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[宿の中を見渡した際、ユーディットの視線に気付いたようで。塔を積む手を一旦止めて歩いてくる様子を眺める。やがて傍に来て話しかけられれば、何だね、と言った後]
――ふむ。
聞こえる事について、かい。
何でもよい、聞きたければ聞きたまえ。
[頷いて片手で前の席を勧め]
[ティルの言葉に頷きながらも]
あー、なんか思いついた時はきっちり教えてやるから、情報料はらえよー?
ただ、まああれだ。鉄砲で撃ちまくった先に何がいるかもわかんねーのも確かだからな。
色々首突っ込むのはかまわねーが、引き際は心得とけよ。
ん、ああ……。
俺は、気にしないでいいから。
[ブリジットの方へと向かうユーディットに、軽くこう返す。
現場を立ち去った後の様子は知らなかったから、何かあったのか、と首を傾げつつではあったけれど]
/*
表とかに手一杯で提案にのれずスミマセン;
ええと、明日まとめてよりはそっちの方が楽というか、区切りがいいのかな。
引き出しはみんないっぱいあるよねと信じながら(いや自分はあんまりないからどうなるかワカンナイけどねとかそんな(ぁ)
[席を勧められれば、礼を言って腰を下ろす。]
何でも。それじゃ、えーと。
[机に転がっている林檎を何となく手にとって、包み込むようにしながら話し出す。]
……オトフリート先生から、貴女は何かが聴こえるのだ、と聞いたんですけれど。
何が、聴こえるんです?
[じっと、正面からブリジットを見つめる。]
イレーネさんと同じ力を持っている……ということでしょうか。
…ミリィ。
[篭めていた力をゆっくりと抜く]
すみませんでした。
ですが、嫌かもしれませんが、やはり包帯をしておきましょう。
少しでも傷が隠れるように。空気に触れて痛まないように。
[言いながら手にしたままだった鞄を見る]
貴女が辛い思いをするのは、私が、嫌です。
そうだ。
邪魔する者は全て消せ。
俺らの手だけでなく、連中の手も使って。
混沌を呼び込み、狂乱を巻き起こせ。
疑心を植え付け、偽りを真とせよ。
連中を絶望へと貶めよ!
[高らかに声を張り上げる。
その声は至極愉しげなもので。
声に力を戻すロストに、笑みが深まった]
そうさ、何もまとめて相手する必要は無い。
一人ずつ喰らい、力を蓄え。
そうして血塗れた宴を愉しんで行けば良い。
そっか。
[分からないというユリアンに、残念だとかそういう事もなく。ただユリアンらしいなと素直に思う。]
私も、分からない。
信じてる人は、…二人だけ。
[それが誰、とは言わなかったが。ユリアンの手を取るその手に微かな力が加わった。]
ユリアンにそう思ってもらえるのは嬉しい。
大丈夫、私は。
[きっと、ここに集まった誰もが同じ台詞を言うだろうけれど。]
私は、人狼じゃないから。
[そう、いつもの彼女らしい微笑みをみせてから、宿の中へと入っていった。]
包帯。
[思わず、復唱した。
それは、この傷が見えるたびに、ずっと、あのときのことを思い出すということ。
だけど―――それに、今更何の意味が無いことは知っていた。
だから]
うん。分かった。
痛みはあるけど、血は出てないからあまり意味無いかも知れないけどね。
[と、素直に頷いた]
……ん?
[そして、唐突に何かに気づく]
せんせ、せんせ。
私が辛い思いをするのが、嫌だってのは、どういう意味?
[ちょっとだけ期待を込めて、聞いてみた。少し、顔がにやけてる]
宴を。殺戮の宴を。
[表に浮かぶ意識と乖離した熱は、鮮やかな色を帯びる]
場を作り出したのは彼ら。
ならば共に踊っていただきましょう。
狂乱の舞を。
死の舞踏を…!
[それは彼の奥深く、燻るように熱を高めてゆく]
うんうん。引き際ね。わかったよ。おっちゃんありがとー。
[本当にわかってるのかわからない、軽い返事を返す]
[情報料という言葉に、思わず懐の財布に手を触れ]
えー、お金とるんだ…お酒1杯くらいで、いいかな。
[ごまかすように*笑った*]
[それぞれの会話をぼんやりと聞きつつ、考えを巡らせる。
忘れようにも忘れられそうにない、紅の痕。
あれをなしたものがこの中にいる可能性は、やはり信じ難くもあり。
しかし、目の当たりにした『現実』は、重くもあり]
……何れにせよ……か。
[零れ落ちる、小さな呟き。
無意識、右の手に力が篭り──痣の浮かぶ手首が、微かに痛んだ]
[答えをあげられないことに済まなそうに頭が垂れる。
しかし続く言葉と加わる手への力に、ふ、と視線を上げた]
……ああ、信じるよ。
[イレーネからの笑みに、ほんの僅か笑みが浮かんだ。
彼女には信じる者が二人居ると言う。
己には誰が居るだろうか。
おそらくは己自身と、目の前の少女だけだろう。
他の者を無条件で信じられるほど、付き合いは深くなかった]
[イレーネが宿に入るのに続き、己も足を踏み入れる。
浮かんだ僅かな笑みは当の昔に消え去っていた]
全ては主の心のままに。
[熱帯びる二人の主に、ゆっくりと拝する。]
そう、この結末を、血を呼び起こしたのは人自身。
エウリノも、ロスト様も、そっとしておいてくれれば何もしなかったのに…。
人は、なんて、愚かなんだろう。
[冷たい声が静かに響く。]
[姉の問いには、明確には答えず。
ややして、店内に戻って来ると、ハインリヒとティルという、年の離れた組み合わせへと歩み寄る]
そっちは食事、何か要らないの?
