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―広間・カウンター近く―
[普段なら聞かない会話まで聞いてしまうのは、表面上は穏やかでも、やはり気が立っているからだったろうか。
ブリジットやゼルギウスが近づいてくると、場所を譲るようにナータの前を空けて端の方へと*寄った*]
人がいなくなったら……。
[誰がどうするのか、耳を欹てていた。
元より聴覚には自信がある。その気になれば足音で誰が動いているかを聞き分けられるくらいにまで。
衝動を知られないよう気を張りながら、皆が部屋に戻るのを*待っている*]
そんな風に思ってくれるのはラーイくらいよ。
もっと優しくなれたら良いのだけれど。
[ライヒアルトに対して優しくあれるのだとしたら
それは女にとって彼が大事な存在であるから。
義兄と共に過ごした時間の方が長いけれど
歳近いこともありこのおとうとに懐くのは早くて]
ラーイはあんまり私を甘やかしてはダメよ。
何時まで経ってもおとうと離れ出来なくて……
それだとラーイも困るでしょう?
[小さく微笑み首を傾ぐ。
なら、と続く言葉には体調を案じる言葉は飲み込んで
彼の言葉を信じ一つ頷いてみせた]
今は未だ使用中でしょうから
お風呂が空いたら一緒に行きましょうね。
[ブリジットに声を掛け笑みを向ける。
同性であるからか彼女と一緒に入ることには何ら抵抗ないようだ。
ふと、意識を向けたその場所で何が起こるかなど今は知る由もなく
浴室へと消えたヴィリーの帰りを大人しく待っている]
今のうちに着替えも持ってきた方が良いかしら。
[ぽつと紡ぎブリジットの意見をきく仕草。
場所を譲るライヒアルトへと向き直ると]
待ってなくても大丈夫だから。
眠くなったらちゃんと休むのよ。
[なんて言葉を掛けるけれど無理強いする心算はなく
彼の意志は尊重するはず――**]
[自衛団員に渡した手紙の中には、ただ一通、宛名の違うものも入っている。ブリジットがあの茶葉を望んでいるという一文はつけたしたから問題ない。
エルゼリートの酒場に向けた、手紙一通。宛名も、文字も、いつもと同じよう。もどらなかったら送ってと、相棒には付箋紙をはっておいた]
これを読んでるなら、僕は死んで、君は生きているんだろう。
読ませないようにするつもりだけど、僕は餌だからどうしようもない。
僕が死んで、君も死んでいたら、これを読む誰かは捨ててほしい。
僕は、蒼花だ。
たぶんもう、知ってるだろうけど。
今は君に言うべきか、悩んでる。
うたがってるからじゃないよ。教えたら、僕が死んだら君は苦しむんじゃないかと思ってね。
事件にあったのは二回目なんだ。うまく立ち回れなかったみたいだけど。
ずっと名前で呼ばなくてごめん。
最初はね、そう呼べば君が僕を嫌うと思ってたよ。
自分から離れるのは、昔も弱かったから無理だったんだ。
自分は要らないんだと思ってたから、君にも離れてもらおうとしたのに、結局今まで続いてる。
ありがとう。本当は、嬉しかったよ。
何を書けばいいのかわからないから、これでおしまいだ。
あの世からの手紙なんて捨てて、可愛くて良い子を見つけて、幸せになりなよ。
それじゃあ、元気でね。
[多分、自分は死ぬだろうから、送った手紙。
忘れてと書きかけたけれど、結局それはなかった。
死者の勝手な言いぐさだから]
生きていたいけどね
[ぽつりとつぶやくのは諦念まじり。
自分が餌となれば他者は助かるのだと、脳裏でなにかがささやく。
人狼を殺せという声も響く。
声を聞きたくなくても、どうしようもなかった。
自分の内側から聞こえるのだから]
/*
とりあえず、あれだ。
お前らwwwwwwwww
なに、楽しい事をwwwwwwwww
