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[周囲に誰もいないのを見て取り、髪留めと眼鏡とを外し。
服を脱げば、普段名乗る肩書きに合わぬ鍛えられた身体が現れる。
そして、その身に刻まれた無数の呪印。
封印、抑止、制御。
その道に通じる者であれば、そこに刻まれた意は用意に読み取れるだろうか。
強すぎる力を押さえるために刻んだ、枷の痕]
/*
露天風呂に忘れし服の回収にいけませぬ…(*ノノ)
[時竜殿が戻られればセレスを返し、向かおうと予定していた様子]
< マテウスの言葉に、猫はぴょこん、耳をふるえさせて >
露天?
< すこし、興味のにじんだ、なき声。
でも、と、ナターリエを見ました。じー。 >
露天、露天。
こう、地面から湧き出る湯ってのぁ、色々いい気がいっぱいで元気になるよなー。
[ナターリエの様子に首を傾げつつ猫にももう一度「行くか?」とにこり。
アーベルの首根っこをずるずると引き釣りつつ露天風呂へ。]
[獣の姿たれば見られるは不都合なくとも、見るは話が別なりや]
いいえ、私は…行きませぬ、行けませぬ。
[頭を振れば、染まった項が垣間見える。
彼の仔が行きたいという様子を見せるなら、更に困惑しようか]
[ありがとう、と言う言葉に、セレスはにこり、と笑んで]
「笑ってくれるの、ええと……」
[困ったように、言葉を切って]
「……うれしい?」
[何故か、それは疑問系。
その疑問は、庭で寛ぐ時空竜に向いていたのだが]
[白き猫の視線に、私は羞恥に染まった顔を逸らす。
耳が落ちつかなげに跳ねようか]
あの…私の事は、構わずに。どうぞ…。
[置いて行ってくれるならば、その方が幸いといった風情]
ちゃんと服は脱ぐんだ。
そこに着替えっぽい東方の着物が沢山置いてあるから、上がったらこっち着るんだぞ。
[ナターリエの声には残念、と言って脱衣所へ。
男女の恥じらいに欠けるのは獣族の村から殆ど出てないゆえか。
脱衣所ではアーベルに細かく指示を出しながら、と、脱衣所に脱いだ服があるのを見つけて]
< アーベルがひきずられて行くのは、どうもシュールな光景です。
猫はにゃあ、とないて、とくべつとめることはしませんでした。
ナターリエの答えは、予想の はんちゅう。
子どもの様子を見て、すこし考えて、人の姿にかわりました。 >
うん。
< 赤くなった、その顔の横、髪に手をのばします。そっと撫でて >
だれも、いなくなったら、入る?
露天風呂は、きっと、いい気分だから。
[脱衣所で手を離されて]
[ぷは、][息を吐き出す]
ん、
[出される指示][逐一返す首肯]
[服を脱ぎ去り][畳んで][置いて]
(相変わらず手足の枷は外れず)
(彼方此方に残る痕も消えぬまま)
[湯船の方へと向かった。]
ん?
誰か入ってるのかな。
おーい、入っても構わんか?
[自分もぽいぽいと服を脱いでしまい、無造作にガラ、と露天風呂に続く扉を開いて声をかける。
湯気がもくもくと中に漬かる人物を完全に隠してしまう]
[聞こえて来た声と気配に、物思いから立ち返り]
ん……構いませんよ、と。
[呪印を見られる事に抵抗ないとは言わないが。
今更という意識もあるので、軽くこう返し]
[彼の仔の言葉に、私は羞恥も忘れ目を丸くする。
「笑って…」
私は今、笑っていたのであろうか。
彼の時より、笑みを浮かべる事なく過ごしていた私が――]
そなたがそう想うなれば…わたく…しも、
[うれしい、と小さく紡いで。彼の仔への感情を、素直に心に描く]
[腕の内の、心の中の。
温もりが私の想いを溶かし――仄かに笑みが浮かぼうか]
おやま。
[マイペース、というかなんというか、な青の青年の様子にくすり、と笑んで。
近くに止まる白梟が、ばさり、挨拶するよに羽ばたき一つ]
お。
…あ、そういえば。探してたんだ、ヴィンター。
[後からたた、と来た白い猫を肩にのせてゆっくりと湯船のお湯がざば、と淵から溢れるのも構わずに沈みつつ、オトフリートと白梟を見つけて挨拶をする。
そして、あ、とヴィンターに指を指した。]
[入る勢いがよすぎたか、]
[枷の重さで沈みかけて][→浮上]
[首を左右に振って][水を払い]
[羽ばたきの音に瞬く]
[口許まで湯船に浸かったまま、視線を上げた。]
「笑うの、大事って、時空竜も言ってたよ」
[そう言って、やや、首を傾げ]
「でも、『無理に』はダメって」
[そうだよね、と。
確かめるような言葉は、無限鎖へと届こうか]
……て、なんですか、唐突に。
[対して返るは、呆れたよな声]
[白の猫の――金の髪の青年に変わった彼の猫の言葉に、私は別の意味で気をやりそうになる。倒れずにすんだは、倒れれば彼の仔を傷つけるという思いが働いたが為]
あ、わ…わたく…しは……その、もう入りましたが故に…!
[髪を撫でる手に、私は恐怖とは別の感情で身を縮こまらせる。
確かに彼の猫とであらば、獣型なれば問題ない…やも知れぬが]
[青年の姿で言われれば、嫌が応にも頭に上った血が冷静に考えさせてなどくれぬ]
や、どうも。
[後からやって来たマテウスにも短く挨拶を]
……て、相方に、何か?
[それから、不思議そうに瞬きつつ、こう言って。
呼ばれた白梟も、きょとり]
[時空竜の言葉を素直に伝える彼の仔に、私は一つ瞬いて。
仄かな笑みは、霞のように消え失せる]
…えぇ。そうやもしれませぬ。
[白金の腕時計が伝えてきたコエの近さに、私は驚きの声を投げる]
オト、殿…もしや、お戻りでしょうか。
[彼の仔を露天風呂にやっても良いかと問えば、それもまた唐突に響こうか]
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