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[リディがエーリッヒが埋まっている辺り…割り箸墓標に近づく]
……放っておけばいい………!?
[冬晴れの空に金の光球が…そしていつ現われたのか銀の光球が…]
[2つの光球はリディを追い越しエーリッヒにむかったが
途中で銀の方は消え…金の光球が雪中へ。]
[雪の隙間から零れる金の光り。]
[雪が溶けるように消失すると、金の光りはエーリッヒを包み込んでいて。
……そのまま…包み込んだまま上空へと…………]
[ユリアンの方に気を取られていた少女は、それに気付くのが僅かに遅れた。上空から現れた金色の光、そして銀色の…]
エーリッヒさん?!
[姿を消した青年の名を呼ぶ]
[自ら埋まって行くエーリッヒに言葉も無かったのだが]
[流石にそろそろ不味いんじゃないか。皆が近寄るのを見て一歩踏み出しかけ]
…?
[違和感]
[焦げ茶色の目を眇めた先にあったのは――金色の宝珠。
それは緩やかな軌跡を描き――雪に埋もれるエーリッヒへと舞い降りる。]
[ほぼ同時に、どこからともなく飛来した銀の珠が、同じくエーリッヒを包み込もうとして、]
………ぁっ…!
[重なり、溶ける銀のひかり。]
[溶かした金のひかりは、そのまま丸くエーリッヒを包み込んで、]
[空へと、消えた]
[騒ぎの中心。
そこからは、やや離れていたせいか、他に気を取られていたせいか、気づくのは遅くて]
……え?
[揺らめくような金の光に、はっと、そちらを見やった時には、既に遅く。
さっきエーリッヒが埋まった、その辺り。
そこを金色の光が照らしていた。
その光はそのまま空へと翔けて、消え……]
……何なんだよ、一体。
[ぽつり、こぼれる、呆れたような、呟き]
…………な…なんだ…?
[慌てて割り箸墓標の方へ駆け寄る。
…エーリッヒがいた場所には窪み。]
……リディ……何が起こったかわかるか?
[自分より墓標に近い位置にいたリディに訪ねてみる]
[響く声に空を見上げ…金の光が空に浮かんでいた。
そして、銀の光も現れていた。
その光は割り箸の墓標を通り過ぎ…
…銀の光は消え、金の光は雪の中に入る]
…
[そして、金色の光は空へと上がっていき…消えた]
…王様の、檻…
[空を見て、ポツリと…呟いた]
[ノーラが視界の中で頷いて。
ああそうなのか、と思わず溜息を零した…その、時に。
金が、目に入った。
そして何時の間にか、銀も。
ふたつの光が目指す場所は同じで。銀は、金に溶ける。
エーリッヒを包んだ金の光は、そのまま天上へ]
……何、が…
[宵闇に飲まれるように消えた金を探すように天を仰いだままで。
呆然と、呟いた]
[リディに遅れて歩み出そうとして、
空気の変化――とでも言うのだろうか、違和感に、止まる]
[生まれる、二つのひかり]
[翠玉の双眸が驚きに見開かれ。
何が起こったのか解らないうちに、それは、雪を包んで――]
[金の光が現れ]
[銀の光が現れ]
[包み込む様に]
[銀は溶けて消え]
[金はそのまま上空へ]
[其処にいた筈の青年の姿は跡形も無く]
…。
…エーリ…?
[何が起きたのか見ていたけれど]
[何が起きたのか理解できなかった]
[自分の力に引き摺られたとか、笑えない。
ふとそんな事を考えてしまった自分がもの凄く虚しい、と思いつつ。
力の具象体である銀色の翅をふわり、と光の粒子に拡散させる]
……ったく……。
『フェーン、落ち込んでも仕方ないから』
[相棒がてち、と頬を叩いてこんな事を言うが……正直、心に痛いかも知れなかった]
[自分を追い越すように、2つの光珠が通り抜けていく。
一瞬訳が判らずに足が止まるも、一寸後―――僅かに目を見開いて。
その後を慌てて追うように踏み出そうとするも、
それよりも早くエーリッヒの身体は光に包まれたまま、空へと]
………うそ。
[ぽつりと落ちた呟きは、雪へと吸い込まれる。
呆然と立ち尽くしたまま、アーベルの言葉には気付かずに]
[膝を付いたまま、呆然と空を見上げる。
”王”の力を…風を振るった彼が、何故、”王”に連れて行かれたのか…。
――確かに、気まぐれなお方だとは聞いているけれど。
ぐるぐると、思考は空回って。ぺたん、と座り込む。]
[だが。確かにあれは妖精王のミスにしか見えないが]
…此方の動きを一手潰されたな。
[境界に負荷を与えられたかと考えれば、溶けた銀では恐らく無理。
幾ら何でもそれを考えてのこととは思えないが…まさか]
[呆然として言葉が帰ってこないエディをみ
どうやらエディにもよくわからない事体のようで。]
………なぁ…誰か…何が起こったかわかる奴いないか?
[と、振りかえり誰かわかりそうな人を探す]
手を潰された、か……確かに。
[そこまで考えてたんなら、見直してもいいんだけど、とはさすがに言わず。
それでも、青銀の瞳には、やや、陰りの色彩が]
さて……これから、どうしたもんかな……?
[視線を降ろすと、くしゃり、と髪の毛をかき…]
…エーリッヒ…
団長さんが消えたのも、このせい?
[ポツリと呟く。
アーベルの声にちら、と視線を向けるも…
少し間をおき、首を横に振る]
[アーベルの問いに、一つ、息を吐いて]
……わかるようなら、自衛団長が消えた時点で説明してるっつーの。
[ぐしゃ、と前髪をかき上げつつ、空を見上げて。
小さく、ぽつり]
[さく]
[無言の儘に雪を踏んで、リディの傍を通り過ぎ。
エーリッヒの“居た”辺りへと、歩む。
其処に残されているのは、割り箸で作られた墓標と、人が入る程の穴だけ。
しゃがみ込んで、散った雪に触れる。手袋越しに、その感触が伝わって]
……………
[穴を、掘って、広げる。捜すように。
それに何の意味もないと、頭では理解しているのに]
[ダーヴィット、イレーネ、ミリィ、ユリアンが首を横に振るのを見る]
…………そうだよ…な
[あまりに不思議な事体で、
聞いてはみたものの、答えが帰るとは思えなくて]
[近づくノーラを見詰めつつ]
[先程まで青年がいた場所(微妙に人形が残っている)をじっと見つめる]
[アーベルの問いは耳に入っておらず。入っていたとしても、状況など分かる訳もない]
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