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《あーあ。
いたみたいだね、人狼》
[残念だと、けれどどこか面白がるような声が聞こえる]
《団長さんがいないんじゃ、外に出る手段はもう、一つだけだね――》
とりあえず、僕らが使ってる部屋で着替えてしまうのがいいかな。
もう少し頼むね。
[こちらを見るユリアンに再び頷く]
心強いですね。
じゃあ僕はその分カルの着替えをしてきます。
[ゼルギウスに言って]
あかい?
集会所近くの蓮は白くなかったっけ。
[カルメンの言葉に首を傾げる。
細工のために観察していたはずのユリアンに問いかけた]
……あ、着替え。
[ゼルギウスの言に、視線を落とす。
エーリッヒが身に纏う衣服は色濃く染まっていて]
フォーサイスさん……その。
掃除の後で構いませんから、手伝って頂けますか?
けも……の。
[ありえない。
これだけ厳重に見張られているということは、厳重に警備されているということでもある。
どこからか迷った獣が、この中に現れ、自警団長の命を奪ったなどと。
つまりは───]
───人……狼。
[遥か昔聞いた御伽噺。
獣が人に化け、人を喰らうのだという化け物。それが人狼。
獣の痕跡も無いのに、獣に襲われたのだとしたら、そう考えるのが当然なのだろう。
だが、ブリジットに残る最後に理性がそれを否定した]
そんなの……ありえない。
人狼だなんて……。
[否定の言葉を口にしたところで、景色がぐにゃりと歪む]
…人狼。
[ロミルダは口を引き結んで、うつむいて、しばらく黙り込む。
膝の上の両手を、きゅっと握った]
…だったら、
見つけたら、いいですか?
[洩れた声は小さく、けれど部屋の中の2人に届くには十分なくらいの音量]
蓮…?
[盲人のカルメンが蓮が赤いというのは?と内心で首を傾げつつ。無理に微笑んでいるがわかるローザに]
なら…はやいとこすますか。しっかしまあ厄介なことになっちまったなぁ
[死したものを哀しむというよりも、これから先のことを考えるように呟く]
ん、ああ、りょーかい、と。
[クロエの言葉に頷いて。
蓮の事を問われると、がじ、と頭を掻く]
ああ、基本は白。
確かに、花が開いてから、赤く変わるけどさ。
にしても、色が変わるのは大体遅くなってから、ゆっくりだから。
まだ、白のはずなんだけど。
あーかーいー、はすー。
そこー。
[指差すのは先程までギュンターが居た場所。
勿論花らしきものは無く、今はローザ達が掃除をしている場所である]
じーちゃ、の、そば。
[掃除をする手を止めて、ゲルダの方を向き]
ゲルダさん、もし気分悪くなったら休んでね?
貴女まで倒れちゃったらきっとエーリッヒさんが気に病んじゃうよ。
って…蓮?
まだ咲く時間じゃないんじゃないかな。
[カーラの問いに、素で答え。カーラの目が見えないことは忘れていた。]
「漣」…か。
[告げられた名を口の中で確かめる]
オレも同じようなことを考えた。
あの漁師の残りは河にでも投げればよかった、ってな。
喰ってる最中はそんなこと考えなかったが。
[そこにあったのは本能を満たされる悦びだけ]
俺が焦っても、どうしようもないんだよねぇ。
[酷く柔らかに呟いて。
そうしてようやく、二人に視線を向けた。
一人は否定の言葉を。
もう一人は、]
…え?
[驚きに、眼を瞬かせた]
[人が死んで、細工所ではないのだが。
現実逃避か、意識はそちらに刹那、それていたものの]
……え?
そこ……って。
[示されるのは、先ほど紅が満ちていた辺り]
……じい様の……側、に?
いや……それより、なんで、お前。
そんなの、見えるん……だよ?
そんな重労働でもないぞ…いや、そりゃ、この中じゃ年いってるほうだろうけど
[なんて肩を竦めるユリアンには冗談めかして返し]
ぁあ。やれる人間がやるのが一番ってな。
まあそれよか…長い付き合いみたいだし、上手く伝えるか。どちらかくれ。
[とクロエに。カルメンに上手くこの状況を伝えるか否かの選択も含めて
自分がやるならあっさりと告げてしまうだろうし]
あかい、って。
……ビュルスさん、見えるんですか?
[とは言え、彼女の指差した方向を見ても、何も見えない。それどころか、団長の亡骸も、もはやない。
向ける眼差しは、怪訝なものになった]
うん…
なんで、こんなことになっちゃったんだろ…。
…まさか、本当に…じゃない、よね?
[ユリアンの返答には、そんなことないよ?と答え。
ゼルの呟きには頷きを返し、眉をひそめ目を伏せ。
誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。]
ぅ?
じーちゃ、いる、そこ。
おひげ、もじゃもじゃー。
[ギュンターの姿が視えていることが嬉しいのか、表情と声は楽しげなものに。
何故と問われてもカルメン自身分からず、首を傾げるばかり]
わかんない。
でも、じーちゃ、みえるー。
となり、あかい、はす、あるー。
[姿が視える喜びが勝っているのか、視える不思議さは気にならないらしい]
あ、いえ。
[見る先は自然とローザの居る方になる。
左右に首を振って]
へーき、です。
掃除はサボらせて頂いていてますから。
……ローザさんのほうこそ、大丈夫です?
[呟きは届かなかったけれど]
ああ、わかった。そんぐらいならな。それに、俺もエーリッヒさんから色々聞きたいことがあるかもしれないしな
それにしても…エーリッヒさんは色んなとこ回ってるならそうあっさりと気絶するとも思えんのだが…何かあったのかね
[と、ゲルダに答えつつ、疑問を口にする。]
…誰かに聞いたんじゃないんだ。
[カルメンが指差すのを見て軽く目を伏せる]
カルには説明してもどこまで伝わるか、分かりません。
伝えずにすむなら伝えずにおきたくはあるけれど。
隠すのは無駄な気も、します。
[ユリアンやゲルダへのカルメンの回答を、息を詰めて待つ]
/*
テンションUPUP!
[でも聞いてるのがガンダムなのはどうなんだ]
頑張って変な子のイメージを付ける。
いつ死んでも良いように!
ロミちゃん?何を言って───
[───ドクン。
鼓動が大きく脈動した。
それは、ブリジットのものではない]
あ……。
[呆けたように半開きに口を開けて、自身の腹に手を当てる。
だが、すぐに強烈な腹痛に襲われ、ブリジットが顔を歪めて、体を丸める]
はぅ……!!
[正直、まさかとは思った。
日数的にありえる話ではない。だが、段々と狭まる痛みの感覚にブリジットは、確信した]
いや、いるって言われても。
ある、って言われても。
[確かに、先ほどもそんな話はされていたが。
楽しげな言葉に、ただ、募るのは困惑]
……ロートス、お前、なんかみえる?
[思わず、肩の鸚鵡に問いかけるも、返るのはふるる、と首を振る否定。
いや、ここで肯定されても怖いが]
…いなかったら、よかったのに。
でも、いるなら、見つけなきゃですね。
[ダーヴィッドの驚きに、ブリジットの問いに答えるでもなく、ロミルダは呟いた。
それから緩慢に首を動かして、ブリジットを見た]
……ブリスさん?
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