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苦しい...
[ぽつり、コエが漏れる、力と一緒に]
[こんな風に、制御しきれないのは、心が揺れているせい...そう、解っているけれど]
このままじゃ、ダメだ...
[いっそ村人全員を眠らせる事が出来ればいいけれど、それには力が足りない...もしも無理して暴走してしまったら]
早く、見つけて...
[『また』逃げ出さなくては]
[『周りに迷惑をかけないように』というのは、父からの手紙にいつも書かれている定型句だ。それは遠回しに、父から『迷惑』な存在だと言われているようで...そんな風に拗ねてしまう自分が嫌だから、最近は手紙の中身は読まずに棄てている]
[ソーヤには、そんな話も、ちらりと漏らしてしまったことがあったかもしれない]
─ 森 ─
[咳を堪える様子>>50に、ジト目の度合いは深くなり。
微妙に目を逸らしての言葉に、がじがじ、と苛立たし気に頭を掻いた]
……だーかーらー!
その、迷惑かけられない、って考え方が無理に繋がるんだってーの!
少なくとも、俺は迷惑かけられてるとは思ってねーし。
ヒューゴ兄だって、多分そーだろうし。
そんな風に考えなくていいから、もっと自分で自分を大事に思えってば。
[少しだけ、怒ったような口調で言い放つ。
以前、ハーブティを届けに行った時に見た、開封されていない手紙。
何気なく、読まないの、と問いかけ、それに返された言葉を聞いてから迷惑云々、という話はきっぱり否定するようにしていた]
……とりあえず、ポーラ姉に聞くのは確定として。
その前に、お前、ちゃんと休め。その方が大事だ。
でも、ヒューゴ先生は、なんか怖いんだよ。
[無愛想なせいもあるかもしれないが、どちらかというと言われることが正論すぎて怖い...らしい]
今、テレーズの診察に来てくれるように呼びに行ってて。
[それもあって抜け出して来たのだと白状しつつ、休めと言う言葉には、結局頷かざるをえなかった]
解ったよ。一度帰るね。薬飲めば落ち着くと思うし。
あ、そうだ、この間貰ったハーブティー、美味しかったよ。眠れない時に飲むと落ち着く。
[最後にそう付け加えて、結局家へと引き返す。ソーヤが送るというなら、「信用ないな」とぼやきながら、断りはしないだろう*]
そか、よかった。
前とはまた、配合変えてみたんだけど、上手くあってたかな。
また作って、持ってくから。
[ハーブティは完全独学だから、たまに外れもできたりする。
それだけに、美味しかった、と言われると素直に嬉しかった]
んじゃ、俺も帰るとこだし、送ってくよ。
[さらりと告げた言葉に返るのは、「信用ないな」というぼやき。
それに、「日ごろの行いのせいだろ」、と軽く返して歩き出す。
口調は揶揄を含んでいるが、実際には途中で体調が悪化するのを案じての事。
無事に家まで送り届けたなら、またな、と軽く手を振って別れ]
……さーてと。
[一人と一羽になると、は、と一つ息を吐く]
伝承の『祈り子』かぁ……。
んー……。
[思い返すのは、さっき森で聞いた話]
できればもうちょっと、細かく知りたいよなー……。
あー、そか、ポーラ姉に聞くか、でなきゃクレイ兄んとこ行きゃわかるかな。
[家では聞けないから、他を当たらなければならない。
とはいえ、聞けそうな宛は限られているから。
さて、二択のどっちに行くか、と考えながら、歩き出した。*]
― 自宅 ―
[部屋に戻って、考えていた
誰かに話した方がいいのかどうか
聞こえてきた声の力になりたくて、だけど、それを言ってしまったら、声が誰かを聞かれてしまう]
どうしたらいいの、かな……
[大人だったら、何かもっといい考えが浮かぶのかもしれないけれど、いまだ幼い少女には難しく
抱えるのは重くて、誰かに聞いて欲しい気がして、だけど出来なくて
ぐるぐる回る思いを抱えたまま、深く考えに沈み込んで]
{何かがおかしい、と気がついたのはそれからしばらく経った頃
妙に静かな気がして部屋を出て、皆がいるはずの場所に向かって……]
……え?
ママ……?……パパ?
ねえ、どうしたの?何でこんな所で寝ているの?ねえ、ママってば!
[母親と、いつの間にか帰宅していた父親と、そうして、いつも優しくしてくれるお手伝いさんと
みんな、揃って居間にいて、だけど、それは普通の状態ではなく……床に伏して眠っている、姿
揺すって、起こそうとして、病気の時は下手に動かしちゃいけないと言われていた事を思い出す]
どうしよう……どうしたらいいの、かな……あ!
[思い出したのは、この村の診療所の]
ヒューゴお兄ちゃんなら、何かわかる、かな?
[こういう不思議な話に詳しそうなのは、ポラリスかクレイグか。あちこち旅をしているアルカも何か知っているかもしれない。
だけど、今頼れそうなのはヒューゴで。みんなが「先生」と呼ぶようになっても、「お兄ちゃん」と呼ぶ癖はいまだに抜けない
ヒューゴの事は少し苦手だった、けれど、以前風邪を引いたときに診てもらってすぐによくなって、だからいい人、と言う認識はあって。きっと何かわかるはず、と、そう思ったから]
みんな、待っててね。
[そう言って、診療所へ向かって走り出す。途中、誰かと出会うだろうか?
