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[重い声で告げられたのは、まず、ミリィの死。
ここ数日姿を見ていなかった彼女が、自分の知らぬ内に、
理由も不明なまま死んでいた、という事実に驚いた。
精一杯前向きな姿勢を見せていた、少女の笑顔を思い出す。
恋する少女。その相手は結局誰だか判らぬままだったけれど。
遣り切れなくなって、俯いた。
しかし団員の報告はまだ終わらない。
次に告げられたのは、エルザとノーラの無残な遺体について。
人狼の仕業に間違いない、という団員の台詞に、顔を強張らせた。
先に動いたのは、エーリッヒ。
自衛団員たちの横をすり抜けて走り出す。]
/*
お楽しみました!
[遅刻しかけの馬鹿者が通ります]
pt食ってもいいでしょ。
今回そんなに飴も飛び交ってないし。
/*
エウリノは大丈夫ですかと(苦笑
ありがとうございます。ではユーディットのが落ち着いたのを見計らって思いっきりやってくることにします。
ああ、エウリノの過去にも微妙に触れてはおりますが、問題ありましたら教えてください。脳内補完入れてどこかで修正しますから。
アーベルと私は今夜は飴食いまくりになりますかね…(苦笑
あ、待ってください、私も……。
[追いかけようとした刹那、団員たちに抑えられる。]
不在証明? そんなのありませんよ。
ええ、私もエーリッヒ様も一日家に居ました、
けどずっと一緒に居たわけじゃありません。
でも……仮に私がエーリッヒ様の不在証明ができたとしたって、
貴方たちは信じないんでしょう?
[無駄なこと聞いてないでそこをどいてください、と、
団員たちを押しのけようとする。
珍しく言葉を荒げた主人の心中の動揺は察せられたし、
何よりアーベルのことが心配だった。
けれど、エーリッヒに逃げられた腹いせだろうか、団員たちはユーディットを離そうとしなかった。]
っ……、そうやって、容疑者を困らせて、楽しいんですか。
何も護れてないくせに、自衛団員が聞いて呆れます!
[苛苛とした表情を、しかし、ふっと緩める。
皮肉っぽく笑った。]
……いえ、合ってるんでしょうか?
あくまで衛るのは自分だけ、ですから。
[言った瞬間、目の前に火花が散った。]
/*
過去はあんまり詳しく決めてにゃー。
異端として追い出されたことがある、ってくらいにしてた。
[無事到着したので大丈夫]
[さすがに言い過ぎた、と反省したのは、落ち着いてからのこと。
殴られて赤くなった頬に氷を当てながら、ダイニングの椅子に腰掛け物思いに耽る。
結局、家に押し込められ、玄関には見張りがついてしまった。]
もうちょっとだけ、大人しいフリ続ければ良かったのに。
馬鹿だな、私。
[自嘲するように笑う。
その笑みはすぐに引っ込められた。]
二人とも、大丈夫、かな……。
[しんとした暗闇の中、*時計の針の音だけが響いていた。*]
-娼館-
[カーテンもせず、窓を開けっぱなしで眠っていて。
風に頬を撫でられ目が覚めた。]
…んー…ぁふ。…ユリアン…?
[心地よかったので、最初は彼が撫でてくれていたのかと思ったが。隣には誰もおらず。
目を擦りながらつくのは微かな溜息。
そんなぼんやりした穏やかな時間は、荒々しい声で破られる。
対応するのは娼館の女将。その様子を窓の影からそっと盗み見る。
鼻息荒く、人狼に殺されたと、告げられた名は宿の姉妹。―末弟だけを残して。
その事実に表情は強張った。
ややあって、叩かれる扉。女将が自分を呼びに来たので、大人しく従い自警団員の前へと進み出た。]
[尋ねられるのは自分の昨日のアリバイ。
丁度というか何というか、ミリィの所に居た為に、そんなもの証明できるはずもない。
団員の凄みに酷く怯えた風に、ぽつりぽつりと語るのは昨夜の出来事。]
はい、ミリィの様子が気になって…丁度家に行ったら、お医者先生…オトフリートさんと会って。
ミリィは…亡くなってて。
二人で暫くそこに居てミリィの死を悼んでました。
ああでも、途中でオトフリートさんとは、一旦診療所に帰って自警団員の人を呼びに行くって、少しの間別々でしたけど。
時間は、ええとたしか。
[団員に告げた時間は、本当にオトフリートと別れた時間より、いくらか遅いものだった。
始めから信じてもらう気など毛頭無いし、向こうも信じないだろう。
だが、下手に疑いを増やす必要も無い。
そんな内心は表には欠片も零さない。]
ロスト様、あの時別れた時間を、少し遅らせておきました。
どうか団員に時を告げる時には、お忘れの無いように…。
[ささやかなアリバイ工作を主に報告する。]
[青く控えめに怯えたままの事情徴収はすぐに済んだ。
儚そうな少女が自警団員に何かしら強い反応を見せる事は無く、団員の意気込みは止まらなかったが、それがどこかにぶつけられる事はなかった。
これ以上ここに居ても得る物は無いと踏んだのか、アリバイが無い以上、おまえも狼である可能性はあるんだからなと、指差し念押されてから、自警団員が立ち去ろうとした時、ふいにはっとしたように顔をあげた。]
…ああ、ノーラさんを視ておいた事にします、ね。
その方が都合よさそうだから。
[表向きは、狼の真偽を見分ける事の出来る唯一の人物のはずで。
これ以上視た人を増やして、主らの隠れ場所を減らす必要は無いように思えた。]
あの、ノーラさん、人狼に殺されたのは確かなんですよね…?
