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[エウリノの、村に来る以前の事は知らない。
だが何となくその響きはリアルに聞こえた。
異端は排除される―そう、父も同じ事を言っていた。
だから隠れろと、誰にも明かすなと。
父は母にすら、己の血の宿命を告げなかった。
口伝は血をもってのみ伝えられ――
ふと母の事を思い出しかけたが、思考はエウリノの声で遮られる。]
あんな…お屋敷の事?
…うん、痛いのはちょっと、嫌だなぁ…。
[嫌だなぁで済んでいる為に、いつも自分にお鉢が回ってきていた事を彼女は知らない。姉らが嫌がった分が自分に回ってきて、そも根底が従順な娼婦が気に入られたという経緯があった。]
うん…私達は何も、してないのに…。
ん。んー…くすぐったい…。
[首筋に触れる唇と吐息、時折感じる暖かな舌を、小さく笑いながら受け入れる。
自身もエウリノの肩に唇をよせて、ぺろりと舐めた。]
ああ。
……いっそあの爺も喰っちまうか。
骨と皮だけで美味くはないだろうが。
[嫌だと漏らすゲイトの言葉に、本気の言葉が紡がれる。
紡いだ瞬間、鳶色の瞳が僅か紅く輝いた。
肩を舐められると、ぞくりとした感覚が全身を駆け巡り。
それが収まると同時に小さく息を吐いた]
…っ、は。
んー、ダメだ、我慢の限界。
[呟いてゲイトを抱え上げる。
ベッドへと運ぶと、押し倒すような形で覆い被さり、唇を重ねる]
…少し間空いたし、良いだろ?
[訊ねはするが、止めるつもりは*無い*]
/*
時間も時間なんで襲い逃げする(おま
中の人がへたれなんで、このまま暗転推奨(ぁ
そいではまた明日にでも*ノシ*
うん、でも今は…あの人達を。
[赤い瞳に見惚れる。
身を案じてくれるエウリノの言葉は嬉しかったが、それより先に殺してしまわないといけない人達がいる。
生き残り、逃げ延びる為に必要な優先事項。
それを思えば微かに震えたが、エウリノに触れられれば今はすぐ止んだ。
触れる唇はどちらも熱い。溜息に似た息が漏れた後に、訪れる浮遊感にうわぁと慌てて身を預けた。
寝台に少々乱暴に体を押さえ込まれたが、嫌だと思わないのは相手がエウリノだからで。
重ねた唇の間から交わる密の味は、エウリノが人じゃない事を知る前と変わらない。]
ん…ふ。あ、ええと、3日くらいだっけ…?
うん、ちょっと空いてる、けどっ、ぁ、ん、
[訊ねられながらも手は止まらず。唇から零れる声は甘い。
少し考えるのはシたくないから、というわけではなく。]
……あんまり音出したら駄目だよ…?
[そんなわりと切実なお願いをしたが、あまり効果は*なさそうだった。*]
/*
5時とかーどうりでうとうとしかけて。
まぁ休みだから無茶したわけですが。
期待通りさらっと軽めに暗転したよ!(ぇ?
はいはい、また昼にでも。*がんばろーねー*
[自衛団に連絡が行き渡ったのは、それより暫く後の事。
相手方にはノーラとエルザの死が、此方にはミリィの死が、情報交換のような形で知らされた。尤も、その事実自体は、ブリジットにより既に齎されていたが。
それ故に、あぁ、と納得の表情を浮かべるアーベルに、団員は訝りの眼差しを向けた。
けれど、全体的に見れば、態度は軟化しているように感じる。その理由は、未だ知らずにいた。
現場の確認と、第一発見者に対しての事情聴取が行われる。
家族を亡くしたばかりにも関わらず、常と変わらないような彼の態度は、相手方には如何映ったか]
[時間の感覚は薄かったが、解放された頃、宿の外には、妻を迎えに来た夫の姿が在った。団員から、起きた事実は聞かされているのだろう。室内から零れる灯りに照らされた横顔は、いやに白かった]
こんばんは、フランツ義兄さん。
[昔とは異なる、他人行儀な口調。その表情は暗がりに紛れて読み取り難い。嘲りを含んだ微かな笑みを浮かべていたか、それとも]
――…ノーラ姉は、死にました。
[敢えて口にした言葉は、
冷酷な現実を思い知らせるよう]
貴方は姉を愛すると言い、
神の前でその誓いを捧げた。
……容疑者と聞いて、如何思いましたか。
信じきれなかった、疑う心があった?
もし、彼女が人狼ならば――と、考えた?