もし出会うことがあれば、何が起きたかは正直に話すだろう*]
クレムお兄ちゃん
リィの家族が眠ったまま起きないの……お兄ちゃんじゃないのは、わかってるんだけど……
封が解けたせい、なのかな……?
もし、他の人たちも眠っちゃうようになったら……解放される前に見つかっちゃったら……
[どうしたらいいんだろう、と悩む気配は声と共に伝わるだろうか]
眠っちゃった?
[聞こえたコエに、戸惑うように返すコエは揺れる]
...うん、僕じゃない、けど...でも、僕のせいではあるかも。
[制御しきれない力の余波が、無作為に働いている可能性は高かった]
ごめんね、僕達が解放されたら、きっとみんな目覚めるはずだから。
[解放される前に見つかったら...再び封じられて、それでもきっと村人は目覚めるだろう...けれど]
見つからない様に、気をつけるから、ね。
心配しないで。
[宛のない約束だけを、言葉に変えた。これはきっと誤摩化しだ**]
― 宿屋/自室 ―
[ぱら、と、ページをめくる。
欲した知識は村の伝承には関わらないもの。
けれどアルビーネの好奇心はほどよく満たされた。
残りのページはあと三分の一にも満たない。
集中しすぎていたせいで喉とおなかが別の欲を満たすよう訴えていた]
……はふ。
ちょっと休憩しよう。
[呟いて、本にしおりを挟み、閉じる。
ベッドの端にそれを置いて立ち上がると
部屋を出て階下へと向かった]
― 宿屋/厨房 ―
[店で出す為の料理が用意されているのか
いつもと同じように食欲を刺激する匂いが漂う。
こく、と咽喉が小さく鳴るのは空腹だから]
ね、今日は何を――…
[つくったの、と問おうとしたけれど
アルビーネの目線に映るはずの人影はない]
……あれ。
[出掛けるなら一言声をかける人だから
其処に姿が見えないことに違和感を感じる]
[鍋からは小さな音が鳴りまだ火に掛けられたままと知れた]
……急いでたのかな。
それにしても……、……。
[このままでは鍋が焦げるのは目に見えている。
少なくとも火から遠ざけるくらいはするはずで]
…………。
[変だと思いながら其方に歩みゆけば
アルビーネの足に何かが触れる]
え……?
[間の抜けた声が漏れて、視線が下がる。
足元に散らばるのは割れた皿]
[白い破片の向こうには倒れた宿屋の主人の姿。
アルビーネの顔からすっと血の気が引いた]
――…っ、おじさん、如何したの!?
[焦りの滲む声があがる。
慌てて駆け寄りアルビーネは膝を床につき彼を抱き起した。
チク、と刺すような痛みが膝にあるが
それよりも今は彼の安否に意識が向き]
しっかりしてよ、ねぇ。
[呼び掛けても意識は戻らない。
不安に眉尻がへなりと下がる。
ぬくもりがあるのと呼吸が整っていることが微かな救いか]
[よくよく見ればそろそろ火も消える頃合い。
鍋はそのままにしていても問題はないと判断し
目覚めぬ人を先に運んでしまおうと、肩に担ぐ形をとる]
…………っ。
[意識のない自分よりも体格のよい人の重みがずしりと肩にのる。
よろけそうになりながらも一階にある彼の部屋まで運び込み
なんとかベッドに寝かせた。
目覚めぬ人を覗き込む。
規則正しい呼吸音と鼓動を確かめて]
変な病気だったりするのかな。
ああ、診てもらわなきゃ、かな。
[持病があるとかそんな話は聞いたことがなく
いつも元気だった人が倒れるという事態に動転する]
[他に意識をなくした人がいるとは知らぬまま]
…………。
[思い悩むように眉根を寄せて]
すぐ戻るから、待ってて。
[ぽつ、とベッドに寝かせたその人に声を掛け
離れようと一歩踏み出せば小さな痛みが膝から響く。
目を向ければ膝から一筋血が伝うのが見える]
あ。
[軽く血を拭い手巾を巻きつけて応急処置とし
寝かせた人に怪我がないことを確かめてから
森近くの診療所へと駆け出した**]
─ 診療所 ─
[ポラリスの様子が気にかかるも、まずは茶を淹れて彼女の前に置く。
男の勧め通り、呼吸を整え茶を飲んでから改めて彼女が話し始める>>38のを待ち]
『蝕』なら俺も見た。
爺さん達も、泉のことを気にしていたが…
その口振りからすると、その睡蓮が『封』の…いわゆる鍵のようなもの、だったんだな。
手折った者が『封』を破ったものと考えるのが自然だろうが…待て。
そもそも、『封』とは何に対してだ?あの泉自体に何かあるのか。
[村に伝わる話を覚えていれば泉に眠る者、身を投げた者の存在も解っただろう。
だが男は、昔話や逸話の類はその中に含まれた教訓や戒めを学ぶ為の作り話だと思っていたから内容まで覚えてはこなかった。
先よりは詳しくなったが、まだ足りない情報を確かめようと問いかけた所で彼女の家系については聞けただろう。
それから言葉が途切れた理由>>39を聞くと、軽く目を瞠った]
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