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[戻って来たアーベルに軽く右手を挙げて]
ん?
ああ、構わんが……おめぇタロットなんざやれたか?
[貸してくれと言うアーベルに首を傾げる。使うのは問題ないのだが、目の前の青年が使えたものか、と]
無学は神の呪い、知識は天への翼。
そうすると、歳を経たなら、自然に翼は生えるのかな?
[問いではなく、反語の響きで男は言う]
僕は気が向かなければやらないからね。
愚かであるゆえに、貴方の言う事を信じるのさ。
[たとえ、それがどのような結果になっても]
そうだ、ヒースクリフ。
ヴァイオラも言っていたが、人が喰われるのが見たいなら、後で来ると良い。
その時には、呼ぶさ。
[キャルは嬉しそうににへ、と笑い、ミルクを冷ましつつゆっくりと飲み始めた。
途中で同じように飲んでいるダーヴィッドを見て首を傾げたかも知れない]
だな。
体力はそこそこあったみてぇだが、その分頭が足りなかったか。
今度は別の奴頼んでみるかな。
……来てくれっかは分からんが。
[溜息混じりに言って、キャルの頭に手を伸ばし、撫でた]
親父のがあったから。
一応ね。
[言葉少なくフーゴーに肩を竦めてみせる]
それじゃ。
[酒場に居る面々に手をあげると、宿屋を出ていった]
[首をかしげるダーヴィッドには、あきれた眼差しがむけられる]
やっぱり、自覚ないのねぇ…。
そういうところが、取材対象としては、ありがたかったけどぉ。
[人と違えば違うほど、ものがたりのインスピレーションはつよく与えられる]
[リディのことに関しては、拾った理由が理由だけに、
そもそも他人に配慮するような性格でもない故に、
彼女が自由にすればいいと思っていたのだが]
……幼馴染みであるヴィリーさんは知ってると思いますが、
私は、私のペースを崩されるのが一番苦手なのですよ。
[流石に幼なじみに苦言を向けられれば、
眉を3oほど下げて、溜息を一つ吐いた。]
分かりました。もう少し、気は向けるようにしましょう。
私だけが、というのは、やはり困ったことのように思いますが。
[元が元だけに、どの程度かは他人からは計り知れないだろうが。
学者にしては精一杯の譲歩の言葉が漏れた。
そして、くっと残りの酒を煽った。]
では、まぁ、家に戻ってるかもしれないので、私も戻りますね。
[立ちあがると、カウンターの上にラム酒の代金を置いた。]
必要なら、ギュンターに直談判すりゃ良い。
アイツはその辺の理解がある。
関係のねぇ子供達をいたずらに不安がらせるのは屑のやる事だ。
やらかした団員にも注意してくれるだろうよ。
[ウェンデルの言葉にはきっぱりとした口調で言う。表情もやや厳しめなものになっていただろうか。
タロットを扱える風な物言いのアーベルには]
そうかい。
まぁ使うのは一向に構わねぇよ。
好きにしな。
[雑貨屋へ向かうと言うアーベルに対し、「気ぃつけてな」と言葉を投げ見送った]
おぅ、毎度。
…ちゃんと戻ってると良いんだが。
[不安に思うのは今までのリディの言動からか。世間知らずな様相であると認識しているために突飛なことをしでかしてや居ないかと考えたり。カウンターに置かれたラム酒代を受け取ると手持ち金庫へと入れ、立ち去ろうとするライヒアルトを見送らんと視線をやった]
[フーゴーとアーベルのやり取りはさして気に留めず。
今から雑貨屋に行くというアーベルには、夜だということもあり、気をつけろ。と言って見送った。
そして、譲歩の言葉を吐く幼馴染には内心無理を言ったな、と謝罪の視線を微かな苦笑と共に向けて]
俺も、出来る限りのことは、する。
ライしか出来ないことは、お前がすべきだ。
[そして、帰るという幼馴染には気をつけろ、と手を軽くあげて見送った]
あぁ、おやっさん団長と仲良かったんだっけか?
[視線をフーゴーに戻す。
厳しげな顔にはやや肩を竦めたか]
そうだな、他の奴よりゃ確実か。
明日は直接詰所に行ってみるとするよ。
[そう言う傍ら、ライヒアルトが立ち上がるのを見れば、片手を上げる]
そういう考え方も、あるのねぇ…。
リィちゃんはともかく、ダーヴィッドさんは向こうなら、きちんと名の通ったひとなのだけど。
[ライヒアルトの言葉には、反発ではなく、おもいがけなさゆえに、ふに落ちるのでもあったよう]
それとも、よそものってだけでも…。
[おもいつきに、首をふる。
ここに使用人は呼ばれなかったと、そう考えて]
セザーリオさんは、愉しければ良いのでしょう?
