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[アーベルに同意を求められれば、それには力強く頷き返す。]
ええ、それはもう。
1年しかお仕えしてない私でもそれぐらいはよくよく判ります。
エーリッヒ様は、自分のことを構わなさすぎるんです。
……まったく。
君は、俺をなんだと思ってんのかと……。
[きっぱり言ってのけるアーベル言葉に、大げさなため息をつき。
肩を竦めるユーディットには、そのようで、と軽く返して]
で、と。
大体察しはついてるが、ご用件は?
[うんうん、とユーディットには何処か満足げな頷きを返す]
それで本当のところ、大丈夫なの、あれ。
[あれ呼ばわりの示すところは、左腕の件だが]
[高らかな聲は熱を煽る。
必死にそれを押し込めようとすればするほど、熱は高まり駆け巡る]
…く、あ。
死んだ、モノを、食らっても。
仕方がありません、からね…!
[精一杯の反抗、捻じ曲げても作る虚勢。
だがそれは狂気を別の方向へと強く押し出すことになった]
宴、は。
別の場所を、所望し、ます。
[切れ切れの囁き。
だがその唇はたしかに弧を描いていた]
[翌日。
目を覚まして作業場へと向かう。
机の上に原石の山は無かった]
……戻っては、無いんだな。
どうせ、鉱夫達も持ってきてないだろうし。
[仕事が無くなった。
手持ち無沙汰になってしまった。
工房に居てもやることは無く、ふらり、外へと足を向ける。
空を見上げようとして、眩しさに手を頭の上に翳した]
察しがついてるなら、
わざわざ聞くことないと思うんだけど。
[扉の傍の壁に寄りかかり、腕を組む]
まあ。
知られたのなら中途半端に黙っていても仕方が無い。
情報を一所に留まらせても、事態の進展は望めない。
与えて、どう動くのかも見てみたいしね。
そんなところかな。
エーリ兄にまで伝わるのは予測出来たけど、
昔はよく視ていた分、幾らかパターンが読めるから、楽は楽。
[本質を見極めるには遠く及ばない上に、今では容易に視ることも出来ないが。其処までは口にする必要もないかと、言いはしない]
[唐突に投げられた言葉、その意を一瞬捉えかね、きょとり、と瞬く]
……随分とまた、いきなりなご質問で。
[言いつつ、右手はすい、と左の腕を撫でる。
袖口から覗く真新しい包帯が意味する所は伝わるか]
むしろ、良くぞ気づいてますね、と言うべきか?
/*
怪我の種類見れば勘付くけれど、
其処まで気付いている気はなかっ、た……!
相変わらず主語述語目的語足りなくて、スミマセン。
護衛貰う気はないんです。とても、ないです。
青年 アーベルは、医師 オトフリート を能力(占う)の対象に選びました。
…は。
[顔を伏せたまま、首を振る。
もう一度だけ唇を重ねた。広がる鉄の味]
おやすみなさい、ミリィ。
今一度だけ。
―― Ich liebe Sie.
[ゆっくりと立ち上がる。
寝具を掛ければ、まるで眠っているかのように]
あとで迎えに来ますね。
イレーネに、伝言を伝えてきます。
[小さく告げると、扉から玄関を回って外を目指した]
[ユーディットの答えに次ぐ、エーリッヒの挙動。
にっこりと、笑みを向けた]
エーリ兄。
ブラフとかカマかけとかって言葉、覚えるといいよ。
[つまりは、思わせ振りな言動をしてみただけということ。
気になる事は今までにも幾つかあったが、確信はなく。それで何か情報が得られれば僥倖、と言ったところだった]
単なる痣で、その包帯は、ないよね。
マゾヒストか、血に飢えた人狼か、何かしらの力を持つか――
さて、どれだろうね?
ふ、死せる者からは力は得られぬ。
確かにな。
ならば別の獲物を探すとしよう。
滋養となりそうな、力を蓄えるに相応しい獲物を。
[熱を抑えようとするロストに対し、愉しげな口調のまま返す。
ミリィを喰わせられないのは詰まらないが、己も乾きは進んでいて。
それならばと喰らう獲物を物色し始める。
そして浮かぶ、悦びにも似た歪んだ笑み]
……母となりし者は、どのような味がするのだろうな。
二人分の滋養を得られるとは思わないか?
/*
うわっ。なんてミス。
時制直すの忘れた…orz
多分この場合は Ich liebte Sie. が正解なんじゃないかなと。
ごめんなさい、ミリィ。どうしても動揺してしまうもので。
詩人 ハインリヒは、画家の卵 ミリィ を投票先に選びました。
ええ、そうなの?
[嘯くアーベルには目を丸くしてみせ、くすりと笑った。]
じゃあ次からはそうしてみようかな。
[悪戯っぽくエーリッヒを見遣って。
駆け引きを楽しむかのようなアーベルの台詞に、黙って聞き入る。]
……私が考えてる以上に、アーベルは考えてたのね。
[凄い、と、漏れるのは素直な感想。]
じゃあ、私の行動は半分読めていたとして。
それで、何か判ったことはあった?
[それは、ユーディット自身に対しての判断、という意味でもあり、またその他の人間への判断という意味でもある。
アーベルからエーリッヒへの問いかけには。
それこそ自分はただの怪我だと思っていたから、きょとんと様子を見守って。]
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