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[ニーナの言葉に、軽く目を見開く]
え?いや、やめた方がいいですよ?
だって、消えてしまったら、もう元には………
[後半はぼそぼそと口ごもる]
……そんな印象つよかったっけ。
まあいいや。マジシャンさんはそう言うし。
実際そうなのかもしれないし。
おれにはわかんない。
知ってる知ってないだけでどうやってわけてるんだか。
……って。ニーナさん?
信じる信じないはさておき、冷静になっといて損はないだろ?
[手への抗議は、例によって流しつつ]
ああ、ちょっとね。
何やら、体調崩して寝込んでるらしくてさ。
[投げられた問いには短く答え。
ニーナの返事には、そうか、と呟くように]
……いや、こないだ物凄く元気そうだったのに、一晩で起きられないような事になるっていうのも、妙な話かな、と思ってね。
もし、大きな病気なら、何かお見舞いでも、と思ってさ。
[それから、いつもと変わらぬ口調でこう言って。
ニーナがコーネリアスに投げかけた問いに、やや、険しい光を目を宿す]
あのね。
これ以上無いほど色々なわけのわかんないことがあるのに、冷静にとか無理だし。
でもそれでも冷静に落ち着こうとはしてるんだけど。
その手が火に油そそいでんのわかってる? ハーヴェイさん。
って、ミズ、寝込んでるんだ。……大丈夫かな。ミスも心配してるだろうに。
さあ、ね。
それこそ、直接聞きでもしないとわからないんじゃないかな?
[困り顔のコーネリアスの様子に、ひょい、と肩を竦めて]
……あんたの力の影響と仮定するなら、魂と身体が切り離されてる……んだよ、な?
[それから、確かめるように、こんな言葉を投げかけて]
…私が、魂と身体の繋がりが弱いって決まっていませんし。
試しに、一人占ってみれば早くありません?
それに私、占いが本物か偽物か、見極めちゃう特技がありまして。
[口籠もる言葉に、一度青を瞬いて。緩く首を傾ぐ。
最後の言葉は、ちょっと興味あるんです、とどこか冗談めいた口調で]
…あぁ、でも魂に関しては──
一度は戻ったので、次も何とかなるんじゃないですかね。
[ぽつりと、呟いた言葉は、
軽い口調にしては、何処か覚悟を含んだものだけれど]
いいのかな?
本当に「消えて」しまうかもしれないぞ?"ラッセル"……
[ゆらりと瞳に揺れた酷薄な光はラッセルの目に移っただろうか?]
訳がわからない事があるから、冷静にならないと、だよ?
……というか、この程度の事も受け流せないようじゃ、まだまだだね。
[くく、と笑いつつぽむぽむ、と撫でてから、手を離し]
……大丈夫……だと、思いたいんだけど、な。
[後半の言葉は小さなため息と共に]
んー……
よくわかんないんだけど。
その魂と身体の繋がりとやら? とかで、ええと。
占い、ねぇ。
それが、本物か偽者かを、ニーナさんが見分けられる?
……ほんと、よくわかんない。お手上げ。非現実的すぎる。
いくら冷静になったってねえ。おれは枯れて無いからそこまではいかないの。
[ふらり、ゆらり。
散らばりかけたたましいがゆっくりと収束して、白い女の影を作る。
その姿を見られるのは、一部の人にあらざるものだけ。]
ええ、そうみたいです。
[ハーヴェイの言葉に頷く]
と、言っても、私は切り離された後の魂を見る力はないものですから、実際にどうなっているのかは判らないんですよ。
見る力の有る方もいらっしゃるみたいですけれどね。
[ニーナにはやはり首を振る]
だめだめ、危ないですから!
万一のことがあったら大変ですよ。
それに、私が占い師かどうかなんて、確かめる必要もないでしょう?
もうアーヴァインさんは、消えてしまったんですから…これ以上被害を広げる意味がありませんよ。
え、と。昨日お会いしましたけど…
お元気そうでしたよ?ご婦人も…シャロちゃんも。
[ハーヴェイの言葉に、口許へ手を当てる。]
一緒にお散歩に出かけていた先で会ったんですけど、
起きられないほどのご病気には、見えなかったです。
[その様な重病なら、何らかの話が回ってきていても可笑しくないのだけれど。
…大丈夫かな、と眉を寄せて。
ふと、レベッカから手を伸ばされたことに気付いて小さく、笑みを零す。]
やだなぁ、レベッカさん。
まだ消えちゃうだなんて、決まって無いじゃないですか。
それに、元に戻らないとは限らないんですよ。
もし何かなっちゃっても、誰か覚えててくれれば、何とかなりますって。
[私がそうですもん。と、小さく笑みを零す。
尤も、戻れたのは今は祖母となってくれた女性のお陰だけれど。
と、ラッセルの様子に、首を傾げ緩く瞬いた]
消えたくはないようだな……"ラッセル"は……
[ふと、揺れる白い影に気付いて、うっすらと笑う]
賑やかな場所がお好きかな?レイディ。
……なるほど、ね。
[小さく呟いて、すい、と視線を空へ。
サーカスに近づくと、感覚は良好になるのか、そこにはあらざるものの影が見えるような、見えないような。
しかし、同時に、紗のようなものがかかっているような感覚もあり、はっきりとは見えず]
『……騒がしい……のか、ここ』
[微かな苛立ち。それを振り払うように軽く頭を振れば、ラッセルの異変が視界の隅を掠めるだろうか。
その側の黒猫が、案ずるようにまた、鳴いて]
シャロ……?
[いつでも近くに居たはずの娘がそばにはいなくて。
娘を探して問いかける。彼女は一体、どこにいるのだろう]
――時は前夜にさかのぼる。
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