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……あ。
[目の前でひらひらと振られた手に、は、と我に返る]
え、ええと。
ヨハナの御婆様が、大変なのです、よ、ね?
[冷静になろう、冷静になろう、と必死で自己暗示。
会うとは限らないんだからとか何とか、繰り返す事でどうにか平静を取り戻す]
[一方、すっかり大人しかった瓶詰妖精さん。
何かを察知したのか、キーキーと声を発し。
気付いた彼が小瓶を取り出し、目の前に持って来て]
…来る?
[平静を取り戻したのと、ユリアンが瓶を取り出したのは、ほんの僅かな時間差で。
更に、肩の白の鳥がくるる、と鳴いたのはその直後]
……リーリエ?
どうか、したのですか?
[漸く気付いたらしいミリィに頷く。
まだ自己暗示しているらしき様子には何も言わなかった。
それから、改めて問おうと瓶に顔を向け直し、
たところで、空を見ていた妖精さんが歓声をあげました]
[今度は思い出そうとして唸ってる婆に青年二人の疑問の声は聞こえてない。恋の話と虹の天使は必ずしもイコールではないが、混じって恋の天使と伝わってる可能性もなくはないかも]
ぅぅーん、思いだせんのゥ…。
おそらく団長さんに聞けば一発なんじゃが…いででででで。
[首を捻りすぎて腰の痛み再び]
あァ、すまんの坊…。
こりゃ温泉で湯治した方が良さそうじゃなァ。
[ありがたく受け取って腰に巻きつけて暖を取る。ついでに頭の血の巡りも良くなればいいんじゃがと溜息を付いた*]
噂好き ヨハナが「時間を進める」を選択しました。
[白の鳥の様子に首を傾げていたら、妖精さんの歓声が聞こえ、そちらを見る。
何を言ってるのか、わからないのは、きっと幸いなのだろう]
妖精さん、どうかしたのですか……?
妖精王様が何とか…
[翻訳しつつ、片耳を塞ぎつつ、何だかわくてかしている妖精さんの視線を追って。
空に浮かび上がる金色の光球が一つ]
研究生 エーリッヒが「時間を進める」を選択しました。
職人見習い ユリアンが「時間を進める」を選択しました。
妖精王様が?
[翻訳される言葉に、きょと、としながら視線を追って空を見上げて]
え?
なんですかぁ、あれ……?
[浮かびあがる金色の光球に、紅の瞳がきょとり。
白の鳥はぱたた、ぱたたた忙しなく]
[光球は何かを探すように空をくるり、くるりと巡った挙げ句、
急に向きを変えて全速前進。
…こちらのほうへ。
そして危機感を覚える間もなく、同じように空を見上げていたであろうリディを一瞬にして包み込み。
しゅん、と空へ舞い上がって消えて行った]
[疾風の如くそれが消えた後、何事もなかったかのように通り過ぎる周囲を余所に。
残されたのは2人(と2匹)。
ふと気付いて辺りを見回すが、リディの姿はなく]
…妖精王?
[瓶の中を覗けば、そちらも何だか静寂に包まれていました]
ああ、この辺りだけど。
[アーベルの傍に寄り、指先で示す]
恋のなんたら削ぎ取ったら、大体、同じだな。
[カラカラ、軽くて硬いもののぶつかり合う音が耳に届く。
聞こえた?というように周囲に視線で問うてから、窓辺に近付く。外を過ぎっていったのは、巨大芋虫――ではなく、貝殻を被った生き物。妙にきょろきょろとあたりを見渡すその姿は、さて、見えたかどうか]
……ええっ!?
[唐突に、こちらへと向かう金色の光球に素っ頓狂な声があがる。
反射的に守護結界を張りたくなったものの、向こうの方が早かった]
あ、あらら、あららら。
リディさん、がっ……。
[空へと消えた光球に、呆然と呟く。
肩の鳥が、物言いたげにばさささ、と羽ばたいた]
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