18 【機鋼の宴】─精霊演戯・第三演─
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研究生 エーリッヒ
< 黒猫のあったかさと、なきごえ。
白の猫は、黒猫が不安におもっちゃだめよって、思って、身をふたたびおこしてすりよります。
ぽかぽか。ぬくぬく。あったか。
こうしていると、不安もぜんぶ、どこかいってしまいそうなんですもの。 >
小説家 ブリジット
[立ち上がり、叫ぶだけ叫んで。
フッと目の前の状況も入ってくる。
そう、見えてはいたのだ、その消失の瞬間もまた]
や…だ…。
[思い出すのは、あの時の事。
やはり隣で一人消え、遠くにいた対が…]
や…。
[もう悲鳴にすらならない。
まだ上に少し残っていた皿も取り落とし、膝を突いた]
青年 アーベル
[膝を突いて、半身を起こした形]
[かかる重みからは免れた筈だが]
[雷撃の精と][精神の竜と]
[両者からかかる声]
ん、……大丈夫。
[ふるり、][頭を振って答えた。]
教師 オトフリート
[ハインリヒの問いに、従魔はふる、と震えつつそちらを見やるが。
すぐさま、怯えたように顔を伏せ]
……セレスは……機竜の従魔。
機竜王とも、深い関わりを持つ存在。
機鋼竜が、何か事を起こせば、察知する事も叶わなくはない……。
[震える従魔に代わり、静かに言葉を綴る。
説明の言葉を選んだのは、多少の警戒を込めての事だろうか]
読書家 ミリィ
[イレーネがどちらの手を差し出していたにしろ、左手でその腕を掴んで、引き起こされる。]
いつつ……。あっ、アーベル大丈夫？
いきなりバランス崩したりして、ビックリしたよ。
研究生 エーリッヒ
おち、ついて？
< 四つの、いつもより重くて。
それでも、猫は、彼女……影輝の精霊にちかよりました。
ついた膝のそばに、そっと身をよせて。
にゃあ。 >
小説家 ブリジット
あ…。
[白の猫が膝の傍へとやってくる。
震える手を伸ばし、そっと触れる。
変化を司る流水の波動。
そこを基点の一つとして、揺れてしまう感情を抑えようと]
ランプ屋 イレーネ
……。本当に？
[アーベルの言葉に、僅かに眉を寄せる。
でもさっき、歩くの少しゆっくりだったし（それでも追いつけないけど）
ご飯食べたがってた気がするし。…でも上げたら、オレが困る。すこしだけ、困った。
と、差し出した手に、ミリィの左手が触れて。]
――…、
[その手を、握ったまま。無言。
一度、蒼を瞬いた。]
職人見習い ユリアン
[そういえば、この間は触れた途端に倒れたのだったと思い出して、少し警戒したが、今回は大丈夫そうだと安堵]
ん？足りてないって？
[聞きながら、取られた手を引く]
酒場のママ ヘルガ
ちょっとね。
……いや……まぁ、隠してもいずればれるから言う。
───月が落ちた。
[曖昧で、けれど酷く端的な一言。
けれどそれ以上の言葉以外での表しようがなく。
そしてやはり微笑だけ浮かべ]
…いこうか。
たぶん落ちたのは、月だけじゃないとおもう。
教師 オトフリート
[ブリジットの様子に、微か、異眸は陰りを帯びる。
彼女が何を思っているのかは、容易に察する事ができて。
……できたからこそ、苛立ちは強く、募り。
それでも、自身の精神の乱れを思えば、声をかけるのは躊躇われたから。
白猫が近づく様子には、ほっと安堵の息を漏らして]
研究生 エーリッヒ
< 猫にはあまりよくわかりませんけれど。
そうやっているだけで、不安がやわらぐんだよって、名前をつけてくれた人が言っていました。
だから、本当はちょっと、まだ、全身が重くても、触れてくるブリジットの腕を舐めました。ざらりとしたけれど、あたたかい舌。人よりも高い体温。
おちついて、と思って。
そう思ったことが、ちょっと魔法を、使ってしまいそうで、猫には怖かったですけれど、手じゃないから、だいじょうぶだったようでした。 >
学生 リディ
[広間の雰囲気が酷く緊迫していたので、空気を壊さぬようにそーっと広間に入り、オトフリートやブリジット、猫などを交互にみた。恐る恐る発言した]
ええと……どうしたの、かな？
酒場のママ ヘルガ
[黒猫鳴いた。にゃんと鳴いた。
でこぱちいなくて、だから鳴いた。
白猫がちび影のそばにいっちゃったから、だから黒猫もついていった。
三対の一対欠けて怯える一対、本当の一対にはなれないけれど。
けれど陽だまりの力があるから、もしかしたら猫はちび影の力になれるのかしら？]
探偵 ハインリヒ
[ブリジットの叫び。エルザが連れて行かれた。レベル2。分からぬ単語と僅かに信じがたい事実。彼女が言うことは本当なのだろうか？ 判別するには未だ情報が足りないか]
[問いかけた従魔は怯えるようにし。代わりに答えたオフリートに視線をやって]
ああ…そうか。
じゃあ、そいつが反応したってことは、この現象は機鋼竜の仕業であると言う事なのか。
[オトフリートの言葉に少し納得したように言葉を漏らす。受信専用アンテナか？とは自分の中での勝手な解釈]
読書家 ミリィ
[大丈夫という端的な答えに、そうと少し心配そうに頷くと]
何か私にできることあったら言ってくれれば考えるよ。
[そこで、イレーネが自分の手を握りっぱなしであることに気づく。]
ん？ どうかしました？
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