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長老、は……関係ない
お前は……信用、できない
……生き物を……殺すから
[拳を握りしめて睨んでいる。誰かを連行するのに強行な手段を執るなら、それに抵抗するだろう。と言っても、か細い少年の腕では、何も止められない*だろうが*]
有益か否かは長老が決めるだろう。
………少なくとも俺よりは先に来ていた様子だからな。
[わらう狐を獲物を狙う目が射抜く。]
それとも、巫女の消えた時に誰ともいなかったと言うか?
[それだけ告げ、少年へと視線を戻す。
投げられるアヤメの声に顰め面が酷くなるが、応えを返さず少年の睨む目を受け止める。]
…………生き物を殺すからか。
獲物を狩るのは俺の仕事だ。生きていく為のな。
それを否定されても、頷く事は出来んが。
[握り締められた拳に視線をやり、直に外してアヤメを見た。]
…………俺ではどうにもならんと言うなら、お前がやれ。
[カリカリしてる事は否定せず、体を引いて少年から離れる。
子供好きのアヤメなら、今の状況をまだマシにするだろうと。]
消えたのがいつかもわかるまい。
[うそぶくように、うたうように、嗤う。]
それともそれがいつだかわかるとでも?
どちらにせよ俺はあいにく、今日のほとんどはずっと一人でいたが。
さて、鷹目殿は誰かと共にいたのかな
[そしてオーフェンを見て、再びスティーヴへと視線を戻し。]
子供相手に威嚇とはねェ。
巫女殿を大切に思うのはわかるが、感心できないな
[己の方がよほど他に対してひどく扱うのに、しゃあしゃあと口にする。]
[お前がやれ、との言葉に、軽く肩をすくめて]
……イラついてんのは、みんな同じさね。
[自分も変わらない、と、言外に告げて。
睨む視線のまま拳を握り締めるオーフェンの頭をぽふり、と撫でる]
そんな顔しなさんなって。
あの旦那は、口は悪いが、嘘や誤魔化しは言いやしない。
……とにかく、アンタも一緒においで?
ローディが……巫女が結界樹に封じられた……なんて時に、一人でいるのは危ないからさ。
[穏やかな口調で、諭すよな言葉を重ねる。
合わせるよにラウルもぴいぱた、と羽ばたいたなら、少年も一応は納得するか。
それでも、スティーヴへの警戒や敵意はそうは消えぬのだろうけれど]
[怯え睨む少年から離れ、狐へと歩を進める。
嘘と歌を混ぜた様なわらう声に、渋面を向けた。]
……ああ、わからんな。何もかも。
ずっと一人でだと? カルロスと一緒ではなかったのか。
[揶揄でもなく、状況を探る目で狐の面を見る。
その下の表情を見る事は、面に阻まれて出来ない。]
俺は……少し前はカレンと、その前はアヤメと会ったな。
空を飛ぶ時は一人だから、常に誰かといたとは言えんが。
[威嚇については歯軋りの音だけが返る。
大人気ない事はアヤメからの言葉でも明白だから言い返せず。]
しかし、行くのはいいが……。
[ちらり、視線を向けるのはネロ]
そこの坊やはどうするね。
[来いとか行けとか、そう言われて素直に聞く子供でもないのは知っているから、それが気にかかり]
……ああ、エリィは、アタシが連れてくよ。
ゆっくり行った方が良さそうだしね。
[今、ここにいる男手に任せるのは不安があるから、とは口にせぬものの。
口調から、*その思いは伝わるか*]
カルロス? あァ、アレはいなかったな。
どこにいったやら。
[なんら気にするふうでもなく狐は言う。]
使徒とやらがやったのだとしたら、さて
ひとりでいるものが怪しいと?
