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・・・お礼だなんて、大したこともしてないのに
そんな、困ります。
[一度は断るが、再度渡されれば無碍に断るのも悪いかと思い]
[結局受け取ることになった][袋を開けて中を見る]
[出てきたのは銀の小さな天使]
まあ・・・
ありがとうございます。大切にさせていただきますわ。
[クレメンスに微笑みかけ]
[しばし天使を手の上に乗せて眺めていた]
[誰かがエビフライやヨーグルトの匂いがすると言えば、不思議そうに首を傾げ]
[虫の話が出れば]
そういえば、子供の頃はよく虫採りに行ったものでした。
時々その成果が食卓にも並んでおりましたわ。
[懐かしそうな顔で遠くを見るような目をする]
[やがて何かの音色が聞こえてくる]
あら、風流ね。
どなたが弾いてらっしゃるのかしら。
[周囲の人が絶句したり、リディが椅子ごと倒れたり、ユリアンが部屋を出て行くのを尻目に、しばしピアノに耳を傾けていた]
[ついっと手が滑り][目の前でエーリッヒの呻き声が上がる]
[現実に引き戻される]
あ・・・っ
ご、ごめんなさい、染みたかしら。
[先にブリジットに注意を受けていたのだが]
[どうやら傷口に薬が入ってしまったようだ][慌てて手を引っ込めた]
[その後は注意深く手当てを*すませていく*]
[暫く思考が麻痺したかのようにぼんやりとしていたが。]
[思い出したように。][うつらうつらしているユリアンの傍に近づき、少しだけ揺り起こして、右肘の痣の後を見る。]
[薬を付け直そうとして。][見れば昨日と殆ど変わっていない様子に。][むしろ昨日より悪化しているような色に。][心配するような視線を投げて。]
[無理はしないように再度忠告をして。][昨日とは違う薬をつける。][ひょっとしたら梔子柏皮湯じゃ駄目なのかとも思った故に。]
[触れれば顔を歪まれて。]
ごめん、ね。
[ぽつりと呟くそれはユリアンに向けられたものだが。][内には違う人達への謝罪も含まれていた。]
[ユリアンの治療を終えれば、足は自然と外へ向く。]
[あの血の海に戻ろうと。][生きている人を探そうと。]
[だが青白い顔をし、定まらない足取りをした少女を。]
[誰かが静止*したかもしれない。*]
/中/
<メモ
忘れてた+表面上普通にしてた(ように見えた)んで次の日薬取替えようとするまで気づかなかった。
ということにしておいてくだs(ぁ
[混乱・銃声・声]
[そして人は外から中へ]
[部屋の中にとどまっていた男は、様子のおかしい人たちを宥めるように声をかけたろう]
[何かがあったのは(否、むしろ何が起きたのかも)わかっていたが、それを理解していない(という嘘を演じるのには慣れている)様子で]
[話を聞いて、黙った]
そんなことが…
ギュンターさんが。
[声は小さく震えを持って]
[朝が来る]
[目覚めは早い時間だった]
[誰にも気づかれぬように、気配を殺して立ち上がる]
[目を覚ました人がいたら、申し訳なさそうに笑って]
[しぃと、人差し指を立てたか]
[向かうは外]
[さくりと雪を踏んだ]
―外・死体のある場所―
[一晩を越えて、室内とは違い、外のそれは血を止めていた]
[狼の死体があちこちに]
…ギュンターさん。
[ギュンターの死体のそばで膝をついた]
ああ、持っていてもくれなかったんですねぇ。
あれほど言いましたのに。
持っていたからといって――まあ意味もなかったでしょうけれど
[言葉は小さく、困った色]
御霊に安らぎがありますように。
[だんだんと陽が上る]
[雪が銀に輝く]
[祈りを捧げ、そこを後にした]
[その顔を、薄い白布で隠した]
[それから広間に戻る]
[そういえば洗って部屋に干しておいた白いハンカチは、もう乾いただろうか]
[とりとめもなく考えながら、やはり音をたてぬようにキッチンへ]
[コーンスープと、パンの食卓が、出来上がった]
[…いくつか真っ黒にこげたパンが捨てられていたりしたのだが、それはそれ]
[目を覚ました人たちに振るまうことに]
[食べたくないと言われても、無理にでも押し付ける]
[食べなければもたないのはわかっていた]
空腹は心を荒ませます。
…一応、一人暮らしをしてるんですから。これくらいは作れます。
[外へ向かおうとするブリジットにも]
そんな青い顔をしているのでは、倒れてしまいますよ。
せめて暖かくしてください
[呼び止め、まずはせめて一口でもと食事を勧めた]
[肩を貸すという申し出を断れたが、それでも...はブリジットが気になっていた。
薬師として自分以上に精神と肉体を酷使したのだから、疲労度は限界点を越えているだろう。それでも気丈に振舞える彼女は、正直尊敬に値していた。
だから、彼女を見誤ったのかもしれない。
彼女を寝かしつけた後、自分も治療した人達の顔色を確認してから、少し休むつもりで椅子に腰を下ろした途端、意識は一気に深海の底まで運ばれてしまった。
無理はない。
何せ、あそこまで大量の血を目にして、吐き気をもよおす血臭に包まれ、更に命の危険と隣り合わせになれば、未経験の人間にとってはかなりの精神的負担を生み出していしまう。
結果として即座に深い睡眠に落ちたのは彼のせいではない]
ん……。
[目覚めた時、ぼんやりと重たい瞼の向こうに人影が見える。
その姿をしばしぼ〜っと見つめていて、その中に2人の人物がいないと気付いた時、一気に血の気が落ちた]
神父様? それにブリジットさん?
[神父については、何とはなく不思議な空気があったので、外に出たのかと即座にイメージできた。
だが、まさか疲れて眠っていた筈のブリジットまでいないとなると、少し話が違う。
失礼と思いながら、トイレや自室を確認し、姿が見えない事を確認すると、青ざめた顔色が更に白くなった]
さ、探しにいかないと……。
[混乱してしまった頭に、マテウスやエーリッヒに声をかけるという選択肢は残っていなかった。
...は足早に集会所の外に飛び出すと、感だけを頼りに*走り出した*]
/*
1)台所でお片づけ中→きっと食事を終えたあとだからまわりもおきてるんじゃなかろうか(というおかしさ)
2)自分が外にいるとき→この場合ブリジットはどこにいたんだろう。
……ん。
[慌ただしく閉まる、扉の音で目を覚ました。
ブリジットの治療で、一度意識は覚醒したのだが、訪れた朝日に安堵してか、結局は眠ってしまっていたようだった。
くぁ、と欠伸をして目を擦り、立ち上がる]
何か、あったのかな。
[されど、事情を知るものはいなさそうだ。
幾らか、人の姿がないのは見て取れたが、不用意に追うことは、しなかった]
[まだ眠っているものにかけられた毛布をかけ直す]
[誰かが用意したらしいスープを温め直して、食事を取る。
食欲の有無で言えば、無いと言えたが、元々体力はさしてないのだから、食べなければもたないのはわかっていた]
[背凭れに身体を預け、行儀の悪い姿勢で食事を終えたのち、一度自室に戻る。
卓上に置いていた袋の存在に、ああ、せっかくの満月だったのに、ひかりに当ててやらなかったと思う。
作りかけの、雪の結晶を連ねたブレスレット。使う石はまだ、決めていなかった]
[袋にしまうと、上着を羽織り手袋を嵌め、再び階段を下りた]
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