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[カルロスの言葉>>121に、]
そうだな……言うとおり、クローディアの責任感が裏目に出た結果なのかもしれない。
のんびりやで、優しい。そして頑固な子、だったかもしれないな、そういえば……わ。
[再びリディアに抱きしめられ、もごもごとしているうちに、長老がやって来る。巫女の行方についての話を、黙って聞いていた]
クローディアは、結界樹の中か。それならば、……当面はクローディアの身にそれ以上の危害が及ぶ事はないのだろうか。
[しかしロザリーの昨日危惧していた、誰を疑えばいいのか分からない状況で、堕天尸と思われる人間を見つけ出さなければならない事。クローディアに任せておくべきだろうと考え、自身が棚上げにしていた事を、放ってはおけなくなり]
……………めんどうだ。
[巡った思考の果て、それだけぽつりと*呟いて*]
[それでも尚、木に凭れて目を閉じたままのエリカに、眉間に刻まれた皺は深くなる。
巫女の行方を告げた少女は、出来れば聖殿の長老の元へと連れて行きたい。姿を消す前の巫女の言葉を聞いたらしき、敵意を向ける少年も。
何を考えているかわからぬケイジや、何をしでかすかわからないネロ、明らかに動揺しているアヤメも、異なる意味でここに残していくのは気が重い。]
『………来いと言っても、素直に従ってくれそうにはないがな。』
[ただ人でしかない己に自嘲を込め、口を歪める。
それがどう受け取られるかは気にもとめず、再び促す。]
………なんだ。言いたい事があるなら手短に言え。
[幾度めかの敵意を込めた視線に、苛立ちを込め吐き捨てる。
余裕がないのもあるが、元々態度を和らげて訊くなどという芸当など出来はしない。]
飛ばない、ねェ。
飛べるのに飛ばないのか
[歪んだ二対の翼を見て、狐は興味深そうに呟いた。
そして木の方へと去るエリカ。
――スティーヴに告げられた言葉に、彼を見た。]
鷹目殿。
残念ながら封じられたのだろう――というより一番遅く此処に来たのだが、俺も必要か?
[狐がわらう。]
あいにくと、何一つ、有用な情報はないもので。
―結界樹―
[傍らに来ていたオーフェンの声と感じた温もりに、一先ず気は鎮まり]
……ああ。
悪いね、驚かして。
[とっさに笑みを作って見せる。
今は、動揺を強く出せない、と自身に言い聞かせつつ。
やって来た伝令の言葉と、その後のスティーヴの言葉には、やれやれ、と息を吐いて]
……旦那、落ち着こうよ。
カリカリしてたら、まとまるモンもまとまりゃしない。
………殺す? 何故だ?
[長い沈黙の経て零れた少年の言葉に、顰め面のまま問い返す。
一歩近づき見下ろす。震える脚が目に入り、舌打ちした。]
クローディアは…巫女は、結界樹に堕天尸を封じ込めると言っていた。巫女のいない今、どうやって封じ込めるかは知らんが、長老には何か策があるのだろう。
………命まで奪いはしまい。
[絶対無いと断定する事は出来ず、客観的事実だけを告げる。]
長老、は……関係ない
お前は……信用、できない
……生き物を……殺すから
[拳を握りしめて睨んでいる。誰かを連行するのに強行な手段を執るなら、それに抵抗するだろう。と言っても、か細い少年の腕では、何も止められない*だろうが*]
有益か否かは長老が決めるだろう。
………少なくとも俺よりは先に来ていた様子だからな。
[わらう狐を獲物を狙う目が射抜く。]
それとも、巫女の消えた時に誰ともいなかったと言うか?
[それだけ告げ、少年へと視線を戻す。
投げられるアヤメの声に顰め面が酷くなるが、応えを返さず少年の睨む目を受け止める。]
…………生き物を殺すからか。
獲物を狩るのは俺の仕事だ。生きていく為のな。
それを否定されても、頷く事は出来んが。
[握り締められた拳に視線をやり、直に外してアヤメを見た。]
…………俺ではどうにもならんと言うなら、お前がやれ。
[カリカリしてる事は否定せず、体を引いて少年から離れる。
子供好きのアヤメなら、今の状況をまだマシにするだろうと。]
消えたのがいつかもわかるまい。
[うそぶくように、うたうように、嗤う。]
それともそれがいつだかわかるとでも?
どちらにせよ俺はあいにく、今日のほとんどはずっと一人でいたが。
さて、鷹目殿は誰かと共にいたのかな
[そしてオーフェンを見て、再びスティーヴへと視線を戻し。]
子供相手に威嚇とはねェ。
巫女殿を大切に思うのはわかるが、感心できないな
[己の方がよほど他に対してひどく扱うのに、しゃあしゃあと口にする。]
[お前がやれ、との言葉に、軽く肩をすくめて]
……イラついてんのは、みんな同じさね。
[自分も変わらない、と、言外に告げて。
睨む視線のまま拳を握り締めるオーフェンの頭をぽふり、と撫でる]
そんな顔しなさんなって。
あの旦那は、口は悪いが、嘘や誤魔化しは言いやしない。
……とにかく、アンタも一緒においで?
ローディが……巫女が結界樹に封じられた……なんて時に、一人でいるのは危ないからさ。
[穏やかな口調で、諭すよな言葉を重ねる。
合わせるよにラウルもぴいぱた、と羽ばたいたなら、少年も一応は納得するか。
それでも、スティーヴへの警戒や敵意はそうは消えぬのだろうけれど]
[怯え睨む少年から離れ、狐へと歩を進める。
嘘と歌を混ぜた様なわらう声に、渋面を向けた。]
……ああ、わからんな。何もかも。
ずっと一人でだと? カルロスと一緒ではなかったのか。
[揶揄でもなく、状況を探る目で狐の面を見る。
その下の表情を見る事は、面に阻まれて出来ない。]
俺は……少し前はカレンと、その前はアヤメと会ったな。
空を飛ぶ時は一人だから、常に誰かといたとは言えんが。
[威嚇については歯軋りの音だけが返る。
大人気ない事はアヤメからの言葉でも明白だから言い返せず。]
しかし、行くのはいいが……。
[ちらり、視線を向けるのはネロ]
そこの坊やはどうするね。
[来いとか行けとか、そう言われて素直に聞く子供でもないのは知っているから、それが気にかかり]
……ああ、エリィは、アタシが連れてくよ。
ゆっくり行った方が良さそうだしね。
[今、ここにいる男手に任せるのは不安があるから、とは口にせぬものの。
口調から、*その思いは伝わるか*]
カルロス? あァ、アレはいなかったな。
どこにいったやら。
[なんら気にするふうでもなく狐は言う。]
使徒とやらがやったのだとしたら、さて
ひとりでいるものが怪しいと?
[落ち着かぬのは同じと言うアヤメの声は届いていた。
巫女と彼女は親しくしていたのだから、当然だろうと思う。
だが再び己が少年と相対しても進展は望めない。心の中だけで謝罪する。]
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