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ん、だと。思う。
[曖昧な返答][確証は無いが故に]
……、わからない。
何か、ちから。
使った?
[半ば疑問を含んだ声]
[けれど、腕の中の白猫は眠ったまま]
[屋敷に辿り着くまでの間にも目を覚まさず]
にしても、まあ……。
[動かなくなったヤドカリから離れ、翼を消し。
念のため、探査の陣を巡らせる]
……まだまだいる……というか、出て来そうだな、こりゃ……。
早めに何とかせんと、色々とまずそうだ。
[探査の結果に、大げさにため息をつき。
鎖を戻して、戻ろうか、と思った矢先]
……っつ……。
[先ほど疼いた呪印が痛んで。
思わず、その場に膝を突く]
そうか…疲れてるだけ、ならいいんだが…
…って…何か…?
[ピクク、と耳を動かして。
遠い場所からの絶叫が、聞こえた気がした。
すく、と二本足で立ち、周りを匂うように見る。
気のせい?いや、違う…?]
……あー……。
やっぱり、まだ負担かかる、か。
[痛みが治まったところで、一つ息を吐き、苦笑。
100年前の本性開放やその後の負傷で、未だに本調子ではない自覚はあって]
……まあ、いくらなんでも、本性解放するまでには至らんと思いたい……が。
[アレは痛いからなあ、と。冗談めかした呟きを漏らしつつ立ち上がり、ゆっくりとした足取りで屋敷へと戻って行く]
収まった…??
[青い少年に聞き返す。
扉に入る2人を見たまま、まだ扉の前で二本足で立ち上がり、遠くを見るようにキョロキョロ、耳もピクピク。]
[歩いている間にも時折疼く呪印を押さえつつ、屋敷まで戻ってくる。
その場で休んで痛みを抑えるよりも気がかりな事があっかたから……なのだが]
……なんとか……無事?
[と言っていいのかどうかはさておき。
屋敷が(一見すると)無事な様子に、ほっとしつつ足を速めて]
……て。
[屋敷前の大熊。一瞬、誰だかわからなかったかも知れない。
それでも呼びかけと、感じる大地の波動からすぐに気づいて]
ああ、こっちは何とか。
そちらは?
[割れた窓に手を当てて]
[暫し停止]
――……………、
[何かを紡ぎかけた口唇]
[けれど][音には成らず][眉を寄せた。]
……、何だっけ。
こっちは…うん。
ちょっぴり修羅場だった…かな?
みんな、リディのお陰で体は無事。
[屋敷の広間を思い出して「体は」と付け加え、前足で後ろ頭の鬣を掻く。
肩の傷はすっかり癒えて、毛がコゲているくらいで。
アーベルが入った後の屋敷の扉が開いたままで、ちら、と目をそちらに流してからもう一度後ろ頭を掻いた。]
[開いた扉の向こうの様子に、思わずあらら、と声をあげ]
……いや、無事で何より。
建物は直しが効くが、生命はそうもいかないんですし、ね。
しかし、なんと言うか……。
[見事な、と。
言いかけたけどさすがに止めて]
……お茶でも、淹れますか。
[そんな場合かどうかはさておき、お茶を提案したのは、半ば自分自身のため。
魂を分かつ相方には、呪印の事を悟られるのも已む無しだが]
無駄な心配、かけるわけにはいかんし……な。
[護るべき、と見なす者たちに不安を与えぬためにも、落ち着かなくては、と。
そんな考えがあったからこそ]
[呟きは、結界越しでも大きな爆発音に紛れ聞こえず。
なれど緊迫した響きのみが伝わって]
……
[コエを掛けるは邪魔ならんと、傍らの仔へ額を摺り寄せ心抑える]
[結界越しでも大きな爆発音に、私は柳眉を顰めた。
白梟も、ひとつ翼を羽ばたかせようか]
……大丈夫…だから落ち着いて…
[しがみ付く彼の仔へと、額を摺り寄せて動揺を抑えんと]
ああ、厨房は多分大丈夫だ。うん。
って、血の匂い…アーベル?
[オトフリートには頷き、屋敷を守れなかった事を少し恥じてまたひとつ後ろ頭を掻き。
獣の形で良く効くようになった鼻に血の匂いを感じ、アーベルの方へ駆け寄ろうとして、ガン!と扉に頭をぶつけた。]
[それからしばらく待てど、音は聞こえて来ず。
終わったであろうか…と私は恐る恐る長い首を上げる]
無事で…あろうか……
[そうでなくば、何れはこの部屋まで来るであろうと。
緊張は解かぬままに様子を伺う。
更にしばらく待ち、何も聞こえぬを確かめれば、白梟が外へと羽ばたいてゆかんとする]
厨房が崩壊したら、それって一大事でしょ……って、あ。
[冗談にならない言葉を冗談めかして言った直後に鈍い音]
……大丈夫ですかと……。
[思わず上がる、呆れた声]
< 起きていたら、かなり心配しただろう広間に、アーベルに抱かれて猫はやってきました。まだ目は覚めそうにありません。
災難をまぬがれた、ソファの上におろされて、猫はかわらず眠り続けます。
呼吸もあるし、怪我もないし、無事であることはわかるでしょうけれど。
おおきな音にも、身体にふれられても(それがたとえ左の前足…青い布で巻かれていた、模様のある場所だとしても)、猫は気づかない。ただそれだけでした。 >
[白梟は魂を分かつ相方の異変に気付き、行こうとしたであろうか]
白梟殿…
[私にはそれは判らずに、行くを見送るか止めるか、戸惑って]
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