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[アズマの小さな声に、ほんの一瞬そちらを見やり。
扉の向こうの気配には気づいても、何か言う事もなく]
『憑魔』は、人から生じて……そして、人に憑いて。
憑いた人間の、一番深い所にある願いを叶えるための力を人に与える……。
『憑魔』の力を得た者は、大きな力を振るえる、けれど。
……生きていくために…………他者を。喰らわなければ、ならなく、なる……。
そうして、人を喰らって、でも……。
そうする事で、願いからは遠ざかり、狂気に堕ちていくのだと……。
[訳のわからない言葉。]
……司?
……音色?
欲しい?
貴女……違うっ!!
[背筋に冷たい汗が流れるのを感じる。]
[じりじりと近づいてくるヨウコを見据えたまま、最小限の動きで伸ばされた手をとっさに払いのけようと右手を内から外へと振るった。]
[本来憑魔は、人間の心の奥の願望や欲望を刺激して、それを叶えるために、宿主に力を与えて邁進させる存在。
複数の憑魔が居た場合
互いの宿主に対して影響を及ぼし合うのだろうか。
それとも、単に個性の問題なのだろうか。]
サヤカは、 ヨウコ を投票先に選びました。
うん、いいですよー
[にこっと笑って]
じゃあ、教えてもらえるようにセイシンセイイ努力しますねー
[その努力の中に何が含まれるかなど、言わずとも。]
……みつけたら、はんぶんつにします?
[首をかしげて、同じようにわらう]
投票を委任します。
マイコは、 フユ に投票を委任しました。
今ここには司はいませんよ。
だからじゃまもされないの。
[振り払われた手、大きく弾かれたその爪は異様に伸びて]
違わないよ。
わたしはヨウコ。
[笑顔を浮かべたままそう答える]
食べたいの。
食べれば一緒にもなれるもの。
[一歩大きく踏み込む。
逆側、右の腕を伸ばし、その身体を捕えようと]
ありがとう。
[あっさりした承諾に礼を言う。言葉の中に含まれる意味を知ってか知らずか。]
…ん。
日月さんの好きにして良いよ。
一人じゃ大変そうだったら…
[愉しそうにわらう。]
うん、たべるの。
ヨウコのねがいのために。
[認められることが嬉しくてコエを紡ぐ。
ただ望むままに力を欲する。
それは小さき憑魔の意識か、葉子の意識か。
すでにその境は曖昧で]
そう、願い……。
願う事だからこそ、それに対しては、一途に突き進んでしまう。
でも、願えば願うだけ遠くなる悪循環を抱えてるから。
だから、それを……止めるための、存在も、あって……。
[呟きと共に、ぐ、と手を握り締める。
ゆらり。
揺らめく風が、そこに集うか]
[調整をした弓を背負い、寮へと向かう……が、桜の下に人物を見かけて物陰に隠れる。夜目の利く目を細めて見つめると]
あれって……九条と例の先輩?
[その時、ヨウコがサヤカの心臓目掛けて手を伸ばすのを目にする]
!? なにをしているのっ!!
[そう言って飛び出し、背負っていた弓に矢を番え、ヨウコに向ける]
うん。
それじゃあ大変そうだったら、お願いしますねー
[まったく何の気負いもないような顔で、笑って]
でも、わかったら先に教えますからー
あ、伝言とか残すっていうのも面白いかもしれないですね……っと
[はたと気付いて]
それじゃあ、桜のところにいかなきゃ。
でも、ちゃんとバトン持っていきますね。
それじゃあ、朗報をお知らせできるといいですっ
[ぺこっと頭を下げて*寮へかけてゆく*]
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