[作家らしい引用に、そんな引用を用いる人が愚かであるものか、
と、何処となく呆れたような声音で囁く。]
――彼はなにも口をきかないというだけで利口者で通っている。
[返しに、そんな彼が引用した作家と同じ作家の言葉を。]
そんなものを信じて大丈夫ですかね。
[その結果どうなっても、愉しめるのだろうか
と、思ったことは囁きには乗せずに。]
[ライが出て行った所で、先程までの話を思い出しダーヴィッドの方を向いて。]
…悪く、思わないでくれ。
気は良い、奴なんだ。
[そう言って頭を下げ、幼馴染の言葉を詫びる。
そして部屋に一人で行けそうか問い、無理なら肩を貸すと申し出。
その後はゲルダがクロエの側に残るなら、自分もこのまま酒場に残りフーゴー達と他愛も無い話を朝まで続けたり、手持ち無沙汰に細工仕事をしたり。
ゲルダが帰るというなら彼女を家まで送るついでに自分も帰宅する*だろう。*]
ん、まぁな。
アイツの方が年上だったから俺が後をついてってるような形だったが。
まぁあれだ、腐れ縁ってやつだ。
ああ、そうしてみな。
俺がここを切り盛り出来るならリッキーを貸し出しても良かったんだが…そうも行かなくなったしな。
ギュンターに直接頼んだ方が早ぇ。
[言葉を紡ぎながらウェンデルに頷いて]
んー…。
ダーヴィッドさんの身元にかんしては、話題の団長さんに教えてあげるべきなのかしらぁ?
[それでなにが変わるようにもおもえないが]
なにもしないよりはマシよねぇ。
[ただでさえ、できることはすくないのだから]
―雑貨屋―
こんばんは、叔母さん。
ちょっといいかな。
[入口だけで済ませず、店の方に入れてもらう]
話ってどこまで聞かされてるの。
…そっか。うん、俺もその中に入れられてた。
今も巡回してる団員に呼び止められたよ。まだ向こうに立ってるんじゃないかな。
クロエはまだフーゴーの親父さんの所。
当然だけどショック大きいみたいで。疲れ果ててたからそのまま向こうで休ませてきたんだ。
ゲルダやヴィリーさんも居たし。うん、今はちゃんと寝てるはず。
俺も戻ったらまた様子見るから。
クロエも叔母さんのことを気にしてたよ。
そう。だから叔母さんも心配…するなってのは無理だろうけど。
戻ってきた時に元気な顔を見せてやって。
あたくしも機を見て、団長さんに会いにいきたいのだけど、場所をおしえてもらっていいかしらぁ?
[知っていそうなウェンデルやフーゴーに尋ねかける。
きづけば、だいぶすくない人影]
そろそろ、あたくしも帰ろうかしらぁ。
[ちいさくつぶやいた]
それで、ついでに悪いんだけど…。
…馬鹿なことはしないよ。
用心のためだから。信じてくれって。
[頼み込んで買い物をすると、一見手ぶらのまま雑貨屋を後にした]
ご苦労なことで。俺は宿に戻る。
[巡回の足を止めていたらしい自衛団員に皮肉っぽく笑い、宿屋へと戻った]
― 酒場→自宅へ ―
[自身に向けられた言葉には、ただ頷くだけを答えとしたのは、
若干疲れていたからかもしれない。
立ち去る前、話題に上っていたタロットをちらりと一度見た。
しかし、それ以上の興味はないようで。
踵を返すと急ぐでもなく家路を辿った。]
嗚呼、ちゃんと帰ってましたか。
[玄関に止めていたメモを回収し、
酒場で零した言葉を律儀に実行した学者は、
真っ直ぐに客室に向かうと、
そこにリディの姿を視界にとらえることになる。]
ギュンターの居場所か?
アイツなら大概詰所に詰めてるだろうよ。
[そう言ってヘルムートに詰所の場所を教える]
でもまぁ、あそこにゃ他の団員も居るからな。
今の俺達にゃ居心地は悪いぞ。
…――困りました、ね。
[無表情で抑揚なく呟く声音は、彼女が起きていたとしても、
学者の感情は伺い知ることができないものであっただろう。
言葉とは裏腹に、動いた手は掛布に伸び、
きちんと少女にかけ直して。]
おやすみなさい。良い夢を…――。
[幼い頃、自らの母が寝る前にかけてくれた言葉を少女に向け、
自身は自分の部屋へと*戻った*]
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