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ユリアンが真面目なことを…
そういうことって……そういうことなんか…?マジかよ…
[情報を整理した居たところに、ユリアンの言葉が届けば、点と点が線となり、うめくように呟いて]
おう。俺は犯人じゃないぞ…それに俺は…絵が下手だし…集中できないし…
[言いつつ余所見。集中力というのはもっているが、少なくとも絵に対する集中力と言うのはなかったらしい]
これから、どうするの?
何処か行くつもりだったのかしら?
[ふと道端で出会った3人に手を振ったのは自分だが
はたと、邪魔をしたのだろうかと思って
顔を見渡し、聞いてみる。]
ん?俺はなんか長に何かあったとか聞いたから詳しい話聞くためにここまで来ただけだから特にどこかいくわけでもねーけど
ミハエルの兄さんのとこでもいこうかな…いいたいことの一つや二つはあるんだが、なんか本気でやばそうだし
[そのわりになんであんなにのんびり…いや、そう見えただけかもしれねーけど。]
― 図書館 ―
長が封じられた?
[書庫に籠って、絵師と絵筆に関する記録を漁り始めてからしばらくして、その報せはもたらされた]
それは確かなのか?絵師殿は何と言っている?
[問われた相手も又聞きだったらしく、その問いに答えることは出来なかった]
・・・・・・そうか。
[それ以上問いつめても無駄と知ると、口を噤んで、再び書庫へと戻る]
おしごとできないの。
綿毛畑が、えふでとかさがすからって人がいっぱいなっちゃって。
[ふと先程のことを思い出して、うつむく。
そして思い出した後の事もさらに思い出し]
あ、診療所のせんせい、知らない?
さっきいなかったの。
[顔をあげ、周りにきいてみた。
どこか遠くで、疑いから発したのか、喧嘩をする怒声が聞こえ、少し肩を竦めた。]
[書庫のデスクの上には、開かれた本と数人の名を書き出したメモ。その一番上に書かれているのは他ならぬ長の名前]
・・・・・・
[懐から紙包みを取り出して、蜜蝋を口に含む。じわりとキノコの香りが苦く広がった]
そか。そんなことになってるのか
[冷静に考えたら仕事どころではないかもしれない。何が起きたか把握すれば、昨日などの比ではない騒ぎになるだろうが]
ミリィ先生か?会ってないが…何かあったのか?
[応えながらも遠くから届く怒声に肩を竦めたエルザを見て安心させるように頭をなでなで]
んー、設計図とかはよく描いてて上手くなったんだけど、人物画は。
そういえば、殴られたあと渡された木炭で描いた絵を見て兄ちゃん引き攣った笑い方してたなぁ。
[しみじみと言ってみる。]
いい大人が道端で騒ぐんじゃないっ!
[長の家から戻る途中、言い争う声を聞きとめ一喝。
見た目は幼く見えれど年齢と実績は重ねた者の叱責に、
対峙するものたちはその動きを止めた]
─長の家・応接室─
……そりゃ。
素直に頷いてくれるような連中じゃないだろうけどさ。
[薬師の残した言葉、それへの答えはその姿が消えた後に零れた。
何事か、と顔を出した男には、なんでも、と言いつつ手をひらりと振り]
んで、これからどうするか、なんだけど……ああ、主だった皆様、集まってらっしゃる。
なら、そっちで話そうか。
[今後の方針を決めるために来て欲しい、と請われ。
一つ頷き、男について会議に使われる広間へ向かった]
[頭を撫でられ、嬉しそうに目を細めてわらう。]
うん、なんだかきゅってなったから、
びょうきだとこわいなっておもったからいったんだけど、もう治ったの。
だからだいじょうぶ。
いなかったから、どうしたのかなっておもったの。
[食堂での噂で名前を沢山聞いたので
気になっているのだろう。]
って、アーベルお前。俺が真面目な事をって、まるで俺が何時も真面目じゃないような事言いやがって。
俺は何時だって真面目だっつの。
[そう、ただ色々フリーダムなだけで真面目っちゃ真面目なんです。
まあ、知ったこっちゃ無いが。]
[読書室に居る人々も、今は本よりもあれこれと飛び交う噂に夢中だった。その中には絵師と薬師と司書の三角関係などという尾ひれつきの噂も混じってはいたものの、それは、他の不安を和らげようとする話題にすぎないようで]
こうも簡単に揺らぐもの・・・・いや、分かっていたことだな。
[扉にもたれ、くちゃと蜜蝋を噛みしめる。キノコの作用で鋭敏になった感覚に海の匂いが触れていく]
[しみじみ呟かれたユリアンの言葉に内心でうんうん。となんとなく想像しつつ]
そかそか。もう大丈夫ならいいんだが、一応ミリィ先生にいっておいたほうがいいかもしれんぞ…っっ!?
