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頼りなくはないと思うが……
…ああ、あの様子からすると多少そうも見えはするか。
[先程までのミリィとの様子を思い出してかくすくす笑って。
言葉の後にヴィントだけに開いていた意識の窓を開放する]
…残念ながら、あたしの妖精は…伝える方法については見当も付かない、って。
[グリューワインを口に含み…]
それに…一番恐いのは、その、悪い子…が…
自分が悪い子と思ってない場合、なのよね…
あたしも、悪い子としか聞いてないから、何をしたのかとか知らないし…
説得しようにも、「これ以上、攫われて欲しくないから、王様の所に行って」、じゃ…ね。
みんな首を横に振ると思うわ。
[マグカップに視線を落とす]
…悪い子も、あたし達には悪い事をしていない。
言ってしまえば、人間の我が侭で、保ってきた調和を乱すようなことになる…
…それでも、良いのかな。って…
『頼りないよねー?』
[騎士の言葉に、ネズミ、楽しげにこう返し]
……何がだよ?
[耳に届いた相棒の言葉に、思わず不審気な声がもれ]
[歩み寄る気配に気付き顔を上げて。
鼠と戯れる前まで見ていた様子を思い出してか笑顔]
おかえり?
相棒を放りっ放しは感心しないな。
[肩の鼠を手に移し、彼の肩に乗せようと]
[ヴィントの言葉には敢えて答えはせずに。
くすくすと笑い声が漏れるのはどうしようもないが]
いや、何も?
[不審気な彼に向かってしれっと]
[向けられる笑顔に、何やら感じつつ]
ああ、どーも……。
って言うか、こいつが勝手に走ってったんだけど、ねー。
[つい言い訳がましく呟きつつ。相棒を受け取って肩に乗せ]
[それは、昨日の予感を裏打ちする言葉だった。少女は一気に増した緊張に、身を強ばらせる。きっと、彼女は知っているのだ]
「ユリアン…!」
[思わず呼んでしまってから、慌てて、声を押さえ込む]
追い抜く時に拾えなくもなかっただろうに。
まぁ、そんな余裕はなさそうだったが。
[ある意味最初から見ていた男はくすくすと笑い。
その笑みも微笑ましげではあったが]
笑いながら何も、って言われても、ちょっとアレなんだけどねー……。
[双方の態度に、やや、むぅ、としつつこんな事を言い]
んで、なんか盛り上がってたっぽいけど、なんかあったの?
[それから、ふと感じた疑問を投げかけて]
[――人知れず、姿を消した後。
彼女は独り、村のはずれを彷徨っていた。
さく。さくさく。
真っ白な処女雪を、ゆっくりと踏みしめながら、歩く。]
……はぅ…。
[吐き出す息は、白く…揺らめいて。冷たい風にほどけて消える。]
ん……?
[不意の呼びかけは、その勢いもあってかしっかりと届き]
ミリィ……?
なんだよ、なんかあったのか!?
[声につい、焦りが混じったのは多分、無意識]
イレーネ……
妖精の我侭で今まで…何年も人攫いも何もおきてなかったのがおきている
ように、俺は思うんだが…それをどうにかしたいのは可笑しいか?
[青年は苛立ったように、右手で左目にかかる髪をかき上げる。]
その、妖精とやらは直接悪いことをしてないかもしれない
けど、間接的に悪影響は出ている…無関係の人が攫われているのだから
自覚がないなら、ただ被害は拡大するばかりだし…
結局被害が拡大していけば、いつかは捕まる…
[青年はいつのまにか声が大きくなってたようで、ここで1つ嘆息]
少なくても、知り合いが…エーリッヒが捲きこまれた以上
俺は、そいつ?そいつら?と、
直接この件に関して話しはすべきだと思う。
そこでそいつの事情を聞いて、
それから庇うのか、そいつを説得すべきなのか
…を、考えるべきじゃないのか?
ああそうか。
これは失礼したな。
[懲りずにくすくすと笑って居たが。
それは彼と近かったからか、彼女が慌てていたからなのか。
男の意識にもミリィの声が響く]
……?
[緊張した声に思わず、押し黙る]
[意図せず疑問に答えなかったのは幸いだったのか]
う……。
[妙にわかってる、という様子で言われて、ふい、と目を逸らす。
……その、逸らした先にノーラの姿が見えて。
ますます凹みは加速したのだが]
[ユリアンの声が聞こえる。少し焦って聞こえるのは気のせいだろうか?答えなければ心配させるとは思ったが、答えることは出来なかった。今、彼と心を繋いでしまったら、きっと全てが溢れ出てしまう]
「私に、出来る事を…」
「お祭りの時に逃げてこなくたっていいのに。」
[――無垢な少女の言葉が、静かに胸に突き刺さって。
耐え切れなくて、その場を、そっと逃げ出した事に、気付かれなかっただろうか。]
[目の前の青年が何処かを見た瞬間、纏う重さが激増した気がし。
何気無く視線を追えば先程まで自分が居たところにノーラの姿。
…妙な既視感が襲ったのは何故なのだろう]
こんにちは、今日は、お休みですか?
[少し緊張した面持ちで、少女は扉を開け、返事を待たずに、言葉を繋ぐ]
あの、昨日ベアトリーチェが、ランプを買いたいって言っていたんですけれど、買って帰れなかったと思うんです。だから私、代わりに買っていってあげようかと思って。
…あ。
[気付かれた]
え、ええと…、……ごめんなさい。見るつもりは無かったのだけど…
[その実見るつもり満々だったのだが]
[言い訳しつつも、やはり何処か微笑ましげな表情]
[呼びかけに返事はなくて。
それが、苛立ちめいたものをかさませる]
……っとに……。
[苛立ちをこめた呟きは、どこに向いているのだろうか]
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