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痛いならまだだ、痛くないくらい毛羽立ったやつを千切るといい。
羊飼い…って程でもないなぁ、大した数いないし。
いや、全然難しくはないぜ。
[顔を顰めたオーフェンには笑みを漏らしつつ、頭を撫でようと手を伸ばした所で女性の声がかかる。
顔を挙げ、あぁお嬢様か、といった気持ちは顔に出さぬように。]
俺、ラス。
[だが声は少しだけ無愛想で低かったかもしれない。]
[そして今、狐はやはり海の所に。
めずらしくも手にするものは、赤い殻のついた実ではなく、橙色の皮。
やはり海の下に沈め、立ち上がった。]
[寝台の脇に開く窓から、やや日の傾いた空を見上げる。長老は今日にも結界樹への封じを始めると言っていた。それに意見を差し挟むべきかどうか、迷う]
少なくとも…この娘だけは……
[守護天将の素質を持つかもしれない娘。余所者であることから封じの対象になる可能性も高い。彼女を対象から外すように、長老に願い出ておく方がいいかもしれない]
理由は…、さて、どうするかな。
[真実を告げるにはまだ早いと思われた。何より確証が得られていない]
カルロスなら、可愛い女の子は疑えない、の一言で済むのだがな。
[溜め息混じりに、天敵とも言える男の名を口にした]
[岩にこすりつけて蔦を千切る
体にまだ巻きついているのがあるが、動く分に気になるまで忘れてしまう]
あは。あはははは
……どう――だろうね…あはは
[空を見る。陽光の下に舞う翼を見て笑う]
[ 心配の後についた疑問符に首を傾げる。]
―――――…。
お元気そうなら構いませんよ。
けど、リディアは怒っているかもしれません。
後で、お話してあげて下さいね。
[ そう言って笑みを向ける。
男からはオーフェンとは真逆のような反応が返される。]
嗚呼、貴方がラス殿ですか。
リディアからお名前だけは聞いておりましたが。
私はロザリンドです。ロザリーで構いません。
[ そう言ってオーフェンに向けた笑みと同じものを向ける。]
そう……なんだ。
[ラスに言われると、右の翼を覗き込んで、もっと毛羽立った羽毛を探している]
……羊飼い、僕にも、できるかな?
[頭に伸ばされた手にわずかに身を竦め]
……?
[名を告げるラスの声が、今まで話していた声色と変わったことに、目をぱちくり。ラスとロザりんの顔を交互に見る]
まぁ、グレイ殿と呼ぶわけにはまいりませんし。
改めてよろしくお願い致しますわ。
[ そう言って内なる声で語りかけた。]
うっ
リディアさん、やっぱり……怒って……た?
[最初にリディアに会った時の悪魔のような笑顔が脳裏に蘇り、ごくりと唾を飲み込んだ。額を汗が流れていく]
……う、うん。話、するよ。
[ちょっと気が重くなった]
孤児 オーフェンは、傭兵 カルロス を投票先に選びました。
─森─
……よしっと……こんなとこかな。
[淡い緑の詰め込まれた籠、その中を確かめて呟く。
詰め込まれた緑は、布に織り込む特殊な繊維の材料。
これから取り出したものを織り込む事で、翼の出し入れを妨げぬ衣類を作る事ができるという、ある意味ではとても重要なもの]
さて……んじゃ、帰る前に、旦那のとこ行ってくるか。
[包みを入れた下げ鞄を見やり、呟く]
……少しは、落ち着いたかねぇ……。
[そんな事を呟きつつ、ばさり、開くのは深紫の一対]
学生 エリカは、画家の弟子 リディア を投票先に選びました。
ロザリーね、よろしく。
[出来るだけ声は固くならないよう、気をつけて。
オーフェンが身を竦めたのを見て撫でようとした手はふわり、その目的を止めて自らの首のうしろを撫でた。]
ん、羊に興味あるのか?
今度みにくるか?
[窯の後始末をしている間に兎は冷めた。
小屋に戻り紙に包む。]
……余り溜まっていないが、ついでだ。
持っていくか。
[薬の原料になる胆を乾燥させた物を戸棚の奥から出す。]
そうだな。
…どうにも、未だ俺の表層意識の「ラス」は、シャコンヌ…違うか、ロザリーの事を良く思ってないらしい。
態度は悪いが、赦せよ。
[ 少し感じた違和感に首を捻るも気にはしない。]
はい、よろしくお願い致しますわ。
[ 少し様子の変わったオーフェンに笑いかける。]
そんなに気にすることありませんわ。
リディアも心配していたのです。
なので、安心させてあげてください。
[ そう言って極力安心させるよう声をかける。
怖がられなければその頭を撫でようと。]
あれ……?
[声色が戻ったラスに、自分の気のせいだったのかな、と瞬き]
うん。興味、ある。
見たい……海みたいな、羊
[瞳に好奇の色を濃く浮かべる]
[舞い上がり、風を捉えて滑空する。
深紫が空に舞うのは、余り回数の多い事ではない。
本来の四翼を二翼に抑えている分、飛行時の負担が大きいからだ。
風を捉え、滑るよに島の外れ、岩場の小屋へと辿り着くと]
旦那ー、いるかぁーい?
[舞い降りながら、声をかける。
その肩に、一歩遅れてラウルがふわり、と舞い降りた]
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