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[あ、転んだ。
子供はただ見る。見る。じぃっと見る。
一緒にいきたいなぁと思って、見る。
それからミハエルの声がきこえて、うなずいた]
行きます。
あ、ええと、僕は当然です。
[にこにこと笑う。無邪気だ]
ミリィが扱けたのを見れば、あ。と声を上げて。
思わず駆け寄ろうとするものの、
ユリアンが走り寄るのを見れば、その足を止めた。
任せれば、良し!と心の中でガッツポーズ。]
あ、あたしも行く行くっ!
[ミハエルの言葉を聞けば、勢い良く手を上げて]
[声をかけたところで、赤いお下げが人込みを駆け――
転ぶのも視界に入り、全くと思ったが、ぽんと母に肩を叩かれる]
[フィリーネは、青春ね、とか言い出しそうな、微笑ましげな表情。
生憎と、彼にはその意味は解らなかったが]
[追いついてきたユリアンに、視線を向け。一生懸命少女は立ち上がった]
大丈夫です!あの、気にしないで、温泉に行ってきてください!
[皆の楽しみを邪魔してしまっては、と焦る]
[彼女には十人も入れる巨大な風呂が当たり前なんて、主が思っていることなど知らず。
昨夜探し回った時に温泉も少しは目に入ったからの言葉だったのだけれど、実際入った訳でもないのに主の言葉を否定はし切れなくて。
――後悔は後で悔やむものと相場は決まっているし。]
……はい。
移動しながらでも…お話は出来ますね…。
[主の言葉に頷いて、後ろにちょこん。]
…ま。後から追いかけてくるかな…?
[入るんだったら…とこめかみを掻き…]
…で、行くの?
[もそもそと、ミハエル達の近くに移動し…]
いや、気にするな、って言われても……。
[大丈夫と言われて、真に受けられるような状態でもなく。
がしがし、と青の髪を掻いて、一つ、嘆息]
そんな状態でそう言われても、ちょっと信用できねーぜ?
具合悪いなら、悪いなりに送ってくし。
そうでないなら……。
[言いつつ、集団の方を軽く、振り返って]
ベアトリーチェに付き合ってやれよ。
ちらっと見たけど……ちょい、残念そうだったしさ?
嗚呼、私も勿論。
[皆が言うのに合わせ、小さく手を挙げて]
[フィリーネの微笑ましげな表情が目に入り、何となく彼女とは気が合いそうな気がした]
ご、ごめんなさい…
[少女は、嘆息したユリアンの前で俯いた。その赤いお下げ髪の中では、ぐるぐると思考が空転している。送ってもらうなぞとんでもない話で…確かにベアトリーチェはがっかりした顔をしているようにも見える…でもでもでも……エンドレス]
『……ねー。
あんまり考えすぎない方がいいよー?
ただでさえ、フェーン、どーしよーもない鈍感なんだから。
混乱すると、ボケたおしちゃうよ?』
[さすがに見かねたのか、ネズミ、ぽつりと。
言い方がミもフタもないのは、ある種已む無し、か]
……ん、でも多分大丈夫じゃないかな。
元気な人だから。
[理由にはなっていないし、心配なのは同じだったけれど]
[これから温泉に行くという少女の楽しみに蔭を落としたくは無くて、こえには出さないように]
[ミリィの事は、鼠飼いの男――ユリアンに任せておけばいい、とは母の判断で。
フィリーネもまた、ノーラとは気が合うと思ったのか、にこっと笑みかける]
そうだな。行くか。
[イレーネの言に頷き、歩み出す]
[ぞろぞろぞろ。いつの間にやら、なかなかの大所帯である]
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