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[しばらくして、気が付く。
どうも、おかしい。様子が変だ]
[コエはしっかりと聞こえるのに、
どうやらこっちのコエは向こうに届いてないらしい]
機鋼の魔 アーベルが「時間を進める」を選択しました。
まさか――…そなたまで…!?
["複製"の世界になったが故か、コエを伝えぬ腕輪。
ぷつりと切れた糸のよに。
寂しく想うを慰めてくれたは、風の仔のコエであったのに]
[呼んでも届かぬもどかしさに、身を翻す]
『ナタ・リェさん。もしかして僕のコエ、聴こえてない?
聴こえていたら、そう返事して』
[何度も呼びかけてみるものの、
あちらからも同じ内容のコエしか届かず]
[チョコをもぐつきつつ、新しい紅茶をクレメンスに頼んだりしながら、ふと視線を巡らす]
…ナタ・リェ?
[先程の不安げな様子とはまた違うような雰囲気に、不思議そうに声をかけた]
風来坊 ハインリヒが「時間を進める」を選択しました。
[しばらく不機嫌そうに紅茶を飲んでいたりしたのだが、わずかに変わった気配に窓の外を見やる。
時空王はともかくとして、身に多少なりとも存在する翠樹の流れが若い風の気配が消えるに気付き]
……。
[少しだけ眉を寄せたが、そのまま紅茶を一口]
殲滅の陽光 ヘルガが「時間を進める」を選択しました。
[『複製』と『現実』を結ぶ道。
それをじぃ、と見つめてどれだけ時間が過ぎたのか]
……あれ?
[微かな違和感を感じて、首、こてし]
誰か……『落ちて』きた??
ん? 時空王が?
自分から帰りそうには無かったのに、どうしたんかね。
[クレメンスの呟きを聞き、これまた不思議そうに首を傾げた]
[不思議そうに名を呼ぶハイン殿にも、それ以上の声はなく。
無言のままに駆け寄るは開かれたままの窓。
風の仔と出会った時のよに、窓から上体を乗り出すと同時]
探して参ります…!
[白金の長い尾が窓枠を掠め、するりと外へ]
さあ、判りませんが、いつもの調子でまたひょっこり戻ってこられるかも知れませんよ?
まあ、それまでは若干平和になりそうですねえ。
[ハインリヒの言葉には、身も蓋もない返事を返す]
……なんつぅか……どこまで、対照的なんだか。
[ぽつり、と呟いて。
取りあえず、館に戻ろうか、と思った矢先]
……ん?
[『複製』された世界の中の力の流れ、それがまた、変わっているような心地がして。
微かに眉を寄せつつ、周囲を見回す]
あ、おいナタ・リェ!!
[窓から外へと飛び出す様子に流石に慌てた雰囲気で声を上げた。思わずソファーからも腰が上がる]
探すって…消えたってのか?
[窓に駆け寄り外を見る。ここからでは誰がどこにいるかなぞさっぱり分からない。クレメンスの返答を聞けば]
戻ってこねぇでこの空間の安定維持しててくれた方が有難ぇんだが。
平和って……お前さんも言うねぇ。
[クレメンスの物言いにくつくつと笑った]
[何度呼びかけても、やはり同じ結果で]
[ふと空を見上げて、絶句した。――空に浮かぶもう一つの世界]
もしかして、ここは――
[森の中、誰かが来るまでぽかんと口を開けたまま
*上空の館を見つめている*]
…あ。
[境目の大きな揺らぎに瞬いて。]
時の君…だっけ?
あの方、向こうへ渡った…っぽい。
…自力でいったのかな、そんな感じだったし…。
少なくとも、あの方がココの中枢とか?そういうのとかじゃないみたい…
ん……今ひとつ、掴みきれんな。
若竜なら、読み解けるかも知れんが……。
[とにかく館に戻るか、と思うのと、霧の中、天聖の気が駆けるのを察知したのは、どちらが先か]
[相手の答えが如何様でも気に留める風はなく]
……大事なものがあるなら、
紛い物にまで心を割くな。
[溜め息混じりに吐き出した台詞]
[偽りの世界に伸びる樹木を指すか]
[獣の仔同様、首根っこを掴み館に戻ろうかと]
[もしくは、時空王が居たのでは好き勝手できないと思った人が押し出したりとかしたのかもしれないけれど、
流石にそこまではよく判らないのですよ、えぇ。]
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