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[昨夜あちこちを回った後で、借りて休んだ一部屋で、わたしは目を覚ましました。]
…?
[胸の辺りで両手を合わせて、首を傾げます。
部屋の中に何かがあった、というわけではなく、そうだとしてもこの眼には色しか分からないのですけれど。
わたしは少し考えます。
が、]
…あ。
灯を、返さないと。
[途中で、意識は別のほうへと向きました。]
そのあと、でございましょうか。
わたくしは、今、此処にて、あかが見られれば、それで。
[少年の視線の先を辿り、歩む足はその先へ]
終わるものゆえに、足掻くのではありませんか。
いつ断たれるかも知りえぬものゆえに。
[女は咲く花の茎に指を伸ばし]
[爪先で、千切る]
[指先に触れる毒液]
そう。このように、断たれる前に。
そういうもの?
オレには、よくわからない。
死にたいとも、思わないけれど。
ああ、でも――…
[遮られる視界。
女に歩み寄り、滴を受けたその手を取る]
花は、儚いね。
[濡れた指先は僅かに疼く]
[放置すれば、そのうちに腫れ上がる事になるだろう]
はい。
きっとこの花の群れも、少しすれば朽ちてしまうのでございましょう。
[手を取る様を不思議そうに見る]
[逆らう動きは無い]
[チリン]
このまま残しておけるのならば良いのでしょうが。
人は、抗えば、そうならないのかな。
それなら、それも、いいのかもしれない。
いつかの終わりはやって来るに違いないけれど。
[顔を寄せ、ついで眉を寄せた。
袖を引いて、そぅと女の指先を撫ぜる。
それが何の足しにもならないとしても]
……あなたは、枯れたくないんだよね。
駄目だよ。毒は危ないから。
浸ってしまえば抜け出せなくなる。
[そう言って、手を離す]
[色と手探りで探し当てた二つ、杖を右手に、灯を左手に。
昨日と同じように、扉から出ました。
途端、鼻先に届いたのは。]
…、何、かしら。
[辺りを見渡しますが、特に異変は見当たりません。
杖を使って足元に障害物がないかを確かめながら、灯と眼は違和の元を探りながら、ゆっくりと廊下を進みます。
階段に着いた頃には、異臭は更に強くなっていました。]
たしかに、いつかは。
それでも私は、うつくしいあかを諦められぬのです。
どうせなら、最期にまでは…
[嘯く様な呟きは、指先を拭う布の感触に途切れた]
…。
[手に持った緋の花が、空を舞い、地に落ちる]
[離された手を、胸元に引く]
[リィン]
…はい。
では、私は指を洗ってこようと思います。
あの。ありがとうございました。
[小さく頭を垂れた後、壁に凭れる少年に背を向ける]
[緋色の靴は、城の玄関へと]
[杖の先で一段一段を確かめながら、階下まで降りました。
臭いと人の声とがするほうへ、足を進めます。
こつりと微かな音が、誰かの耳には届いたでしょうか。
そうしてその頃には、その臭いが何であるかを理解していました。]
あの、何か――
どなたか、怪我をされたのですか?
[一瞬、眼は昨日と同じ――その場にいた青年の、白い色を見ました。
けれど、源はそこではありません。
次に眼は、彼らの中心へと動きます。
そこに、赤い色がありました。]
―玄関―
[ラッセルが大丈夫そうなのを見て、少し安心したように笑った]
[それからキャロルと出て行くのを見送る]
[息を吐いた]
……せめてここからどけるか
[開け放たれた玄関と窓の間、空気は留まることを知らない]
[薄くなったとはいえ、臭いは残る]
[ギルバートの口にした言葉を、男も口の中で転がした]
[やがて聞こえる杖の音――]
そこに、おられるのですか?
怪我なら早く――
[治療しなければと続けようとした声は、別の声に遮られました。
恐らくはその傍らにいる、赤い色の男のひとの声でしょう。]
殺され、た?
[眼はそちらに向けられました。]
[少年らと遅い晩餐を取った後。]
[適当な部屋に入り、古びた寝台の上で、埃のにおいのする寝具に包まったのが夜半の月が傾く頃。]
[激動の一日に肉体が疲弊していたのか、速やかに暗黒の眠りの国へと堕ちていった。]
[翌朝。]
[階下で番人の無惨な骸が発見された頃、男はちょうど心地良いまどろみに浸っていた。]
終焉の使者。
そんな…
[続いた言葉に、眉を寄せました。]
どうして、そうだと?
[遺体の傷は見ていませんし、仮に布団を剥いだとてこの眼では見えないでしょう。
それが幸いか、不幸なのかは分かりませんけれど。]
人の手による傷じゃない
死体は見慣れてるからな、それくらいはわかる
――先に見たあの男もそう言っていたぞ
見た奴らに聞けばいい
[問いには簡単な答えを]
終焉の使者が二人居るとなれば、誰にアリバイを聞いても無駄だろうな
[リィン]
[鈴を揺らし、黒の門をくぐる]
[多少、顔触れに変化は有ったものの、広がった緋色は変わらない]
[そこに居た人々に、女は唯一礼をするのみ]
[手を洗えそうな場所へと足を進めていく]
ケッ呑気なもんだぜ。
記憶ねえ傷持ちをよく放置出来るもんだ。
あん、あれか? いつのまにか出来ちまってたのかねえ?
[誰もいないキッチンに入り込み、食料より先に刃物を漁る。一番切れ味の良さそうな包丁を布巾に包み腰のベルトにねじ込んで辺りを見回した]
お、何か残ってるじゃねえか。上等だぜ。
…冷めてるにしちゃまあまあだな。
[鍋の蓋を開けて昨夜の残りを平らげ、足りない分を漁る。連なる腸詰を齧りながら日持ちのする食料を幾つか包む]
…傷。
[それを聞いて、床の白に手を伸ばし掛けて、…止めました。
その手を胸前まで引き戻し、杖を両手で握ります。]
本当に、いるのですね。
[眼を伏せました。
傍からは、祈りのようにも見えたかも知れません。]
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