と、突っ込みだけ入れて、ちゃちゃっと仕上げてしまおう。
しかし、リアルでもえれー寒いですよ、ええ。
この時期の海からの吹き上げ風は、マジで死ねるんだぜ……。
……木、倒れたりしなきゃいいんだけどな。
[ふと、零れ落ちるのはこんな呟き。
海から吹き付ける風を文字通り全身で受ける花木。
先に見た、堅い芽の事を思い返しながら、小さく息を吐き]
……起きたら、爺様ともう一回、話すか。
『場』の事も、含めて。
[自衛団がどこまでの情報を得ているかはわからない。
だが、共通の認識は持っておいた方がいいのは確かだから。
そして、それ以外にも、話したい事はなくもないから。
そう、思いながら、眠りに落ちて──翌日]
[嵐は一体いつ止んだのか。
いずれにせよ、朝、目覚めた時には風は止んでいて]
……大分、荒れたみたいだなぁ……。
[半ば凍りついた窓越しに見える外の様子にこんな呟きを漏らしつつ。
上着と、コートも羽織ってしっかり防寒対策を固めると、真白の猫を抱えて部屋を出た]
……ってと。
爺様、どこにいるんだ?
[呟きながら、階段を降りて、下へ。
広間には姿は見えず、浴室やリネン室にも姿はなかった]
……厨房に居るとは思えないし……外?
[風がいつ止んだのかはわからないが。
外の様子を見に行った、というのは十分に考えられるから、外に出る。
早朝の空気は、風が荒れた名残りもあってか、切りつけるように、冷たい。
その空気の中、白い息を吐きながら建物の周囲をぐるりと巡り──]
……え?
[宿の裏手。場所的には、リネン室の外辺りか。
そこに、不自然ないろを、見つけた。
積もった雪と、外壁を染める、異質な黒ずみ。
元の色はなんだったのか。
それを物語るのは、立ち込める異臭]
なに、これ……?
[呟いて、見回す。腕に抱えた猫が、不安げに低く鳴く。
翠が捉えたのは、黒ずんだ壁にもたれかかるよにして座り込む、見慣れた姿]
……じい、さま?
なに、してんの、そんなとこで。
[掠れた声で呼びかけても、答えはない。
近づいて、肩に触れる。
伝わるのは、文字通り氷のような冷たさ]
じい……さま……ちょっと。
冗談だとしても。タチ悪いし。出来も悪い。
[繋がらない。
目の前の事が現実と繋がらない。
けれど。
深く抉られた喉元と、胸元。そこを染めるいろは。
目の前のひとが、生きていないと──死んでいる、と。
とても、端的に、物語っていて]
じ、い……さ……。
[呼びかけが途切れる。
腕の力が抜け、緩んだそこから滑り落ちた猫が不安げに鳴く]
う、あ……あ……わあああああああっ!
[視界がぼやけたのは、眩暈か、それとも他の要因か。
それを判別する余裕はなく。
誰か呼ばないと、と意識のどこかで思いながら。
開いた口をついたのは、言葉にならない叫び声だけだった**]
― 夜/浴室 ―
[湯船に浸かっていた男が脱衣所に人の気配を察知した時、思い付いたのは、先刻暴露報告に抗議の雄叫び?をあげた青年のことで]
やれやれ、風呂まで追ってくるかね?
[それでも相手してやるか、と立ち上がり、戸口まで出た、所で、目の前の扉が開いた]
ありゃ?
[予想外の小さな人影に、きょとんと立ち尽くした男は、いわゆるすっぽんぽんの仁王立ち状態で……多分免疫なんか有ろう筈も無い少女が、悲鳴くらいあげたとしても無理はない]
[どっちかっていうと、襲われた?のは俺の方なんですが、とか、どうせならナターリエとかブリジットとか、もうちょっとこう妙齢の女性の方が嬉しかったなあとか、一瞬の間に色々過りつつ]
あー、いや、すまん。
[騒ぎに気付いて誰かが来る前に、と、手近にあったバスタオルを彼女の身体に巻き付けるようにかけるという機転が働いたのは、多分、経験の賜物だった]
とりあえず落ち着けって、な?
