─宿屋─[>>211ライヒアルトの声に、何度も頷いて。袖で涙を拭うと、有り難く手に取りその香を嗅いだ。温かく染み入るような茶をありがたく飲み終えた頃、ふと。]……ああ、荷物。忘れてしまっていたわ…。[家を出る際に持ってきた小さな鞄は、あの現場に置いてきたままだった事を思い出し。取りに行ってくると、一人宿を出る為席を立つ。誰かに呼びとめられても、大丈夫だからとやんわり断り一人宿を出た。]