[そう問いかける声には、そうだと短く、忌々しげに返される。
人狼に殺されたという事は、つまりは彼女らが人狼であるはずは無く。]
………どうしよう。
視たの、ノーラさんだったのに…。
[俯き呟く言葉は、自警団員の耳にはどう*届いたか。*]
ええ、それで良いでしょう。
エウリノには隠れ蓑となる羊も必要ですから。
[あくまでも冷静に。そう聞こえる声と内容]
私は表に出ます。
混沌の種子の花咲かせるため、可能な手を打ちましょう。
―昨夜/ミリィの家―
ありがとうございます。
[イレーネの透明な笑みに返すのは静かな微笑。
一人残されると眠るミリィの傍らへ寄る。
だが触れることはしない。触れることが出来よう筈も無かった。
翳した手の爪に残るのは僅かな緋。今しがた腕を染めてきた色。
その色に味に酔ったのは、違うことなき事実]
どうしてこう、中途半端なのでしょうね。
同じ狂うなら貴女と共に逝ければよかったのに。
[小さく呟いたそれは本音。
だが身の内に流れる血が何故かそれを許さない]
いえ、全ては私の主様の為に。
[狂気を孕んだワライはどこか危うく、主への心配は募るばかりだったが。]
はい。
…どうぞ、お気をつけて。
[表に出ると、そう静かに告げる主を心から案じ、拝した。]
全ては私が招いてしまったこと。
[失ったはずの記憶。
否、失った振りをしてきた記憶が紐解かれる]
“彼”を追ってきた私が、恐らく最初の引き金を引いた――。
[始まりは三年前。
人狼と出会って生き延びたという傭兵の話を聞いたことだった]
人の姿を保ったまま、驚異の力を持てる。
伝承の通りなら、その体力もまた然り。
…助けられる人が増えるじゃありませんか。
[冗談ではないと言われた。
人の血肉を求める化け物になりたいのかと]
そりゃ、嫌ですよ。
けれど死にゆく人をただ見ることしかできないのは辛いです。
彼らを調べたら、その仕組みも分かるかもしれない。
[力及ばず失った母と妹。同じように死んでゆく者に手が届かない事に対する悔しさ。
若くして医師となった彼は、まだ禁忌に触れることの罪深さと恐ろしさを理解していなかった]
[会ってみたい。その思いは一度沸き起こってしまえば止め難く。
それがどれだけ無謀なことかも知らず、彼は暮らしていた街を離れた。
伝承に興味を持っているという触れ込みで各地の話を聞いて歩き。
この村から少し離れた場所で、旅人の死体に行き会ったのが一年前]
獣に襲われている、というにはまた随分と。
今度こそ当たりでしょうか。
[手当たり次第に情報を探った。
人狼は長くその場に留まらないモノも多いという。
だから周囲の村も含めた人々の流れを、隠すこともせずに探って]
ええ、見つけたかもしれません。
確かめに行ってみようと思いますよ。
[隣村の酒場で、何度か出会ったことのある旅人と話した。
今思えば、同じように探すものがいるなど普通ではない。
そう。結社の人間か、領主の放つ間諜か。そうした者達でなければ]
[あの人物は太守に繋がる者だったのかもしれない。
戻らない私に疑問を抱き、危険の可能性を報告した。
この事態はそうして引き起こされたものではないだろうか]
[そして、不用意に近付き過ぎ、殺されかけたあの時]
『死ニタクナケレバ受ケ入レロ』
[絶命する直前に聞こえてきたコエ]
『薄キ血ヲ得タ濃キ血デ補エ』
[自分も遠くその血を引いていたのだとは分からなかった。
だが死にたくなかった。
だから悪魔の囁きかもしれないとは思いつつも、手を伸ばした]
( ――応 )
[承諾の意思を持った瞬間、襲い掛かってきた衝撃に意識は吹き飛ばされた]
[次に目覚めた時、最初に見えたのは少女の顔]
「目を覚ましたよ!」
[明るく元気な声。ああ死ななかったのかと思った。
それから一月の優しく穏やかな生活。
一時的な記憶喪失は後ろめたさから目を背けた結果の産物でもあった。
だがそれも徐々に許されなくなってくる]
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