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[顔を洗い、食堂にて適当にチャーハンを作り、ついでに何かをサランラップに包んだものをポケットに入れた。]
人ならざるものにこんなのが効くなんて思わないけどね…。
[そして軽い食事を済ませた後、一人校舎へと向かう。]
[気配の感じられない廊下。職員室の扉をがらりと開ければ、本来なら誰か先生が一人はいるはずの職員室すら誰もおらず。早乙女の席には鞄が置かれたままなのを確認し小さく溜息を吐く。]
[次いで門へと向かう。マコトから聞いた"学園から出られない"のが真実かどうかを確かめるために。]
―→門―
うん、桜花。
本人がそう名乗っていたから。
[口調が少しずつ元に戻ってゆく。
どうすると思う、という言葉には困ったように首を傾げて]
分からないから聞いたのに。
でも、何かするつもりなのね。
うん、舞ちゃんのしたいようにするのがいいわ。
その勢いなら、桜花も何か答えてくれるかもしれないね。
[小さく笑って頷いて。
バトンバトンー、と言いながら寮へ戻ってゆくマイコを見送った]
…じゃあ、やめとく。
[それは誰に向かって囁かれたのか]
……、晩飯食わな。
[いざと言うときに動けなければ、意味が無いんだっけな。
昼間の会話を思い出したのか、ぽつりと呟く。
キチンと…、とは言えないが、食事と睡眠を取ったら、
多少なりとも食欲が出てきたらしい。
よ、っと僅かに弾みをつけて背伸びをすれば
ぐき、と背中が小さく鈍い音を立てた。
校舎内へと繋がるドアに触れようとして…少し躊躇った。
少し考え込んだ後に、軽く蹴りを入れて無理矢理開けると
素早く飛び降りる勢いで、軽快に怪談を下っていく]
―校舎→外―
─寮─
[寮に戻れば、近くから人の気配が感じられ]
食堂……誰か、いるのかな。
[また、一ノ瀬先輩かな、などと呟きつつ、ごく何気なくそちらへ足を向ける。
……何となく、急ぎ足になったのは、何か危機感でも感じたから、だろうか]
[マコトの声に厨房から顔を出す]
………ああ、今、飯を炊いてる。
[片手に、オタマ、もう一方の手には味噌の袋…恐らく味噌汁にチャレンジ中]
司の二人は論外。
意志の強そうな天野先輩や、水月先輩は手強そう。
拠り所のある一ノ瀬先輩も微妙かな。
[そこを考える時は葉子の意識が上回るか]
ああ、キリュウせんぱい。
昨日現実から目を背けてたひと。
[一人の顔が思い浮かんで軽く手を打った]
あれ、ヒサタカさんでしたか。
……ご飯炊いてる……って……。
[ふと、過ぎったのは、昨夜の騒動。
追憶に囚われながらも、惨状は認識していたらしい]
……ええと。
俺、やりましょうか?
[問いかける声は、かなり真剣かもしれない]
[約一名綺麗に忘れられていると思った。
しかし、他の面々と比べれば、特に後輩であった九条葉子にとってあまり存在感のある男では無いことも否めない。]
ん。
[否定する事をしない。]
―屋上・夕方―
[その場所に来るのは初めてだった。保証されただけあって、三階の仕切られた窓から眺めるのとはまた違う。もっと広く、ずっと遠くが見えた。
暫く感心したように眺めて、]
じゃ、俺は――
[戻るけど如何する、と聞きかけて振り向く。返事の代わりに小さな寝息が聞こえた。
僅か、口許が笑うように動いた。風邪を引かないかと少し思ったが、何時もこうなら多分大丈夫だろう。
寝ている少年を起こさないように、そっとその場を後にした。]
―→現在―
…………
[なんで、こんなに真剣なんだろう?とか、少しだけ思ったかもしれないが、自分の才能の限界は知っていた]
ああ…それじゃ、頼む。
[あっさりと、マコトにオタマと味噌を手渡した]
[校舎を抜けて、すてすてと寮へ向かう。
その通り掛かり様に、ちらりと桜を見上げて。
──闇の中の薄紅は、明るく浮かび上がって。
何処か、不気味に思わせるその佇まいに僅かに眉を寄せた。
…こんな状況じゃなきゃ、生温い温度にひらりと舞う薄紅を
神秘的だと賞賛する人も居たのかも知れないが。
はぁ、と短く溜息を零しながら、やはり意図的に視線を外した。
そのまま、真直ぐにその足取りは寮へと向かう。]
ただいま、と。…?
[…もう何度目か、四苦八苦しながら寮の扉を開けて、
食堂の明かりに気付いて緩く瞬いた。]
[重い門に手をかけるもびくともせず。格子の隙間から手を伸ばしたが、それは何かに弾かれ反射的に手をひっこめた。
それでも、今度は格子に足をかけ、門に登り再び手を伸ばすもやはり同じで。おそらく先に格子から手を出してなければ、門から転がり落ちていただろうが、なんとか堪え。そしてひょいと飛び降りた。]
[今度は裏庭へと向かい、足元の石ころをひろいあげ、塀の向こうへと軽く放り投げるが、やはり何かに弾き返され校舎の壁に当たった。]
――これは、人間が作ったと考えるほうがより非現実的かな?
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