― 森・上空 ―
[白き蝶と離れて後、選んだ道は森へと続く空。
黒と白とが導く其れの上をゆるり辿って]
……見知らぬいろが、ふたつ、か。
害意も感じないし、大丈夫そうかな。
[一点でぽつり零しながらもその中枢へと近付いていく]
[紡ぐ『いろ』は気配の意。
強い力ではない為にある程度近付く必要があるが、それでも感じ取れないわけではなかった]
[其れが]
……、ユーリ?
[森の最中、川辺から僅かに感じ始めた『いろ』が。
何処か不安定に感じて]
……何か、あったのかな。
[ひゅる、と風が捲く。常には無い速度で『いろ』の許へと向かう]