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…何やってるんですか、ねえ?
[呆れたようにユリアンの様子を眺め]
[階段を軽々と降り、彼の一つ上まで]
落ちなくて良かったですよ
……ま、ここにこもってても、仕方ねえよな。
少し外で、身体動かすか……。
[小さな声で呟くと、そのまま窓枠を乗り越え、外へ。
一歩遅れて、黒がそれを追った]
─…→集会場・外─
[サクリサクリと小さな足跡が残る。
村の明かりはどこまでも遠く]
待っている人がいたのに。
[ユラリとランプの灯が揺れる]
誰もこんなこと。
望んでないのに。
[上空には重たい雲。
今の状況には嫌味なほどに合っている]
あなたのせいです。
[間違いではない。
伸びてきた手の位置は引っ張り上げようとするにはおかしくて、後ろにのけぞった。右腕を使わずほぼ左腕一本で支えているから、些か、どころではなく辛い。右足を、確かめながら下の段につけて体勢を立て直し、身を起こす]
[全く、と息を吐いて、向きを変え、再びゆっくりと階段を下り始める]
何をそんなに嫌がるんですかねぇ
[くすくすと笑った]
…見えてないんですか、ユリアン君?
[上に人がいるか]
[確認はしていないが、声は普通に届くほどか]
酷いですねえ、むさいとか。
俺そこまでむさいですかねえ
[少しショックを受けたような声をして]
…ごまかしちゃいけませんよ、ユリアン君。
間違えてしまいますよ?
[何をとは言わず]
[階段で立ち止まる]
--一階・廊下--
[ユリアン達よりは先に下りたのか、気づかないまま。]
[階下へ降りれば、温かな匂いがしたのでそちらの方へ。]
[一人テーブルで食事をしていたハインリヒの姿を見かけたので、そちらの方へと近づく。]
ハインリヒさん。こんばんは。
……昨日は、ありがとうございました。
[そうしてぺこりと頭を下げた。]
……ん。
[暖炉の火のおかげで、やはり、広間は暖かかった。
ほう、と息を吐く。外にいるときよりはマシだが、手は冷えていた。
人工とは言え、灯りがある分、階段よりは見えやすい。窓辺ならもう少し見えるだろうかと近づこうとして]
間違えるって、なにを。
[背後から聞こえた言葉。疑問を含んだ声を返す]
[白の上に着地する。
危なげない動きには、隙らしきものは全くなく。
日々の暮らしで鍛えられ、運動神経は元々発達しているが。
それが、更に鋭さを増しているようにも見えるか]
……ふうっ……。
あーあ……何にもなく、駆け回るなら。
ここら、いい場所なんだがな。
[零れ落ちる呟きは、愚痴めいて。
奇妙に日常的なそれは、やはり異質だろうか。
ふう、と一つ息を吐き、ゆっくりと周囲を見回すと、そう、遠くない所に灯りが見えた。
よくよく見たなら、雪の上にはそちらへと伸びる、足跡も]
……誰か……いる?
[小さく呟いて。そちらへと、歩みを進める。
先行するように、カラスが飛び立った]
[止めていた足を再び動かし、広間の方へ]
[ユリアンを追う、というわけでもなく]
さて。
何を、でしょうね。
取り返しの付かないことか、
それとも、他の何かでしょうかね。
[小さく笑って]
[くんと匂いをかいだ]
いいにおいです。
[ユリアン達に気付く前に、ブリジットに声をかけられて、男は振り向いた]
ああ、いや。俺は何もしてねえよ。
[正確には、何も出来なかったのだが]
嬢ちゃん、腹減ってないか?食欲はないかもだが、ちっとでも食えたら食っといたほうがいいぜ。
[後のことは勝手にやってしまうわけにもいかないだろう。
裏口の近くにスコップを立てかけて、もたれ。
熱くなった体をしばし、冷気にあてて冷ますが]
む?
[上から何か落ちてくるような音が聞こえ咄嗟にいつでも木箱から武器を取り出せるように手をつける]
[静寂の中、羽音が響く。
ゆるりと振り返れば小さな鳴声]
…かあくん、だっけ?
[たしかノーラがそう呼んでいた]
どうしたの、こんなところに。
[小さく微笑む。
掲げたランプの向こう、近付いてくる人影にはまだ気付かずに]
[窓際のソファに腰を下ろす。
やはり、雲に阻まれてひかりは遠い。
また、見え方が変わった気がする。視界に残る赤は、炎だろうか、消し切れなかった血痕だろうか。それとも、焼きついて離れない、朱い花の色か]
……よく、わからないですけれど。
目と関係ないことのように、聞こえますよ。
[それは「理解している」答えだった。
けれど、「理解していない」振りをした]
[別の話し声が聞こえて、視線を動かす。
男と少女。その色を認めて、目を伏せた]
[届いた声は、ブリジットとハインリヒのものか]
[であるならばこの香りは、かれらが作ったのだろう]
そうですね。
関係ないといいことです
[小さく笑う]
気をつけて、ユリアン君。
…さて。
ところで、食事は摂りましたか?
いえ、探しに来てもらいましたし…。
[視線は下を向くも。][首は緩く横を振る。]
ええと…。
[食事の事を問われれば、少し間が空いた。][食欲は確かに無い。]
[ほぼ丸一日経ったのに、自然と湧いてこないそれは、やはり昨日の惨劇の為か。]
[それでも、行為を無駄にしたくなかったのと。][食べなければ、たしかに身はもたない事を頭が理解していた為。]
それじゃ、頂きます。少しだけ…。
[言って、気配の感じた方を振り返る。][ソファにユリアンの姿を見止めて、こんばんはと小さく声をかけた。]
[彼の視力云々は、まだ気づいていない。]
[かあくん、という呼びかけに、カラスはクァ? と鳴いて首を傾げ。
違うよ、といわんばかりにカァ、と鳴く]
……というか、かあくん、とか一体なに……。
[一方の相棒も声を聞きつけて。
呆れた口調でこんな呟きを漏らす]
……何してんの、こんなとこで、一人で?
[光の環と薄闇の境界で歩みを止めて。
静かな口調で、問いかける]
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