いえ、人間であれば、
それは仕方の無い事だと思います。
変わらずにいるなど、出来はしない。
けれど、それなら。
誓いなど、立てなければ良かったのに。
[フランツが何を言ったか、何言おうとしたか。
一呼吸置いて、遮るようにして、続ける]
フランツ兄。
俺はお前が、大嫌いだった。
[内容とは裏腹に、気配は穏やかだった。
幼い頃から知っていた彼とは、傍目には本当の兄弟のようで、相手もそう思っていただろう。
夜の挨拶を告げて、中に入り戸を閉める。
*浮かべた笑みは、柔らかかった*]
/*
おはようございます。
…ここはお約束ですか。
「昨夜はお楽しみでしたね」
さて、色々辻褄あわせで設定を纏め上げましたが。落とすと物凄い大連投になりそうなのですよね。
Ptも馬鹿食いしそうですし、それでも完全COを兼ねて落としておくべきなのでしょうか。やるとしたら表で、ですが。
[ユーディットの声に刹那混じった寂寥の響きには気づけど、その意は図り知れず。
どちらも本物なら、という言葉には、そうだな、と頷く。
そんなに都合良くは行かないだろう、という思いは出さずに。
その後は作曲に没頭し。
今、連ねた音を旋律に形作る。
……食事の事は危うく忘れかけ、それでもぎりぎりで思い出し。
完食はできなかったが、半分程度は手をつけておいた]
……よし、と。
もう少しだな……だいぶ遅くなっちまってるし、そろそろ仕上げないと……。
[小さく呟きつつ、譜面を整え鍵盤の蓋を閉める。
集中していた時間の長さを物語るよに、空の色は、暗い]
さて、それじゃ……。
[そろそろ人の集まる頃合いだろう、と思い、話を聞きに宿へ向かうべく身支度を整えた直後。
玄関の方から扉を叩く音が聞こえてきた]
……今度はなんだよ。
[呟きつつ、部屋を出る。
銀の短剣は布に包まれ、ごく自然に懐へ。
玄関には既に、ユーディットが応対に出ていたか。
いずれにせよ、今度の来客――自衛団の顔は、余り見たいとは思わなかったのだが]
何か、ありましたか?
[気だるげな口調で、問う。
返してなされる説明――それを聞いた瞬間。
言葉が、失せた]
……ノーラ……が?
[空白の後、口をついたのは、この一言。
伝えられたのは、三人の死。
けれど、特に重たく思えたのは一人の名で]
……なん……でっ!?
[とっさ、走り出そうとする。それを引き止めた自衛団員に向けたのは、鋭い緑]
うるせぇなっ……。
今日は一日家にいて、仕事してたよ!
[どこで、何をしていたかを問う自衛団員に叩きつけるように返答し、走り出す。
滅多に感情を荒げぬ音楽家のその様子は、見る者に何を思わせたか。
そんな事などはお構い無し、と宿へと駆ける。
行ったところで、何もできはしないのは、承知の上だったけれど]
[宿の前まで来て、ふと足を止める。
目に入るのは、立ち尽くす影]
……フランツ……か?
[それがもう一人の幼馴染と気がつくのと、向こうがこちらに気づくのは、ほぼ同時か。
夜闇に紛れたその表情は見てとれず。
それ故にその心情は伺い知れず――言葉を制する事は、叶わなかった]
……なんで……どうして、傍にいてやらなかったんだよ!
俺は……お前なら、って……!
[無意識、叩きつけた言葉は幼馴染に何を思わせたか。
意を捉えたのであれば、驚きはあったかも知れないが。
ともあれ、彼が名を呼ぶ声に多少の冷静さが戻り。ため息が零れた]
……すまん。
アーベルは、中、かな。
とりあえず、今は、そっとしとくか……慰められて、素直に喜ぶヤツでもなし……。
[独り言めいた言葉に、幼馴染は何か答えたか。
確かめもせずに踵を返してその場を離れる。
それでも、真っ直ぐに帰る気にはなれず――向かったのは、村外れの丘の上。
そこに立つ木に寄りかかり、そのまま、ずるりと座り込む]
ああ。
……結局、間に合わない上に……無駄になっちまったな。
[小さく呟く声は、*風に紛れて、消える*]
[日中はそのまま何事もなく過ぎた。
その夜もたらされた凶報とは裏腹に。]
[夜分遅くに、扉を叩く音。
どんどんどんどん、と、乱暴なその音は、
ユーディットが玄関に出て扉を開けるまで続いた。]
はいはいはい、どちら様でしょうか。
[焦りの垣間見えるノック音に、嫌なものを感じながら扉の鍵を外す。と同時に、自衛団員が大きく扉を開いた。]
わ、びっくりした。
何ですかこんな時間に……。
[むっとしながら応対する。
しかし相手の顔に、怒りと畏れと、それ以外の――ある種の陰鬱さを認めて、その表情を若干変えた。
エーリッヒが出てきて相手をするのを、端に寄って大人しく聞く。]
/*
おはようございます(ぺこり
お楽しまれてきましt
いんじゃないですかね<pt馬鹿食い
飴たっぷりあるし、みんなのを食べ切るつもりで。ごうごう。
[重い声で告げられたのは、まず、ミリィの死。
ここ数日姿を見ていなかった彼女が、自分の知らぬ内に、
理由も不明なまま死んでいた、という事実に驚いた。
精一杯前向きな姿勢を見せていた、少女の笑顔を思い出す。
恋する少女。その相手は結局誰だか判らぬままだったけれど。
遣り切れなくなって、俯いた。
しかし団員の報告はまだ終わらない。
次に告げられたのは、エルザとノーラの無残な遺体について。
人狼の仕業に間違いない、という団員の台詞に、顔を強張らせた。
先に動いたのは、エーリッヒ。
自衛団員たちの横をすり抜けて走り出す。]
/*
お楽しみました!
