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ねえ、シャロン。
貴女は彼女といつまでも一緒なのね。
……心臓は、甘かった?
[届いているとは限らない]
[けれどその推測に従って]
[歌うように囁いた]
[自警団の詰め所へ駆け込んでざっと状況を説明し、診療所へも使いを出してもらう。
宿屋へと向かう団員たちの後ろを、痛む身体を引きずりながら追った。
現場検証だの、野次馬だの、遺体の回収だので、宿の周りは騒然となる。]
[マスターに起こったことを手早く伝える。
次は──と二階に足を向ける。
が、そこで降りてきた二人と、
その視線の先を見て歩みを止めた。]
シャロン・・・・・・か・・・
[どこか虚ろに言葉を繰り返すシャロンの様子に、どうしたものか、と戸惑う。
その傍らのリディアも、どうしていいのかわからない、と言った様子で]
……ぅ……。
[更に、シャロンの様子が、頭痛を深めるような、そんな心地がして、呻くような声を上げる。
『同じ』『あの時』『紅』。
ぐるぐる回るのは、キーワードだろうか]
おいしい・・・クローディア?・・・
私にも・・・頂戴・・・
甘い・・・甘い・・・お菓子・・・
うふふ・・・うふ・・・甘い・・・甘い・・・
〔首元を緩めた際にそっと頤に触れる。規則正しい脈が感じ取れた。帽子を取ってやり、額に己の額を合わせる。熱も無いようなので、ひとまずほっとする〕
〔心配そうに眺めるパトラッシュに気づき、声をかける〕
どうやら眠っているだけのようだ。
心配ないさ。
目覚めた時に心細くないように、そばにいてやってやれよ。
〔昨晩のディーノの叫びを思い出し、一人ぼっちは辛かろうと思った〕
〔眠っているディーノに視線を戻し、再び首元に触れ、己のそれと触り比べる〕
しかし、ほっそい首してんなぁ。
精のつく物ちゃんと食わねぇと、もたねぇぞ。
[ふるり、と首を横に振る。
こうしていても始まらない、と自分に言い聞かせ、頭痛の事は忘れようと。
見た感じ、怪我はないらしい。
身を染める紅は、クローディアのものだろうか]
……直接見ないと、判断、つかないけれど……。
[この場で詳細な診察をするのは、ほぼ不可能な気がした。
シャロンの精神状態もだが、その分厚い着衣も理由の一端で。
そろそろ自警団もやってくるであろうこの場でそれを脱がせる訳には、という意識もまた働いて]
大丈夫そう、なの?
その、身体の方は。
[エリカを見て]
[その表情からやはり同じ結論に達する]
部屋…はあそこの隣なんだっけ。
マスター、他には空いていないのかな。
[まずはどこかで落ち着かせたほうがいいのではないかと]
[主人に向かって尋ねた]
うふふ・・・うふ・・・
美味しい・・・美味しいわ・・・
ねえ・・・もっと・・・もっと頂戴・・・
占いなんてやめて・・・もっと頂戴よ・・・
11の星なんて知らない・・・2つの赤い星なんて知らない・・・
だから・・・私の耳元で・・・そんなこと囁かないで・・・
ねえ・・・もっと・・・そんなこといいから・・・
[そばにいてやれ、との言葉には、勿論、というように尻尾を振り。
ここに来た当初誤って蹴られた為に最悪だったランディの印象が、回復しているのを実感する。
けれどランディがディーノの首元に触れる度に、なんだかそわそわしてしまうのは。…俺はこいつがディーノを殺すとでも思ってるんだろうかと、心中で自分に首を傾げた。]
うん……階段から落ちた時に、身体を打ち付けてるとは思うしけど、腕とか足も、おかしく曲がってる様子はないし。
[だから、身体の方は、と。フランに頷いて]
とにかくまず気持ちを鎮めないと、話も聞けないし……。
〔不思議な視線のパトラッシュに気づき、わしわしと頭を撫でてやる〕
さ、こいつはもう大丈夫だろうから、俺は下に行くよ。
後は頼むぜ。
〔そう言って、ベッドサイドから立ち上がった〕
11の星……2つの、赤い星……?
[シャロンの言葉の一部に、違和感のようなものを感じて、首を傾げる。
だが、その意を問う事は、今は出来そうにないかな、と。
*小さく、ため息をついて*]
そっか。
[空き部屋はまだあると聞いて]
[シャロンに近寄る]
シャロン、シャロン。
少し休もう?
[聞こえていないだろうなとは思いつつ]
[軽くその肩を揺すった]
…あらまあ。
本当に彼女の声が聞こえているわけ。
[呼びかけるような囁きを止め]
[皮肉気に唇を歪めた]
その位にしてくれないかしらね。
貴女から消さないといけなくなってしまうわ。
[ばたばたと駆け込んでいく自警団員たちの後ろから、宿へと入り、
カウンターの隅の席へ座り込む。]
…だりー……。
[痛む背中を丸めながら、冷たいものを出してもらうところ。]
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