情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
…。
[忌々しげな顔で彼の顔に張り付いた眼鏡を着け直すと、
目を瞑り一息吐いた。
過ぎた事を何時までも、引き摺っていてもしょうがない。
とは言え、己の気の抜け具合に立った腹はそう簡単には収まらない。
ふと目に入ったのは机の上のグリューワイン。
…一口飲んで、落ち着くとしよう。]
あの子は優しい子だ…。
[深い深い呟き]
私がまだ覚醒めきっていない時にも、甘いものを持ってきてくれた。
昨晩、君は私の元へ集っていると言ったね?
それは間違いだ。
私も君も、ナターリエによって覚醒めを促されている。
─自室─
[ぱちり、目を開ける。
動けなくて、苦しくて、息がうまく吸えなくて。
ぼんやりとしたまま、ベッドの上で身じろぐ。
きゅう、と小さく情けない音。]
…おなかすいた。
[だが、「あかきもの」は彼に力を与える物。
彼はお陰で完全に、コエを操れていた。
…ほんの少し、ワインに薄めれば…
自分に言い訳をするようにそう唱えつつ、小瓶を手に取る。
グリューワインに、ほんの一滴だけ加えて。]
[大きな窓にかかる、レースのカーテンからは、
春のやわらかな日差しが差し込んでいて。
黒のひらひらフリルのワンピースを着たまま、ベッドの上で拘束されたまま。
梱包を解く途中で忘れられたお人形のよう。]
[彼は平静を取りもどしたようだ。]
[囁きには目を細め]
…。
彼女が、ですか。
なるほど…私はてっきり、貴方が彼女らを呼び寄せたのかと。
貴方のコエが力強い物ですから。
もっとも強い力を持つ者に、同族は引き寄せられる…
たすけてあげなきゃ おこしてあげなきゃ
いいひと やさしいひと こわがってるひと かなしんでるひと
みんなおこしてあげなくちゃ
ぜんぶ わるい ゆめだもの
おじいちゃんみたいにこわしちゃえば
ちゃんと むこうへ もどれるね
こっちへもどってこれないように
しっかり こわして おこさなきゃ
君は(教会に来ているから)知っているかもしれないが、彼女はみなしごでね。
何処から現れたのかすら分からない。
(私達はみな家族として暮らしていたとも)
既にあの時(21年前)から、この日の事は決まっていたのかもしれないな。
[途中から独り言のように]
[それは彼女にとって"よいこと"。
やらなきゃいけない大切なこと。
ころん、とベッドから転げ落ちて、じゅうたんの上をもそもそと這う。
折り紙を切ったときに使っていた、小さなハサミを見つけ出し、
細い細い糸をぱちん。
ぱちん。
ぱちん。
ぱちん。]
[…それにしても、だ。
此処最近、特に「神の箱庭」に来てから、
素早い動き、闇の動きを必要としなかったからといって、
そうそう身体が鈍るわけは無い。
彼は此処に来て強化された「記憶」に、それに関連する様々な「言葉」に「情報」に、やや心を乱されていたのかもしれない。
彼女、ベアトリーチェ…のみと言わず、誰を見ても何を見ても、強く物を思う。
それは「この場所」に掛けられた「魔法」がそうさせるのか?
それとも「彼自身」に掛けられた「魔法」がそれなのか?
それとも…?
彼にはまだ、分からない。]
ナターリエの眸を見たかい。王たる金色をしていただろう。
私は毒を意味する銀色をしているらしい。
チェスに喩えれば、さながら僧兵(ビショップ)であり砦(ルーク)として王を守る女王(クイーン)の駒だろう。
(クイーンはビショップとルークの能力を合わせ持つ)
君は上空より襲いかかり奇襲をかける事が出来る、騎士(ナイト)だろうか。
人でありながら私達の味方であるという事は、トリッキーな動きが出来るという事だ。
つまり、君は私達が正攻法では入っていけない陣地にも入る事が出来る。
(八方向に、直線二つと横一つの位置に動けるナイトは駒の中でも重要な駒だ…もっともチェスで一番重要なのはただ一つの駒しかない……)
「占い師」は、私達(人狼)を見破る事が出来るらしい。
だが、狂人が誰なのかまでは分からないそうだ。
[クレメンスはわらっている]
…。
[さだめを示す言葉には無言で]
[まさか、との声に反応してふっと笑い声が響く]
私にも知らない事はありますが…
集う者達は、それだけで強い力を持つ事を意味する。呼ばれ合って集うはずですから。
私が貴方の…いや彼女の元に訪れたのも、彼女の、「言葉ではないコエ」に呼ばれていたのかも知れません。
そしてそれは単純に「知っている者の数」として現れる…
貴方が彼女を引き取った時の事で、何か心当たりはありませんか?
