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…森、だねェ。
[妖精が指した方向を見て、ユリアンの声を肯定する]
どっちみち行く予定だったさね。
案内してくれるなら行こうじゃないか。
[疲れたユリアンと対照的に元気よく、薄茶猫を抱きかかえて森へ向かう。こんな村に住んでいても妖精をじっくり見ることはめったに無いとばかりに、婆の目は興味本位に輝いていた*]
エーリ君も見て無いの、ギュンターおじいちゃん。
……ところで、その人、妖精?
[落胆の声のあと、まじまじとそれを見る。]
すごいな。不自然な体にいても平気なのか。
ギュンターおじいちゃんがどこにいるか、知らない?
[膝をついて、視線をあわせる。]
[答えは何にせよ、とりあえず立ち上がり、エーリッヒを見た。]
[リディには聞こえないように声を落とす。]
リディちゃんが言うから、少し探してもらったんだけど、見つからなかったんだ。
あんまり不安にさせたくなくて、見つからないって言ってないけど。
ここにも、村にもいないなら、どこにいるのかさっぱり検討がつかないんだ。
……この妖精さんが関係してたり、え、王様なの?
[さすがに少し、驚いた声が出た**]
/*
そういえば。
乙女の妄想って、一体……。
元中身的には、200年たってもゆりりんはゆりりんだろうなあ、と思っているのですけどねぇ。
不意討ちであっさり捕まるところとか。
[アーベルに問われて、音量を幾らか抑えつつ、ギュンターと別れるまでの事を話す]
……もし関係あるとしたら、ひっぱたいてでも止めとくべきだったんかな。
そんな大事とも思ってなかったんだが。
[表情にまでは出さずとも、声色は幾らか暗くなる]
エーリ君、暗い。
[見上げて、きっぱり。]
暗くなっても、良いことはないよ。
エーリ君がそんなふうになってどうするの。
後悔しても良いけど、先じゃあ、どうしてたら良いかなんて誰にもわからないんだよ。
起きちゃったことは変わらないんだから、これからどうするか考えなきゃね。
一番最初は、エーリ君がそんな声にならないことだけど。
あ、でもそんな状態でいたら、ピアス一つずつ買ってくれるならそのままでも良いよ。
……仮にも王って言うんなら、わかんないのかねえ、犯人くらい。
[訪れたばかりだしこの地は妖精の気配が強いからと言い訳を口にする見た目三歳児を見下ろす。役立たず、と漏らした呟きには流石にむっと来たようだが、知らんぷり。
元々気まぐれな妖精は、何も教えてやらんとばかりに、つんとそっぽを向いてしまった]
[判り辛いよう紛れさせたのだから、当然と言えば当然の事。ひっそり隠れた悪戯妖精達は、してやったりと笑っているに違いない]
[そんなことをしていると、横合いからの声。
前半だけを聞けば、尤もだと頷いていたかもしれないが]
買ってやる理由がないだろうに。
[眼を眇め、呆れ顔。
親指で中指を押さえ、青い髪に隠れた額の前に持っていき、ぴんと弾いた。*でこぴん*]
いたた、ひどいよエーリ君。
そんなの辛気臭いのがうつるからに決まってるじゃないか。
[むぅと手で額を押さえる。]
で、知らないの? 王様。
……教えて欲しいな。
無理?
[じーっと見た。そっぽむいている姿を。]
やっぱ王様に見えないよね
[呟きが聞こえたのか、王様はもっと機嫌が悪くなったようだ。]
―森―
おやまァ、皆して集まってどうしたんだい?
それにその子は…?
[妖精王への問いも第三陣ともなれば当人からは答えが帰らず。そっぽ向いてるずんぐりむっくりな姿を無遠慮に眺めながら婆は説明を求めた。
その場の面子から返った概要に、興味半分心配半分で唸る]
ふゥむ、そりゃまた面倒な事になったもんさね。
こういう時こそ団長さんにしっかりして欲しいもんだがなァ…。
どっかで怪我してるなり手掛かりがあるかもしれんし、茸取りがてら森の中を探してみるかねェ。
─森─
[妙に不機嫌な鳥を宥めている間に人は増え。
挨拶するも、気はそぞろ]
……リーリエ、妖精王様が嫌いなのですか?
[何となく呟いた。
鳥は首を傾げた。
何となく困っているようにも見えた]
ヨハナおばあちゃん。
多分……
[近付いて、このへんには居ないと思うよと伝える。]
[それからミリィと鳥の様子に、鳥につられて首を傾げた。]
[悩みながら、妖精王を見る。
あちらこちらからそっぽを向いた妖精王も、こちらを見た。
こちらというか、正確には、腕の中の白い鳥を見たのかも知れないが。
何故か始まる、睨みあい。正確には、鳥が睨んでいるだけのような気もするが]
……それにしても、手がかりになるようなものは何もないのでしょうか。
ただ、探せといわれても、困ってしまうのですよぉ?
[鳥を宥めるように撫でつつ、一応問いかけてみるが。
機嫌を損ねたからか、それとも本当に手がかりは何もないのか、返って来たのは自分でどうにかしろと、そんな趣旨の言葉で。
その返事に、鳥はまた、物言いたげにぱささ]
[鳥にあわせるように首を傾げるアーベルに気付き、そちらを見やる]
……なんだかリーリエ、落ち着かないのですよぉ。
今までは、こんなこと、なかったんですけど……。
[困ったように言いつつ、羽ばたく頭をぽふぽふと撫で]
うーん、リーちゃん?
どうして落ち着かないんだろう……
変なことでもあるのかな。
動物って、さといっていうし。
んん……言葉しゃべれないもんね。どうしよう。
何かしってるのかもしれないけど、わからないし。
[もう少し修行を積めば、意思の疎通も円滑になるのだが、それはさておき]
妖精王様にだけ、反応するのですよねぇ。
他の人は突っついたり蹴ったりしない子なのに。
[何せ猫ですら、敵性判断はしてないような鳥である]
でも、何かは感じているのでしょうねぇ……。
この子も、それなりに魔力は持ち合わせてますし。
少しは移って大人しくするといい。
[アーベルの抗議は切り捨て、やって来た老婆と見習いの青年には簡潔な説明を。
それから薄茶の猫やら白い鳥やらが、妖精王と名乗る赤子を睨むさまを、少し離れた位置から見る]
腹減って気が立ってるんじゃないか。
[すっかり冷めたパンを千切ってみたり]
偽者……?
[その可能性は、あんまり考えていなかったので、思わずまじまじ、と妖精王を見た。
さすがにというか、妖精王、憤慨したように否定しております。
そして、鳥は何故か、疲れたようにくるる、と鳴いた。
何かを否定しているっぽいのは何故なのか]
だって本物なら何かしっててもよさそうじゃない。
こんな意地悪なこと、いくらなんでも王様がするなんて思えないよ。
[憤慨していても、むぅとして言った]
……リーちゃんどうしたの?
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