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[あの日の事を指摘されれば、沈黙と睨む視線以外返せるものは無く。
ロザリーが仲裁の言葉を挟むまでは、ただひたすらその状態のまま]
……実はその言いようは、さりげに酷いんじゃ。
[気付くまでに、暫くの時間を要した]
[ポン、と置かれる手。
その下で、細い肩が微かに震えるのは、伝わるか]
……だけど、アタシはっ……。
止められたかも、知れないのに。
一緒に、いれば……。
[ふる、と首を横に振り。小さく小さく、呟いて]
[抱き締められたサエーナ鳥、さすがに驚いたか。
ぴいぱた、じたばた、ちょっと混乱気味に羽ばたいて。
それでも、爪を出さないのは相手を見ている、という事といえるのかも]
鳳凰天の巫女姫に仕える守護天将…彼等は虚の力を探り退ける力も持つ。だが生来その素質を持つ者は、一人ではなく、この島にもかつては存在したそうだ。
今も……居るのかもしれん。
[ラスの問いに淡々と答え、目を伏せる]
[睨まれてもわらい、狐は気にも留めない。
様子は愉快と如実に語る。]
あァ、痛むようなら、あとで治してやろうか。
[ネロの時といい、今といい、気の向くときだけ狐は動く。
ロザリーの言葉の裏の意味に、カルロスが気付くのが遅いのにも、わらった。]
[ 大丈夫と言われると安堵したよう笑みを漏らす。]
…………。
そうですか、それは安心致しました。
[ リディアの影響が悪く出ているようだが言及はしないことに。]
鷹の目殿…確かにおっかない方ではありますが。
巫女姫殿を救うには堕天尸を封印して、清めるそうです。
もし、オーフェンも怪しい方を見かけたら教えて下さいね。
[ 彼がこの質問をした意図は見えないが、
少しで安心できるよう自身なりに言葉を選ぶ。]
飽きない、というものまた欲求ですね。
彼には感心させられますから。
[ ネロを見るオーフェンを静かに見守る。]
[アヤメの肩が震えているのに気がついて、その手を一度上げその艶やかな髪の上、頭を撫でる。]
だからって、アヤメが自分責めたって何にもならないだろ。
[優しげな声で言いながら少し腰を屈め、その顔を覗き込んだ。]
―回想・広場―
[長老の話を聞く間もリディアの抱きしめ攻撃から開放される事はなく、軽くもがいていたが、リディアの腕に力が入るのを感じれば、抵抗する気を失くし、そのまま抱き枕に甘んじることにする。
話が終わって腕の力が緩められれば、腕の中で身をひねってはあちらこちらの様子を眺めていただろうか。ネロを運んでスティーヴが、オーフェンとケイジが飛来し、結界樹での出来事を聞く]
……とり?
[不可思議な鳥の話に、思考に沈んでいるうちに、アヤメとエリカがやってくる。ぐったりした様子のエリカをじっと見つめる。リディアの看病する、と言う声には特に異議はなかったけれど]
まて、リディ、診せるだけは診せて。
[腕の中で、少し本気で暴れていたかもしれない]
あはは。ふかふか〜ふかふか〜あったかあったか〜
[混乱して、じたばたと暴れたりしているラウルを離すこともせず
ご機嫌で。抱き寄せた後、落ち着かせる意図も持たずにゆったりなでる。]
[守護天将と呟くジョエルに一瞬視線を投げるが何も言えず。
ケイジとカルロスの主従の会話は意識の外へ追い出した。
生真面目との呟きもあえて無視し、アヤメの方を向く。]
…エリカを。光の鳥を追ってか?
[追いかけるも水中に逃げられた、鳥の主を見る。
その懐にあるだろう金と――黒の羽根を思い、顔を顰める。]
………オーフェン。あの子供か。
[ロザリンドの側、何故か敵意とは少し異なる目でこちらを見ている少年を見る。
しかし続いたアヤメの声に、視線を戻し短く息を吐いた。]
[ ケイジの言葉にくすくすと笑いを漏らす。]
いえ、どうでしょうか。
多少、戯れが過ぎるとは思いましたが。
ケイジ様が愉しければ構わないのでは?
[ 言葉を濁し濁し答えるも、スティーヴの声に笑いを殺す。]
――――――…。
[ 特に返事することもなく、沈黙する。
居ない人物を探しに来て
待ちぼうけを喰らったのはこちらである。
話すカルロスへと視線を移して。]
………そんなことはありませんよ。
[ と、フォローのようなものはいれておいた。]
それくらい、わかってるさ……!
