―翌朝/宿泊施設・ユリアンの部屋―[部屋に近付くにつれ、血の臭いがする。昨日のリディの姿を思い出し、女の顔は蒼褪めた。昨晩には触れなかった扉を潜れば、毛布が捲れた状態のユリアンの遺体が其処にはあっただろうか。喉と首筋には引き裂かれた痕。そして服の肩の部分には大きな損傷がある。彼が生きていない事は素人目にも明らかだ。]…ぅ、あ、あぁ、ぁぁぁ[ふらふらと歩み寄り、ベッドの傍で座り込む。服に血が付くのも構わないで。彼に向かって両手を伸ばす。]