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あははは。物騒ですねぇ。
[いつも通り。
いつも通り、虚空へと語りかけながら歩く。
「ご主人様」と彼女の、秘密の会話。
建物を出てから、近くの廃墟をウロウロとしていたが]
……?
[ふと、音が聞こえた気がして立ち止まった。
キラリ、金色が反射した気がして。]
[誰かに見られていたとも気付かずに。
ゆったりと何かを探索するように歩を進めながら、
ふと、室内の奥に位置する細い階段に気付いて――
数寸思考を巡らせた後、その一段目に足を掛ける。
時折足元が崩れかけたが、何とか無事に上りきって。
ロフトにも似た半二階へと辿り着いた。]
…よ、っと。
[眼に着いたのは、瓦礫の中に埋もれるように、
骨組みだけになった卓上に鎮座する、
金属製のケースに気付いて、ゆるりと翠を瞬いた。
少し大きめのその蓋の表面を、指先でかつりと軽く叩く。]
[警戒心も薄く、光が反射したように見えた場所へと歩み寄った。
廃墟の中、砕けた壁や落ちた屋根煉瓦が目立つ建物、その中から見えた気がして。
中に入るのは少し躊躇われて、外から建物を見上げた。
何か、音が聞こえた気がした。]
…誰か、いるのかなぁ…?
[口の中で呟く。]
…何ですかね、これ。
[開けてみてもいいのかな、と、ぽつり呟く。
尤も、許可を得ようとしたところで、持ち主は既に居ないのだろうけれど。
煤汚れたケースを再度かつかつと鳴らす。
…手に取って持ち上げてみると、意外に重かった。
視線をを手の中へと落として、暫し思案する。]
――…これで開けたら、クリーチャーと戦闘。
なーんて。
[ミミックじゃあるまいし。]
[左掌にケースを持ったまま、それでも暫し思案して。
漸く決心がついたのか――にしては、案外思い切って蓋を外す。
暫く外気に晒されていなかったそれは、ぱかん、と乾いた音を立てて。]
――…フィルム?
[ぐるりと円形に巻かれた黒いそれに、ぱちりと瞬く。
写真か、映像かは知らないが――プラスチックに似た材質のそれは
恐らく呟いたとおり、フィルムに間違いなかった。]
…何で、こんな所にあるんですかね。
[何かの作業場だったのか、ゆるりと首を傾いで。]
[ひょい、と建物の中だけ覗いてみる。
すぐに人がいるわけではないようで――]
?!
[ぱかん、と小さな音が聞こえた。
やはりこの中に人がいるのは間違いないようだが]
…入りたくないなぁ。
[小さく呟く。]
[カツ、と踵と床に音をさせながら、広間らしきところには入る。
ある程度の広さと明るさはあったが、中にいると思われる人物は視界には入らずくるりと回ると]
…あれぇ?
[ふと入ってきた玄関を振り返ると、遠くの方、黒い髪の男が歩いているのが見えた。
あれは、確か]
…ユリアンさん?
[だった気がする。
こちらに気がつく事もなく、まっすぐにうろうろと歩いているようだ。
た、と入ったばかりの玄関から外へと戻る。
埃が、足元で円を描くように舞った。]
[ふわと風がふき、スカートと前髪を揺らした。
建物の中はイヤだったので入らず、ユリアンも見送って、廃墟のあたりをうろうろと*散歩*]
[白銀のケースから、束になったそれを取り出す。
左人差し指を中央の輪へ通して、滑らせるように表面をなぞると、
と或る部分で軽く引っかかった。ゆるく瞬く。]
――ん、
[あった。 フィルムの、始めの部分。
セロテープで止められた端は黄色く色褪せて、
爪先で軽く削れば、難無く剥がすことが出来た。
ただの興味本位。 一体何が残っているのか。
しゅる、と乾いた音を立てて、引き伸ばす。
数十センチ、伸ばした黒のフィルムを翳すと、
天井から降り注ぐ光に透かして]
[そこに映っていたのは、何処の誰とも知れない。
ただの、古い「家族」の記録。
まだ幼い少年の笑顔と。
それを温かく見守る――彼の両親]
―――…、
[沈黙。
見えた其れに、僅かに翠を見開く。
一つ喉を鳴らして、息を飲み込んだ。]
――、…下らない。
[ようやく、ぽつりと零れる言葉は何処か冷えて。
ゆっくりと、黒い記録を巻き戻す。
再び、薄汚れたケースへと仕舞い込んで。
金属の蓋を、僅かに力を込めて、はめ込む。
其の中に、見えない何かを封じ込めるように。]
[ケースを、卓上の元の位置へ戻して。
足早にその廃墟を後にしようと、半二階から、階下へと飛び降りる。
固い地面へ難無く着地すると、煽りを食らって砂埃が舞った。
――振動にか、遠くの方でガラリと何かが崩れる音がする。
しかし其れにすら、ゆるりと翠を瞬くのみで。
…周囲のものが、全て彼らの物かと思うと
あまりにも下らな過ぎて、触れる気すら起こらなかった。]
――本当に、
[下らない。
嘲笑うかのように、小さく鼻を鳴らして廃墟を後にする。
荒んだ廃墟を吹き抜ける風が、さらりと金を*揺らした*]
−中央部・廃墟−
[相も変わらず、片手に端末、片腕に鞄、そして学生服という態で歩む。足取りには以前より緊張のいろが窺えるものの、やはり、素人レベル。]
東が湿地帯で、南が砂漠――
一番使えて、難しいのは、やっぱり此処…… かな。
[彼女なりに気を遣ってはいるらしいが、足音はちっとも潜められていない。
遮蔽物が多く、隠れるにはいいだろうが、その前に転んで自滅しそうだった。]
[ガラリ、崩壊の音がする。]
うえ……
[思わずあげかけた声を、両の手で口を塞いで抑えた。
代わりに飾りがじゃらりと音を立てるから、意味はないようなものだが。]
……はあ。
[手を下ろして、息を吐き出す。]
にしても――すっごい、な。
色々、ある。
[警戒するならば、独り言は口に出さない方がいいはずだった。
それなのに、ついつい音にしてしまうのは、不安を振り払おうとするがため。]
どんな人達が、暮らしていたんだろう……。
[知り得ない過去を想っても仕方無いとは、言われた事だけれど。
軌跡の一つ一つを目にするたびに、想像せずにはいられなかった。]
[友人だとか、恋人だとか、家族だとか、
様々な間柄の人々が、思い思いに生活するさまを夢想する。
遥か遠く――手の届かないもの。]
――どうして、
[ぽつり、]
いきていたんだろう。
[零れた疑問は滑稽だった。]
[ゆるゆると視線を上げる。
沈んでいても仕方ないのだと、思い直した。
前に進もうと足を踏み出しかけ、]
あ、れ。
[緑の瞳に、色褪せた瓦礫とは異なる色彩が映る。]
エーリッヒ、さん?
[朧げに名前を紡ぐ。
気付かれないほうがよかったかも知れないと思ったのは、いつもの癖で声にしてしまってから。
崩れていく過去の音に、紛れてしまえばいいのにと*願った。*]
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