[でもまあ、無理じゃないかな、落ち着くのは。なにせ男の方は、すっぽんぽんのままだし]
― 朝/二階の部屋 ―
[ベッドの上で、ぽり、と頭を掻いて、男は隻眼をゆるりと細める]
ああ、始まったかあ…
[どこか暢気な呟きを、聞いた者はいないだろう**]
/*
クレメンスが背中に朱花か。
僕はどうしよう。
PC視点COしないつもりなのに
やっぱりしたくてしかたがなくなっているので見つけられやすい場所かな。
かな。
かといって見つかりすぎても困るしなぁ。
胸とかはね! さすがにね!
うなじかな。髪で隠れるし。うんそうしよう。でも背面っておおきいのかなねえどうなのクレメンスさん><
―昨夜:広間―
大丈夫ならいいけど。
[ライヒアルトにはそう返した。
が、心配はもちろんナターリエもクレメンスもするだろうと、予想して、あまり言うことはない。
ブリジットの言葉には笑って、首を横に振る。
話している内容なんてわからないから、のんびりと自分は自分で厨房に戻り、お茶を淹れ、飲むこととした。
飲み終われば、自分は湯は明日の朝で良いかと、先に部屋で休むことにして――そして翌朝。]
―朝:二階個室―
[目を覚ますと、いつものように着替え、それからそっと鏡を覗いた。
髪が隠す首の後ろ、つきりと痛む感覚に、眉を顰める。
それが何を意味するのか――わかっている。
人の肌に浮かぶのはおかしな色の花は、確かにそこにあった。
髪の色とちょうど良い長さで隠れてはいるものの。項から左の肩まで走る蒼は、消えるような気配もない。
小さく乾いた笑みが落ちて、それから、いつもの服装にあわせてストールを羽織る。
白ではあるけれど、隠れれば良い。
悲鳴が届くのは、用意を済ませた後で]
―昨夜・カウンター内―
あぁ、そうだラーイ。
何かお腹に入れといたほうがいい。
林檎なら入るか?
[アロマスティックの火を消すと、ラーイに尋ねて。
きっと返答がどちらでも了承を返す。
騒動が浴室から起こればそちらの仲裁に入った。
そして、ラーイやナータ、ブリジット達が寝たり、
お風呂にするならそれを見送ってその後に部屋に入り、
眠りについた。]
[ちょうど、窓の方から聞こえた声。窓を開けて下を覗く。
開けると入り込む臭いに、口元を押さえて。
エーリッヒの姿、彼が見る方向。
座り込んでいるような人影]
……っ
[ぎゅっと口元を押さえて、もう片方の手で窓をしめる。
思ったよりも大きな音がしたけれど、気にすることはできなかった。
部屋の中に戻って数呼吸。少し落ち着かせて、ストールを合わせるピンを取る。留めておけば、見える危険はまた減るだろう。手が震えてなかなかできなかったけれど、それを終えれば、階下へと向かう]
―朝 客室→広間―
[目を覚ましてから、広間に行って暖炉に火を入れておく。
その間にエーリッヒが通ったが、
誰かを…おそらく祖父でもある団長を探しているのだろうと思い声をかけずにいた。
悲鳴が外から聞こえれば、足早に聞こえる方向に向かって惨状を見る。]
………っ、エーリ、中に入るぞ。
[完全に『場』も、『人』も、『時』も揃ってしまったことを悟り、
落ち着かせるようにエーリッヒの背を撫でて、
勝手口から宿屋の中へと戻るように促した。
戻るようなら、一度付き添うように広間まで行くかもしれないが。]
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