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厭です。
と、言いたいんですけれどね。
[そのような言葉は、叶わないと悟っている]
俺には正義感も何も無い。
ただ、“人狼”という存在を、己の眼で見たい。
それだけでしたから。
[その姿が解ける瞬間の、相手の台詞。笑みを深めた]
……挑発の心算ですか?
それはまた、相手が悪かったと言っておきましょう。
……すまない。
でも、大分、落ち着いたから。
[不問の言葉に、返すのは苦笑めいた表情と言葉]
その報せは、俺も聞かせたくはないし、取りあえず信を置けるもののその報せも聞きたくはない、かな。
……俺に、できる事は限られている。
全てを護る事は、叶わないからね。
[ぽつり、と。
零れたその部分は、ぎりぎり聞こえるかどうか、という程度の呟き]
しかし、アーベルの行きそうな所、か……。
あいつ、神出鬼没を地で行くからなぁ……。
[獣の動きは止まらない。
肩を、脚を、胸を狙って爪が振るわれる]
[だがいつもなら真っ先に狙う首を狙わないのは何故か]
[熱に浮かされ本能に染まっていた暗紅色が、一瞬物問いたげな光を宿して、青年を見た]
/*
←不謹慎ながら、ちょっといいなー、と思いました。
にしても、みんな獣バトル好きですな。
[人の事は絶対言えません]
[迫る灰色。耳許に、手を触れた。
外す手間ももどかしい。強引に引き千切り、手の内に握る。
己の力の一部を、操る為に。
一回り小さな影が間に割り入り、爪を弾く。
その姿は、目の前の獣によく似ていた。
その色はより赤に近く、より昏かったが。
全てを弾く事は叶わず、青年の身体に幾つか、赤い筋が走った]
[訪問が空振りに終わって疲労感が出たのかため息をつきながら、宿へと戻る道を歩いていると。]
あー?ティルじゃねえか?
あいつ、何やってんだ?あんなところで。
[妙に不安そうな仕草をしているのがやや気にはなったが、軽く手を挙げてみる]
Homo homini lupus.
御存知ですか。
人にとって、何より恐ろしいのは、人だ。
貴方は力を欲していた。
けれど、こんな力――持たない方が、良かった。
形は違えど、貴方も、そう思っているんじゃないですか。
[ロストを通じ、僅かながら対する人物の言葉も聞こえる]
人狼を見たかっただけ、か。
そう言えば奴は常日頃から、己が目で見たものしか信じぬと言っていたか?
今目の当たりにし、何を思うのだろうな。
[赤に向けた意識は、相対する二人の動向を探る]
[二人で宿へと向かうと、入り口で何やら話しこんでいる二人組みをみかけて近づいて行く。]
ユーディットさん、エーリッヒさん…
中に入らないでどうかしたんですか?
[何やら不安げというか、良い気配を纏っていない二人に、微か何かあったのかと心配そうに首を傾げ尋ねた。]
無理は、なさらないでくださいね。
[落ち着いた、と言うエーリッヒの顔を見上げてそう返す。]
ええ、……出来れば誰の報せも聞きたくはないんですけど。
[そして、零された一滴の呟きが耳に入る。]
けれど、やれることはやらないと。
出来る事がある限りは。
……エーリッヒ様にも判りませんか。
広場にはいないようですけど、本当にどこに行ったんだか……。
……二人に、会いに行ったんでしょうか?
[ふと思いついて言ってみる。]
[暗紅色が揺れる。中に走る翠の光]
(どうして――)
[本能に流される意識の中、僅かに浮かぶ思考]
(それを――)
[それでも動きは止まらぬまま。
全体重をかけて上から圧し掛かる]
…。
[僕はエウリノの傍らで、強張ったような様子で静観する。
胸中に沸き起こる漠然とした不安は募る。
思わずロストの傍に駆けつけたかったが、それは今は出来なかった。]
医師 オトフリートが「時間を進める」を選択しました。
[イレーネと共に宿屋へと到着する。
宿屋の外には少し前に宿屋で痴話喧嘩していた男女。
今回は全く違う雰囲気を醸し出していたのだが]
………。
[イレーネが声をかけるのを見て、自分は何も言わずに二人へ会釈]
[普段より足が重く感じながらも歩いていれば、自分の名前を呼ぶ声がする]
ハインリヒのおっちゃん!
[軽く手を上げている姿に、なんとなく安堵を覚え、そちらに駆け寄った]
おっちゃん、アーベル兄ちゃん見なかった?さっきまで一緒にいたのに、いつの間にか居なくなってて…
[かけられた声に、顔をそちらへ向ける。]
イレーネさん。と、ユリアンさん。
[軽く会釈をした。]
いえ、入りたくても開いていないんです。
どうも、どこかに出かけてるらしくて。
[ちらと宿屋を見上げた。]
……ああ。無理はしない。
[静かに言いつつ、頷いて。
続けられた言葉に、ただ、苦笑]
ん、できるだけの事はする。
……背負う覚悟を、決めて、ね。
[静かな言葉、それと共に苦笑は解け]
ここにはいない……。
二人に……というよりは、むしろ。
自分の考えを、固めに行った可能性も、あるかも知れん。
[昨日交わした言葉を思い返しつつ、呟く。
イレーネの声が聞こえたのは、その直後か]
相手を映す鏡を作り出す──。
つまり。
相手の本質を暴き、その心中を読み取る。
そう言うことか。
[アーベルの言葉に動揺するようなロストの気配。
赤の世界を通じて聞いたアーベルの言葉を反芻し、分析。
納得したように言葉を紡ぐ]
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