― 宿直室 ―[廊下側から返る声は聞きなれた幼馴染のもの。微かに何処かで警戒していた心は薄れて]――…蛍、だったのか。[確認するように名を紡いで息を吐く。佑一郎が彼女を此方へとよぶことはない。けれど拒む言葉も発すことはなかった。――知る権利は誰にも等しくあると思っていたから]