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─1階・広間─
[倉庫に向かうゲルダの言葉>>177に、任せとけ、と返してカルメンの所へ。
真紅に染まった手から伝わる感触に、微か、表情が歪むのは鸚鵡以外には見えぬ事]
……っかし、このにーさんも。
なんでこんなとこに。
頭打ってたら、まじぃよなぁ……俺だけじゃ、動かすのは無理か。
[エーリッヒを見やりながら呟いて、血溜まりの外へカルメンを導く。
着替えがない、という無邪気な言葉>>181に、感じているのとは違う頭痛を覚えた所にやって来たクロエ]
あー、ちょうど良かった。
[思いっきり、ほっとしたのは言うまでもない。
主に、服的な意味で]
―廊下―
あ、おはよ。ハインリヒのにー…、
[起きぬけの頭に、ハインリヒから告げられた内容は、どこかまだ夢の中に居るようで、]
やー…それは、なんとも現実味の無い…。
ごめんごめん。信じてないわけでもないし、すぐ下降りて見てくるよ。
そういうの、耐性無いわけでもないし、さ。
[ぱたぱたと手を振って、他に告げに行くらしき姿を見送り、とんとんと広間に向かう]
[カルメンと、クロエのやり取り。
団長の顔が見えたと言う言葉と、それに対してクロエが見せた、動揺らしきもの。
怪訝なものは感じたが、今はそれを突っ込める状況でもなく]
ん、ああ。
服に関しては、俺はお手上げだし、頼むよ。
[クロエの頼み>>188に頷いて見送り。
入れ違いにやって来た面々には、よ、と力なく手を振る]
……一応、怪我はないみたいだ。
下手な怪我より、とんでもない事にはなってるけど。
[ローザの問い>>197に、返すのはため息。
自衛団の面々とゼルギウスのやり取りを横目に、戻ってきたゲルダから布を受け取って]
ちょ、待て、カルメンっ!
脱ぐのは、クロエが来てからっつーか、俺の目の前でやるなっ!
[むしろそっちか、と突っ込まれそうな事を言いつつ、素直に着替え始めたカルメン>>192を押し止めたり]
あー、風呂。
……こんな状況で、浴場は使わせて……もらえそうにないよなぁ。
[ゼルギウスの言葉>>191に、しばし、思案顔。
一応、浴場自体は、集会場とつながってはいるけれど]
……とはいえ、このまんまにゃできねーし。
お湯沸かして、身体拭けるようにするか。
そのくらいなら、俺でもできるしな。
[思案は結局、無難な所に着地した]
───自室───
う……ぐっ!
[ベッドで横になりながら、ブリジットが苦痛に身をもだえる。
襲ってくる痛みは、断続的で永続的で]
……は!
[息が短くしか吐けない。
こめかみの辺りもズキズキする。
景色は歪み、この世の全てが曲線に見える。
汗は滝のように流れ落ち、止まることを知らない]
ふ……ぐ!
もう……今回は……特に……ひ……どいな……。
[広間に降りたときにはちょうどゼルギウスが自衛団員に指示を出していて。
少し悩んだ後に、その遺体を運び出すのを手伝うことにした。
多少どころではなく、不愉快そうな表情を浮かべる団員が居たとして、男のさまはどこ吹く風。
送り出し際、ぽつと呟いたのは、神に祈る看取りの言の葉]
――…団長殿ならば、こちらが良いかと思いまして。
これでも一応、敬意は払ってるつもりですよ。
[団員を刺激せぬよう、殊更丁寧な口調。
後は頼むと頭を下げ、また広間へと戻り]
[そのまま、どれぐらい時間が経っただろうか。
1日なのか、1時間なのか、1秒なのか。
それすらもよく分からない]
には……は。
元気……よすぎ……だよ……。
う……ぷ。
やば……吐きそ……。
[あー、とか唸り声を漏らしつつ、這うようにして自室から出て、トイレへと向かう───その途中]
……?
血の……匂い……?
[自衛団長が運ばれていくのを、ちら、と見送り。
掃除はゼルギウスたちに任せ、台所に行って竈に火をおこす]
……あー……もう。
何がなんだか、わっかんねぇ……。
[口を突くのは、かすれた呟き。
頭の芯には、鈍い痛み。
それは、何かを責め立てるように響いていた]
[気にはなったものの、取りあえずは、最重要事項の優先により、トイレに急行。
そこでひとしきり、胃液を吐き出し、少しだけ落ち着くと、フラフラとした足取りのまま、階段を下りて広間へと向かった]
───広間───
や……っほー。
どしたん……?何があったの?