[遅刻しかけの馬鹿者が通ります]
pt食ってもいいでしょ。
今回そんなに飴も飛び交ってないし。
/*
エウリノは大丈夫ですかと(苦笑
ありがとうございます。ではユーディットのが落ち着いたのを見計らって思いっきりやってくることにします。
ああ、エウリノの過去にも微妙に触れてはおりますが、問題ありましたら教えてください。脳内補完入れてどこかで修正しますから。
アーベルと私は今夜は飴食いまくりになりますかね…(苦笑
あ、待ってください、私も……。
[追いかけようとした刹那、団員たちに抑えられる。]
不在証明? そんなのありませんよ。
ええ、私もエーリッヒ様も一日家に居ました、
けどずっと一緒に居たわけじゃありません。
でも……仮に私がエーリッヒ様の不在証明ができたとしたって、
貴方たちは信じないんでしょう?
[無駄なこと聞いてないでそこをどいてください、と、
団員たちを押しのけようとする。
珍しく言葉を荒げた主人の心中の動揺は察せられたし、
何よりアーベルのことが心配だった。
けれど、エーリッヒに逃げられた腹いせだろうか、団員たちはユーディットを離そうとしなかった。]
っ……、そうやって、容疑者を困らせて、楽しいんですか。
何も護れてないくせに、自衛団員が聞いて呆れます!
[苛苛とした表情を、しかし、ふっと緩める。
皮肉っぽく笑った。]
……いえ、合ってるんでしょうか?
あくまで衛るのは自分だけ、ですから。
[言った瞬間、目の前に火花が散った。]
/*
過去はあんまり詳しく決めてにゃー。
異端として追い出されたことがある、ってくらいにしてた。
[無事到着したので大丈夫]
[さすがに言い過ぎた、と反省したのは、落ち着いてからのこと。
殴られて赤くなった頬に氷を当てながら、ダイニングの椅子に腰掛け物思いに耽る。
結局、家に押し込められ、玄関には見張りがついてしまった。]
もうちょっとだけ、大人しいフリ続ければ良かったのに。
馬鹿だな、私。
[自嘲するように笑う。
その笑みはすぐに引っ込められた。]
二人とも、大丈夫、かな……。
[しんとした暗闇の中、*時計の針の音だけが響いていた。*]
-娼館-
[カーテンもせず、窓を開けっぱなしで眠っていて。
風に頬を撫でられ目が覚めた。]
…んー…ぁふ。…ユリアン…?
[心地よかったので、最初は彼が撫でてくれていたのかと思ったが。隣には誰もおらず。
目を擦りながらつくのは微かな溜息。
そんなぼんやりした穏やかな時間は、荒々しい声で破られる。
対応するのは娼館の女将。その様子を窓の影からそっと盗み見る。
鼻息荒く、人狼に殺されたと、告げられた名は宿の姉妹。―末弟だけを残して。
その事実に表情は強張った。
ややあって、叩かれる扉。女将が自分を呼びに来たので、大人しく従い自警団員の前へと進み出た。]
[尋ねられるのは自分の昨日のアリバイ。
丁度というか何というか、ミリィの所に居た為に、そんなもの証明できるはずもない。
団員の凄みに酷く怯えた風に、ぽつりぽつりと語るのは昨夜の出来事。]
はい、ミリィの様子が気になって…丁度家に行ったら、お医者先生…オトフリートさんと会って。
ミリィは…亡くなってて。
二人で暫くそこに居てミリィの死を悼んでました。
ああでも、途中でオトフリートさんとは、一旦診療所に帰って自警団員の人を呼びに行くって、少しの間別々でしたけど。
時間は、ええとたしか。
[団員に告げた時間は、本当にオトフリートと別れた時間より、いくらか遅いものだった。
始めから信じてもらう気など毛頭無いし、向こうも信じないだろう。
だが、下手に疑いを増やす必要も無い。
そんな内心は表には欠片も零さない。]
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