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[暫くして店から出る、片手には硝子の天使像。
勿論水晶であるという本物など見たことはないから、伝承を元に想像して作られたものではあったが]
…思い付くのはこれぐらいだが。
[職人の間で知らない者はいない話。
祭りの為の品の一つであったレプリカを示す。
彼自身は不本意の作であったらしく、密かに眉を顰めてはいたが]
[引っ張られそうなことに気付いたのか、尻尾がしゅるんとベッドの下に引き込まれ、代わりに猫の目が、視線を逸らした青年の背をじーっと見て、ぽそり]
虹の天使にお願いするといいにゃ。
[ベッドの下に隠れたままの表情は見えないだろう]
いでで…お前さんがいなくても同じさね。気にするでないよ。
[止まりきれずに壁にぶつかるかしたに違いないとリディに告げて、エーリッヒの言葉に唸るように頷く]
腰は温める方がいいんじゃが紅茶は貰うよ。
その前にこの籠を下ろしてくれると助かるがなァ。
[茸を集めて入れる様子に半分だけ身を起こした状態で頼む]
噂好き ヨハナは、治癒術師 ミリィ を投票先に選びました。
[見せられた硝子の天使像に、上がるのはわぁ、という歓声。
どこか渋い表情には、気付いていない様子]
綺麗ですねぇ……。
ええと、これ、お祭りの時にもあったですよね。
何かを模して造ったって……なんでしたっけ、虹の……。
お待ちリディ、まだ外に居るかも…いででで!
[再び唸りながら前屈みに唸る。毬栗状態で転がっていた薄茶猫はようやく硬直が解けたらしく、体を震わせて伸びをした。
ベットの下から聞こえる声と光る目に、薄茶猫の瞳孔が太くなる
「ミ゛ャァゥ(お前…?)」]
[猫妖精の台詞は果たして届いたか、答えを返す事はなく]
ああ、そうだったっけ。
何分、腰を痛めたことはないから。
[ヨハナの頼みに、自分で下ろせないかと苦笑しつつも、今は邪魔なノートを卓上に置いてから、老婆の背負う籠を下ろす。
ぱらりとページが捲れて、そこに走り書きされた文字は――"Regenbogen" ]
……ん。
本来なら、悪い子を懲らしめるためのものだよ。
今はちょっと、様子が違うらしいが。
[少し間を空け、リディアにはそう答えた]
水晶細工、レーゲンボーデン。
…妖精王の力で、願いが叶うとか。
[途切れた言葉を継ぎ。
幼い頃から聞かされていた伝承をすらりと述べ、口を閉じる。
表情が微妙なのは元からのコンプレックスだけでなく、妖精王の実物がアレだったのもきっとある。
そうして、これが何か?と首を傾げた]
リディちゃんは気をつけてね?
おばあちゃん、大丈夫?
[それから騒ぐティルに一言。]
エーリ君が運んでくれたんだから、指さしちゃだめだよ?
職人見習い ユリアンは、少年 ティル を投票先に選びました。
レーゲンボーデン……ですかぁ。
[継がれた言葉と、伝承に、瞬き一つ。
肩の白い鳥が物言いたげに尾羽を揺らしたのには気づかず。
首を傾げられ、ええと、と言いつつ周囲を見回す。
特に、こちらの話を気に止めている人はいない。らしい]
……理由をね、考えていたのです。
今、村に起きている出来事は、何を目的にしてるのか、って。
それで、守護妖精様に由来のものとか、力のあるものとか、そういうのが関わりあるのかな、って思って。
願いが叶う、水晶細工……なんだか、凄く、狙われそうですよねぇ。
じゃあ、悪い子じゃないから平気ですね!
[話の半分だけ聞いて大きく頷く。]
とりあえず、注意して行ってきます!
[最後にもう一度だけ、老婆に心配そうな視線を向け扉を閉じた。]
すまないねェ、坊。
若いってのは羨ましいこった。
[籠を下ろしてもらって何とか一息つき、痛みが走らないようにそろりそろりと顔を上げる。そして少女に答える青年の声に頷いて、顔を顰めた]
…あァ、坊の言う通りさね。
樹の上の林檎は鳥に、虫の付いた栗と毬は森に、わたしゃ長年ちゃァんと森と人の取り分を守っとる。それで襲われるんなら人間は何も採るなって事さ。
そりゃァ、ちょィとおかしいとしか思えないねェ。
少年 ティルは、学生 リディ を投票先に選びました。
[息を切らし走れば、流れて行く森の葉影に声が聞こえる。
人には聞こえない囁き。
これがあの芋虫の声かは分からないけれど。
そして自分の声は届きはしないのだけど。]
ウェーバーさんを驚かしちゃ駄目だよ。
脅かして良いのは……。
[思い浮かんだのは、鳥にいくらつつかれても平気だった姿。]
あの、不審人物さんとかで。
約束を守る人間には、妖精は対価を払うもの。
……まあ、悪戯好きなのもいるんだけど。
[呟きの一瞬、見やったのはベッドの下。
すぐに戻して音を立てて閉まる扉を見た]
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