例え心当たりが無かったとしても、私はほぼ確信していますがね…
[小さく付け加えた。]
「知っている者の数」…?
昨晩も話したが、私には心あたりは……
[言い淀むように感じられたのは気のせいか]
君は何を知っているのだい?
「知っている者の数」…
彼女は恐らく、この箱庭に連れて来られた人たちの中で、此処に来る前から、一番多くの繋がりを多く持っていた。
[私の事は少しずるい事をしましたので除外して下さい――と苦笑して]
それに…その、
…彼女の…はとても…とても甘くて熱かった…ものですから…
[やや恥ずかしそうに]
[チェスの話にはほうと呟いて]
なるほど、面白い例えですね。
[奇襲…と口の中だけで呟く]
そう…私はもうきっと、貴方がたなしでは…
[コエの向こうで顔を悲しく歪ませる]
金と銀と、そしてあか。
比べるまでも無い。
貴方は昨晩からずっと熱心に、調べ物をなさっていたようですが。
何か私に望む事がありますか?
[「占い師」の名を出すクレメンスに、口の片方を吊り上げて尋ねる]
[兎に角、彼にとって一番分からないのは彼女だった。
昨晩アーベルに「知っているのは名前だけだ」と言ったが、彼の情報網を持ってしても彼女の事は此処、箱庭で得た物以外何一つ無いといってもいいほどしか分からなかった。
アーベルに、彼女の事を頼んだが。今はどうなっているだろうか。
目を覚ましているなら話を聞きたいところだが、私を見て彼女はどうするだろう?
まだ、彼の好奇心の対象である彼女を、殺してしまいたくは無い。
だからといってこちらから行かずに放置しておけば、もし安全だった場合彼女の暴走を見た人にやられてしまうかもしれない。
早い方がいい。
彼はそう判断した。
身体に仕込んだ武具防具を確かめると、グリューワインを一気に煽り、部屋を後にする。]
つまり、ナターリエが知っている人物達がここに呼ばれたという事かい?この──神が作りし箱庭(Eden)に。
[クレメンスは、「ずるい事」には何も言及をしなかったが、続いた言葉には複雑な思いを抱いた。]
ふ…人狼達が戦ってきた歴史だよ。
人狼達が存在する一つの村(集団)には、必ず「占い師」が存在し、場合によって「霊能者」や「守護者」といったイレギュラーが混じる。場合によっては、もっと別の第三者、第四者がね…。
その中では、「占い師」に対抗するために、私達も「占い師」だと名乗り上げる事もあったそうだ。正しく、死をかけたゲームだね。
だが、私は君にそれをお願いしようとは思っていない。
君は、私達より情報に通じていて、賢い。
私達や狂人が偽った占い師の末路は、死に満ちているよ。非常に、高確率でね。
君を失いたくない。
そもそも、私達はアーベルか君かを殺そうと考えていた。”厄介”だ──とね。
[クレメンスは、まだ自分の言葉にどこか慄きを感じている]
君が味方なら──とても心強い。
[アーベル。
母親を亡くし、手を払い除けて裏の世界の飛び込んでいってしまった少年。]
[ぱちん。
ぱちん。
きらきら光る糸を一本一本切り落とす。
ぱんぱんっと払えば、窓から差し込む春の日差しに、糸がきらきら舞い落ちた。
立ち上がり、ドアへと歩こうとして。
ぺてりとこけた。]
…あれぇ?
[まだまだ沢山絡み付いていたみたい。]
[ふと、昨晩のナターリエの言葉を思い出した。
どれだけ愛しても、死は必然。願うは安息。
足を止め、目を瞑り眉を顰める。]
…。
[…今、考える事ではない。
目を開くと昨日まであかき模様のあった場所の近くを通り、ある部屋の前へ――]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新