[エーリッヒに訊かない理由は、言わずもがな]
何が。
呼び声が、意思が、聞こえるのだよ。
残骸の欠片が。
[ユーディットの瞳を見返しながら、曖昧に答えるが、イレーネの名が出ると少しく思案した風で。相手の掌に包まれた林檎を一瞥してから、ぽつりと]
……イレーネとは、違う。
私を呼ぶ声は地からの物だ。呼び声は、残骸の物だ。
残骸の……死者の、声だ。
私には死者達の声が聞こえる。
[常にはない具体的な言葉を紡ぐ。また相手と合わせる視線は、真っ直ぐながら虚ろな物。およそ普段通りにも見えるだろうが]
常態であった。それでも常態ではなかった筈なのだ。
だが…… 塔は崩れてしまった。
いらっしゃい。
[訪れた二人へと、視線と共に声を投げる]
大分、揃って来たかな。
ゼーナッシェさんは診療所として……
ミリエッタの姿、見てないけど。
知ってるのかね。
[食事について問われない事には、気づいているのかいないのか。
それでも、新たにやって来た人の気配にそちらを見やり、や、と短く挨拶だけは投げて]
[新たに入ってきた二人に挨拶をしつつ、歩みよってきたアーベルの問いに答える]
あー、俺はとりあえず鶏肉のサンド。野菜抜きで。
後、ビールな。ビール。
しっかし、商売熱心な野郎だな、お前もよ。
[テーブルの上に代金に見合った金額を置きながら苦笑する]
っはは、良いぞロスト。
そう、この状況を作ったのは奴らだ。
封鎖なぞ考えなければ、俺だって何もしなかった。
今までも何もせずに来た。
ずっと抑えて過ごしてきたと言うのに。
この村を気に入っていたから、住み続けていたいと思ったから。
村人には全く手を出さずに居たと言うのに!
[荒げた声は悔しげな感情も混ざり。
苛立ちが精神を支配した]
はい、それでは。
[鞄を開ける。
取り出していた道具を、つい落とした]
失礼。
…それは、その。
[目が泳ぐ]
貴女は命の恩人でもありますし。
大切なお嬢様ですからね。
[僅かに弾む声には軽く口元に手を当てて。
誤魔化すようにそう言うと、手際よく包帯を巻いてゆく]
[宿に入ると、人がいることにほっとした。
全員容疑者という括りではあったが、それでも誰も居ないよりは良いように思えた。]
ミリィは…少し前まで家にいたよ。一緒だったから。
…お医者先生、様子見に行ったのかな。
[アーベルには、そんな事を応えた。]
[そして一度、宿の中を見回して、いる人の顔を確認する。]
[宿屋に入れば居る面々に会釈を返し。
空いているテーブル席へと腰掛ける]
…先生もミリィも俺は見てない。
工房に籠りっきりだったし。
[アーベルに返しながら、いつもの、と料理の注文]
残骸?
[顔を顰める。
ブリジットの話は難しい……酷く難しい。
だからいつも、半ば理解は諦めて聞いている。
けれど、これは大切なことなのだろう、そう思ったから。
身を乗り出すようにして、紡がれる言葉を懸命に聞き取った。]
イレーネとは、違う? 残骸?
[そのうち、具体的な、判りやすい言葉がその耳に届く。]
死者の声。死んだ人の声。
[それはまた何かの喩えなんですか、と尋ね返そうとして、
昼間のブリジットの叫びを思い出す。
そう、あのとき丁度、ギュンターの死亡が確認されたのではなかったか。]
もしかして、ギュンターさんの声も聞こえていたんですか?
嫌だな、
食わなきゃ生きていけないんだから、心配してるんですよ。
[ハインリヒの苦笑に対して、嘯いてみせる]
人を喰った後だって言うんなら、話は別ですが――
[笑えない冗談、とも本気とも取れる台詞。
注文に了解の意を示して、置かれた代金を受け取った]
まあ、熱心なのは認めますが。
生きる為には金が必要ですからね、売上ガタ落ちですし。
野菜も食わないと、肉食動物と間違われますよ。
[女将へと注文を伝え、先にビールを置いた。ティルにはジュースを]
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