[落ち着かぬのは同じと言うアヤメの声は届いていた。
巫女と彼女は親しくしていたのだから、当然だろうと思う。
だが再び己が少年と相対しても進展は望めない。心の中だけで謝罪する。]
随分と放任主義な【主】だな。
……お前達の関係などわかりたくもないが。
[一緒にいたと言われても信用できないが、別々に行動していたのはおそらく事実だろうと思う。狐の言葉全てを鵜呑みには出来ないが。]
誰かが共にいて、その片方が堕天尸でないのなら。
巫女との関係は薄くなるかも知れん。
………堕天尸の力はよく判らんから絶対とは言えないが。
[刻まれた皺は深く、吐く言葉は重い。]
判らん事だらけだが、他に探す手掛かりもない。
アレは秘密主義でな。
少々手を焼くところだ。
[微塵もそう思っていない口調で、そう答え。]
堕天尸が誰かといても力を発揮できるならば、まったく意味はなくなるな。
――まァ、付き合ってやろう。
[対して猟の獲物であるはずの狐は、愉しげに。]
退屈よりは好い。
……話は聖殿でも出来る。
長老がいた方が判る事も多いだろう。
[狐の同意も得、彼等の気の変わらぬ内にと聖殿へと促す。
眠るエリカはアヤメが運ぶと仄めかしたので任せ、嫌がり逃げようとするネロの襟首を引っ掴んだ。]
…………行くぞ。
[話は通じないだろうと問答無用で湖へ向かい飛び立つ。
重みと暴れる体で湖面すれすれになりながらも、無理矢理羽ばたいて高度を取る。
元から重く、荷を運ぶに適さない翼での乱飛行。興味を引かれたか、なんとか大人しくなったネロを抱え*一路聖殿を目指す*。]
気が短いことで。
[スティーヴの様子に、愉しそうにわらう。
ネロの抵抗をくらいながらも飛び立つ様を見送り]
それならばエリカ嬢はお任せしようかね、アヤメ嬢。
お前も行くか?
[と、オーフェンに問いかける。
同じ白の翼を持つ少年の、名前を狐はまだ*知らない*]
[眠るエリカを見やった後、アヤメに視線を送る。ラウルがこっちは任せろとばかりにくるると鳴くのを見て、声をかけてきた狐に向かい]
……うん、行く
あいつがネロに…・・・何かしないか、心配、だから……
[狐の白い翼に目を惹かれつつ、頷く]
[白い翼を拡げ、空へ。前を飛ぶ紫紺の翼の動きを監視するように睨みつけながら]
生きるために……狩る……?
……嘘だ……木の実だって、いっぱいあるのに……
狩るの……楽しんでる、だけなんだ……あいつ……
[つぶやき、歯が立たない悔しさと不甲斐なさに唇を噛みしめ、*聖殿へと向かう*]
[ばさり。
自宅へ戻ると両親は元気ではないにしろ無事でいて、妹は結婚相手の所だと言うので少し安心して部屋に戻った。
頭の後ろに手を組んで薄い布団に勢い良く飛び込んでも、眠気などさっぱり来ない。]
…「虚」の気配、か――
[呟くと、狭い窓にその長い身を捻じ込んで外へ出て、桟を蹴って空中へと飛び出し。
開いた翼で風を叩いて、空へと*飛び出した*]
鷹目殿は生真面目だから、心配するような事ではないだろうよ
[気もそぞろな少年に、狐は揶揄うように声にした。
前ゆく男に届こうが、なんら気にするそぶりもない。
オーフェンの翼が広がったとき、あァなるほどと転げることば。]
お前も白か。
――なるほど。
[スティーヴについて罵るようなことばに、狐は小さく呟いた。
羽ばたく音に、*掻き消えた*]
[ 長老の話が粗方、終われば考え込む。]
……弱りましたね…。
確かに堕天尸が誰か分からぬ以上仕方ありませんが。
巫女姫殿は…それで戻ってこられるのでしょうか。
[ 巫女の力でないと清められないだろう。
そうなると、やはり封じるしか手はないのか。]
――――――…。
[ 本日、何度目になるか分からない溜め息をついた。]
――――――…。
まぁ、なるようになりますでしょう。
というのは、さすがに楽観的すぎますでしょうか。
島内の戦力を削ぐという意味であるなら。
巫女姫殿と同じように他の方を封じるのもいいでしょうけど。
[ 飛び立った男を軽く見遣り、また地面へと視線を落とした。]
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