[先ほど聞こえた怒声よりも人を萎縮させるような声が届いて、撫でていた手を止めて振り返り]
…いたみたい
いやぁ俺もユリアンがいつも不真面目だとは思ってないんだが、どうしても真面目に見えねーっつうか。
だからたまに真面目に見えると驚くんだよ。なんかあるかもしれねーとか
[己とて真面目に見えるかといえば怪しかろうに、悪びれもせずいう]
…ひゃっ?
[喧嘩する怒声をも飲み込むような声に
ぎゅっと肩を竦ませた。
その声に、先程までの喧嘩の声が途切れた。]
うん。
[閉じた目を開けて
声の聞こえた方向へと、視線を向ける。]
[会議、と言っても、不安が先行したそれは感情のぶつけ合い的な側面が強く。
念のため詳細は伏せた上で、探す術があると説明したものの、その間に被害が広がるのでは、という声が大きかった。
結局、疑わしきは、の流れは制しきれず、内心、己の未熟さ……というか、歳若さに歯噛みする事となったものの。
罰する術に関しては、自身が『封じの絵』を描いて精神的に『拘置』する事、この件に関しての無闇な暴力は都市の決まりに従って厳正に裁く事、などを徹底させるには至り]
……まったく。面倒な事、してくれるよ……。
[会議から解放された後、思いっきり、こんな愚痴が零れた]
全く。
子の手本となるべきものが、そんなことでどうする?
[腕を組み、自分より頭二つ分は高い男を睨みあげる。
手本云々に関して、他人の事が言えるかは――まあ、別として。
実際に長が被害に遭ったのだから、悠長な事は言っていられない。
周囲で見ていた者達の声も加わり、ざわめきは広がっていく。
思い出すのは先の会話で、眉根を険しく寄せた]
だからと言って、暴力に訴えるか。
殴って負かせれば済む問題でもなかろう。
お前ら両方、睡眠薬を飲ませるぞ?
……絵師殿らが、今後の対策について話し合っている。
心して待たれよ。
[場を収めるためのことばは、口にはしたくないものだった]
[絵筆、ひいては兄の話に及ぶ間、話題には加わらずやや俯いていたのだが。
怒声には流石に驚いた。
顔を上げて、声のしたほうを見遣る]
[そして、エルザの言葉で本来の目的を思い出す。]
あー。そういえば、じっちゃんのとこに行こうと思ってたんだけど。
[と、その時遠くから聞こえる怒声。そっちをジロッと見やるが、怯え竦んだエルザの頭を撫でるアーベルを見て、悲しそうな表情を浮かべる。
だがそれもほんの一瞬で影を潜め、]
ったく。俺は何時だって真面目。なんかあるかもとか下手の勘繰りだっつの。
[目を閉じて息を深く吸う・・・五感に押し寄せる情報の波に脳が溺れ、消えない記憶や、奥深く沈めた絶望が、波に流され、薄れていく]
・・・本当に、信じているのか?
[呟きは、誰に届く事もなく、風に溶けた]
[とはいえ、原因の一端が自分にあるのも事実なわけで。
あんまり文句言えた義理でもないのだが。
ともあれ、応接室に戻り、そこにある長の絵を改めて見る]
……んー。
画調から特定……ってのは、できないよなぁ。
[そも、この都市では絵に関わる者自体が数少ない。
『絵師』を除けば、それこそ邪気ない子供たちくらいだろう]
っとに。
……そんな簡単にできるようなら、何代も何代も……。
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