─ 宿泊施設・広間 ─[話の輪に入らず部屋の片隅に留まったのは、今になって手が震えてきたことに気付いたため。白猫を見ての安堵が、感覚の麻痺を切れさせてしまったのだ。震えを抑えるように手を握り、ゆっくりと呼吸を繰り返す。ある程度落ち着けば、周りの会話も耳に届くようになって、『見出す者』の所在について話をしていることに気付く。それについて口を挟まなかったのは、ユリアンの問いかけ>>2:154が聞こえたからだった。挟むタイミングを失ったと言っても良い]