[普段から白い肌なのに、それでもなお一目で分かるぐらいに白い肌で、死にそうになりながらも、笑顔でその場にいる人に聴いた]
[耳に入るのは、おふろ、とかなんとか。
元より着ていた服が紅の色だからこそ、ギュンターを運んだ時の血は目立たずに済んでいるけれど。
それでも、全く付いていないわけでもないし、指先にはこびりついた血の名残もある]
…っと、あ。ロミちゃん!?
こっち来ちゃダ……
[挨拶をする幼き声。
反射的に、制止の声を投げるも時既に遅し]
あー…、ええっと。
怪我って言うか、その、なんだ…。
[さらにその後ろ、ブリジットの姿を見つけたなら、慌てたように顔を向け]
おはようございます、と、言うか。
その挨拶すら、省きたい、と言うか。
とりあえず、ロミちゃんとブリジットさん、こっち来て。
[広間から出て、適当に廊下の途中で立ち止まる]
[鎮まれ頭痛、とか良くわかんない言葉を呟きながら、大鍋に水を張って沸かす。
その内、ロミルダの声と、それに対するダーヴィッドの声が聞こえてきて。
火加減をちら、と見てから、広間の方に顔を出す]
……確かにこれ、どう説明すりゃいいんだか……。
[自分でもそれはまとまらずにいた所に、更に聞こえた、ブリジットの声]
…………。
[問いへの答えよりも、白い肌色に、言葉が失せた]
…って。
いや、その前に一応聞いておくけど。
ブリジットさん、具合、大丈夫?…顔色良くないよ?
[自分のこめかみを、こんこんと人差し指で叩いて、ぽつりと]
んー…、体調良くないなら、説明は後の方が良いかもな。
少なくとも、座れる場所のが良いか。
ほえ〜。
[言われるがままに、ダーヴィッドの後をついていった。
足が地面を踏みしめているのかどうかもよく分からない]
……世のお母さん連中は……強いなあ……。
[なんとなく、そんな感想が浮かんだとか]
─広間─
[ギュンターが運び出される間、カルメンは布を肩から掛けて隅にしゃがんで居た。
布を纏っていたのは、まだこの惨状を知らぬものの眼に入れぬための配慮らしいが、カルメンは言われたからそうしている形にある。
それでも、顔に僅かに真紅は残っているし、髪にもべったりとこびり付いたままだったりした]
[その状態のまま、身体を拭くためのお湯が沸くのを待っている]
具合は悪いね。
うん。とてつもなく。
[きっぱりはっきり断言した]
だけどさ。
自分のいる場所で血の匂いがしたら、安心して休むことも出来ないじゃない。
だから、何としても、何かあったのか聞きたいのだけど。
……ん。
[喋りながらも、頭がキリキリ痛む]
[答えは返らず。
ロミルダが視線をうろ、と彷徨わせ始めた頃]
ブリスさん、おはようです。
…大丈夫、
[ぺこりと頭を下げるけれど、眉が下がったまま、いつもの元気はない。
それ以上にブリジットの白い肌に気がついて、大丈夫かと問おうとしたけれど、ダーヴィッドの声と重なった]
あっ、はいです。
[振り返って返事をして、後をついていく]
/*
誰も説明できなかったら、謎の子使おうかと思っていたんでした。
でも自己解決も寂しいと思ってたら、ダーヴさんありがとう。
―二階個室―
ブラザー・エト。
笑いますか。
[羽織を取り出す鞄の底に眠っているのは錆びた聖印]
力なく、逃げ出したくせに。
忘れたままでいられない僕を。
[鞄を閉じ、顔を擦って階段を降りた]
[沸かしたお湯は、やや多目。
今、掃除をしている面々や、血に触れたエーリッヒにも必要だろうから、と思ったから。
とりあえず、水と合わせながら適温にしたものを桶に幾つか用意して]
……ほら。
そっちも、いるだろ?
[一つは、エーリッヒに付き添うゲルダの所に、やや素っ気無い言葉と共に置いて。
それから、別の一つを置いて、ゼルギウスやローザに使うようにと声をかける]
さって、と。
後は、カルメン、か。
上まで運ぶようかな?
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