だけど、そうでもしないと、やりきれない事だってあるんだよ……。
[撫でる手を、避けはせず。
それでも、視線を合わせるのは避けるように、目は伏せたまま]
……大丈夫。
[ジョエルの問いには、短く応じる。
声の震え自体は、止まってはいないけれど]
[面の下、笑みを浮かべているのが理解ってしまう。
痛む、治す、そんな言葉に、ぴり、と朝方に痛めた古傷を思い出し、微かに呼吸が乱れた。
けれど、もっと痛むのは――…、]
後で、ね。それは俺に、リディちゃんからの夕食のお誘いを断れと?
うん。カレンさんにお薬、もらったから。……どうか、した?
[ロザりんの一瞬表情が曇ったような気がして目を瞬き]
堕天尸を、封印……
[思い出すのは、クローディアに会った時に語られた思い]
何もせずに、大切な人たちが……苦しんだり傷つくのを見るのは、辛い……
うん……そう、だね……それが、いいのかも。
……怪しい人、見かけたら、言うねっ。
[ちらりと横目でスティーヴの姿を見る。視線が合ったらしばし見つめ合うだろうか]
感心……?
うん、ネロ、楽しいをいっぱい、くれる。
[ラウルを抱くネロをみて、くすっと小さく笑う]
[目を伏せたままのアヤメが、今にも泣きそうに見えて。
撫でる手に力を込めて、胸元に引き寄せようと引っ張った。]
…泣くなよ。
[困った顔で、呟く。]
[くるる、くるるる、と上がる鳴き声。
確かに、ふわふわした羽毛は温かいだろう、と。
もしもサエーナ鳥が人語を口に出来たならこんな言葉になるだろうか。
一応、害意はないようなので、激しく暴れはしないものの。
束縛されるのは、やっぱりちょっとは嫌らしく、じたじた、ぴぃ、と抵抗は続く]
おやおや、
[ロザリーの言葉へと何か返そうとしたが。
しかしそれも中断させるほどなんともいえない言葉をカルロスが言った。]
――お前はやはりマゾだったんだな
[少しばかり、呆れ顔。]
ラスの言う通りだ。アヤメが自分を責める必要は少しも無い。
クローディアの傍から離れず護るべきだったのは、私なのだから。
[ラスのように真っすぐに慰めることは出来ず、出る言葉は自嘲に近い。本音には違いないのだが]
[つい、と、落ち着きを失ったような、震える声のアヤメを振り返る。
既に自身が慰めるべき立場にいない事は分かっていてなお、少し歯痒くて]
――…。
[アヤメの傍で彼女を労る誰かと眼が合えば、頼むように目礼を送ったかもしれず]
[自分の話題が出ていることは耳に届いていない。
最も届いていても、今はラウルのほうに夢中なので気にも留めないだろうが]
あはは、そっかそっか〜。楽しいんだね〜
[くるると鳴いた意図をまるで汲み取らずに、離さないまま撫でていて]
がんばって大きくなるんだよ〜。なったら乗せてね?ね?
[と、ラウルの目を覗き込むようにして、無茶を言う]
[リディアの腕から抜け出せれば、エリカに近づいて断りを入れ、まぶたをめくってみたり、口の中を覗いてみたりしたかもしれない。最後に手首に指を当て、脈を取りながらしばらくの間、目を伏せて耳を澄ます風。出た結論は]
分からない。
何だろうな。取り立てて、原因らしきものは見つからない。……一番近いと思われるのは疲労、だけれど。
[先生にも診てもらうほうがいいのかもしれない、とは思ったが、行き倒れて施療院にやってきた時、留まることを好まない様子だったことを思い出し、エリカが落ち着いて休めるところにいればいい、と結論しただろうか]
[引き寄せられるのは、さすがに予想してはおらず。
たたらを踏むような感じで、寄りかかるよな姿勢になりつつ]
……誰が、泣いてるって……。
[それでも、口をつくのはこんな言葉なのだが]
……そうじゃない……そうじゃなくて。
アタシは……。
[ジョエルの言葉に、否定を返そうとして。
途切れた、言葉。
この場で言うべきではない、とどこかで鳴る警鐘が、続きを押し止め]
……兄さんは、自分、責めすぎだよ……。
[代わりにぽつりと、こう突っ込んだ]
そうですね…。
オーフェンは強いですね、羨ましいですわね。
[ 相手の目がスティーヴを見たことには気付かなかったが。
聞こえてきたアヤメの声にそちらを少し見た。
もう、現実には誰かの大切な人とやらが犠牲になっている。]
――――――…。
ネロ殿とはお友達なのですか?
仲良くしてあげてくださいね。
[ と己が言うのは可笑しいのだろうか。]
あぁもう、お前も!
自分責めて今なんとかなるなら責めればいいけど、そんなもん何の役にもたたねぇだろ?
[ジョエルにも手を伸ばし、同じように頭を掴めれば引き寄せようとした]
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