずみ達を前に、マリオンからの言葉>>30を聞いて驚いた。
ギュンターを見上げて鳴いている様子は、確かにじゃれて来ていると思えなくも無い]
えっと……
[足を止めて、見上げてくる野ねずみ達を見下ろす。
くりっ、と首を傾げる様子はちょっと可愛かった]
このこ、籠に入れてからね?
[ぬいぐるみのように抱き締めていたきのこを示して、ギュンターも首を傾げてみる。
伝わったのかは分からないが、今度は歩き出しても目の前に来ることはなかった。
代わりに野ねずみ達は後ろをついてくる]
[野ねずみ達と共に籠の下へと進み、捕まえたきのこを籠の中へと入れる。
籠の中には大人しく収まっているきのこ達。
それを野ねずみ達は籠によじ登って覗き込んでいた]
齧ったりしたらダメだよ。
[注意しながら野ねずみの頭を突いて、意識を自分へと向けさせる。
鼻先をギュンターへと向けた野ねずみは、ぴょいと籠を飛び降りて、ギュンターの周りをくるくる回り始めた]
分かった分かった。
じゃあ次はあっちだ!
[指を差して駆け出せば、野ねずみ達がギュンターの後を追ってくる。
進行方向には別のうたうきのこ達。
野ねずみ達と協力してきのこを捕まえるのを遊びにしてしまう心算だ]
[駆ける先、きのこ目掛けて野ねずみがぴょいと飛び掛る]
あ、
[ギュンターよりも先に、野ねずみがきのこへとしがみ付き、きのこが歌を止めてふるふると震え始めた。
嫌な予感、と思った矢先、ボンッ!ときのこの笠から胞子が飛び散る]
うわぁ!
[駆け込む形になったギュンターは胞子の舞いに巻き込まれ、きのこの姿を見失ってしまった。
近くからは、ちゅーちゅー!と野ねずみ達が騒ぐ鳴き声が聞こえる。
突然のことに野ねずみ達は一目散にどこかへと走り去ってしまった]
げほっ、……油断したぁ。
[緩やかに四散して行く胞子の中から出て来て咳き込む。
青いきのこは当然のようにどこかへと逃げてしまっていた*]
[こちらの申し出に表情が明るくなった>>25ギュンターからの感謝に、笑顔を返して]
良いって良いって。
その代わりって言ったら何だけど、アタシも怒られそうだったら助けお願いね?
ドロテアちゃんとゼルマおばちゃんも。
[時間かかるかもとは言って出てきたけれど、夜になっても帰らないなんて思ってはいなかったから。
帰宅後のお叱りは免れなさそうだし、ここで保険を立てておいた。
自分とギュンターだけじゃなく、ドロテアとゼルマもそうだろうと思って視線を向けて。
そういえばホラントは、と此処でようやく噂を持ち込んだ当人の姿が見えないことに気がついた]
[こんな状況で離れる様な人じゃないけど、と思いはしたものの今はきのこがぽっふぽっふ飛んでいる上暗くなった空の下きのこの青い光が眩くて探すのもちょっと難しい。
ホラントだって子供じゃないんだし、先ずは目先のお願いに応えようときのこの捕獲に集中しようと思い直して。
>>17>>23小さな妖精がドロテアと話をしているのに気付いたのは、そんな時]
……ほんとに?
[絵本で見たままの姿を現実に見た驚きに丸く見開いた目は、そのまま妖精を追いかけて。
>>24耳に届いた澄んだ歌声と、応じる様に音を奏でるきのこの光景の美しさは少しの間時間を忘れさせた]
[こちらが我に返ったのは、>>29>>30マリオンがきのこ達に近付きふわりと柔らかな仕草で腕に抱える一連の動きを見ていたから。
すぐ傍ではなかったから囁きまで聞き取ることはできなかったけれど]
そうだった、見とれてちゃダメだったわ。
というか、マリオン捕まえるの上手ね。
[きのこに逃げられる事もなくさらりと捕獲していた様に見えたから、自分とは大違いだと感心しながら拍手を贈って。
>>28ギュンターの困り声が聞こえて、そちらに視線を向ければ彼の腕にもきのこが抱えられているのが見えた]
ギュンターもすごい、良い調子じゃない?
[彼は結構捕獲成功しているはずだ。
森防人のおじいちゃん譲りの何かがあるんだろうか、と思いながらやっぱり拍手を送った]
わっ
[足元を不意に横切る何かに気付いて足を引っ込め。
何だろうと目を凝らしてみると、大きな尻尾がゆらんと揺らめいた。
目が慣れてくれば、その姿がちゃんと見えてきて]
…なーんだ、リスか。
もう、人の足元走ったらダメよー。
踏まれちゃったらどうするの。
[め、と叱る様に指を振ったら、それに合わせる様に鈴のような音が鳴った。
あれ?と思ってもう一度指を振ってみても、やはり同じ音がして。
周りを見回すと、すぐ傍にふるふる佇んでいるきのこの姿]
…ふむ?
[もしかしてこれが鳴ったのだろうかともう一つ、試してみたいことが思い浮かんだ]
[どうやらきのこは指を振る動きが気になる様。
上手く行けば捕まえる隙が作れるかもしれない、と思って試したのは半分成功だった。
しゃらんしゃらん、と音を奏でるきのこは表情とか無いはずなのに楽しそうに見えて。
これなら抱っこしても逃げられないかもと手を伸ばしかけたのだが、指の動きが気になったのはきのこだけでは無かった模様]
ひゃああん!?
って、ちょ、待っ──
っふ、ごほっんん、けほっけほっ
[突然背中を何かが駆け上がっていった驚きに動きは止まった上、変な声まで出てしまった。
驚かせてしまったか、ぽふん!ときのこは大きな動きで跳ねて逃げてしまい。
しかもその拍子に噴出した胞子を思い切り吸い込んだこちらは追いかける事すらままならなくなった**]
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