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詰所だ。
香水売りだかが連行されたって聞いてな。
調べやらなんやらが進んでんのか聞きに行く。
[目の前の小さな姿を見下ろし]
[隠すことでも無いために行き場所を答える]
そっちは仕事か?
[背負われた籠に一度隻眸を向け]
[何気ない態度で訊ね返した]
―翌朝・フーゴーの宿―
親父さん。
確認するけれど、カヤ君が直接ここに来て。
その伝言を受けてベッティは出かけたんだよな?
[昨夜聞いたことをフーゴーにもう一度尋ねる]
[まだ朝だ][それでも若干の焦り]
[普段ならこの時間には戻ってくるはず]
……分かった。ありがとう。
先に迎えに行ってくる。
[食事は取らずに立ち上がった]
[宿を出て自衛団長の家に向かう]
ジャーナリスト ヴィリーは、煙突掃除人 カヤ を投票先に選びました。
ん、詰所か。
爺っちゃん戻ってたりしないかな。
[背に背負った籠の蓋は閉められているけれど、
煤の匂いは仄かにあたりに漂う。
男を目一杯見上げて、うん、と頷いた。]
仕事、なんだけど。
昨日呼んだベッティがうちに来なかったからサ、
忙しかったのかな、ってちょっと宿屋に寄る心算。
―大通り―
カヤ君!
[見つけた姿は一つだけ]
[傍に居る隻眼の男も認識せずに名を呼び走る]
一人なのか。
ベッティは一緒じゃないのか?
[少し強張った顔で尋ねる]
どうかね。
それも兼ねて見に行くとするか。
[その可能性はほぼ無いと思っては居るが]
[宿屋に向かうと言う子供とその理由に僅か思案を巡らしつつ]
ベッティ…?
ああ、あの露店のガキか。
来なかった、ねぇ……。
[思い当るのはただ一つ]
[けれど確信に至る裏付けは今のところ無い]
[だからそれ以上のことは言わずに居た]
[直後に子供の名を呼ぶ声]
[隻眸をそちらへと向ける]
[強張った表情の、焦りを見せる行商人が子供へと駆け寄っていた]
あれ、おっちゃん?
[宿屋の方向、今まさに向かおうとしていた道。
友が師匠と呼んでいた男の姿を見つけ、目を見開く。]
え、ベッティ、って…
昨日、…――仕事じゃねぇの?
[翠の大きな目は、更に見開かれ。
きゅ、と、両手を身体の横で拳に握り締める。]
来なかったから、どうしたのかなって…今、寄る心算、で…
……嘘だろう。
[低く低く呟いた]
[左手の中でくしゃりと音が鳴る]
君の所に泊まるという書置きがあった。
フーゴーの親父さんも確かに君が来ていたと言っていた。
大通りを抜けていく姿を見たって人もいた。
[覗き込んでくるカヤの目を半ば睨むように見詰め返す]
でもまだ戻って来ない。
だから迎えに来たんだ。
[子供と行商人の言葉の食い違い]
[露天商の姿が無いと言う事実が浮き上がる]
……やられた、か?
[漏らした言葉は一言]
―――回想―――
[エルザ>>83の言葉を聞くとカラッと笑い飛ばして]
ははは。
昔の話さ。昔の。
[とだけ返した。
それからは、他愛ない話を繰り返しただろうか、聞いた情報から思いついたことは全部言い切ったので、事件についての話は少なかった。
だが、大通りでローザが自警団に捕まったこと>>85を聞けば目を丸くして驚いた]
へ?
アイツが犯人だったのか?
なんか全然そんな気しなかったけど……本当なのか?
[そう聞き返したが、所詮噂の域であり、その噂を話した本人も詳しいことは知ってはいなかったようだ]
んー……。
なんかいまいち、腑に落ちねえな。後で話でも聞きに言ってみるか。
―――回想―――
[その後、エルザの買出しが終了し、家まで送ると、詰め所まで早速足を運んでみたが、丁度運悪くというか、夜なので色々な理由で全員が出払っていた]
明日にすっかぁ……。
[言って、街中をしばらくぶらぶらした後、宿まで帰っていった]
…うちには、来てないんだ。
待ってたけど来たのはエルザ姉ちゃんだけだ。
[睨むように見られる眼から逸らす様に俯いたけれど
ヴィリーの言葉に、弾かれるように顔を上げた。
見開いた目は、隻眼を見詰める。]
―――街中ぶらぶら―――
ん〜。
[宿屋で軽いメシを食べ終わり、詰め所までの道すがらレナーテがローザのことを思い出す。
思い浮かぶのは、くるくると表情が変わり、人懐っこい笑みを浮かべ、そして、こんな自分にまで危険だからあなたも気をつけてねと言ってくれたこと]
ん〜。
やっぱ……なんか違うような気が……ん〜。
[レナーテは頭は良くない。だが、だからこそ、動物のような野生の勘が働くこともあった]
だとすっと……なんで、ローザ捕まえたんだあ?
わっかんねえなあ。
[ぶ〜らぶら、足は気ままに進む]
[見詰めて来る子供の瞳に隻眸が細くなる]
この状況からして一番考え得るのはそれだろう。
書置きして尚目的地に辿り着かず姿を消すなぞ、物忘れの激しい奴でもやるか怪しい行動だ。
[血の気が引いてゆく]
[ヴィリーの一言にギリと奥歯を噛み締める]
まだそこまで遅くない時間だったはずだ。
すれ違いもしなかったし。
[視線はまだカヤを睨んだまま]
―大通り―
…オレが、呼んだから、――?
宿屋で待っってるか…
オレが宿の方に行けばよかったんだ…。
……オレの、せいだ。
[ハンスの視線から逃げるように
隻眼の言葉から逃げるように
少女は籠のベルトを握り締め、真下を俯く。
翠のマフラーに口元がうずもれた。]
[尚も子供を睨む行商人の姿]
[彼が何を考えているのかは大方の予想がつく]
……大通りであのガキの目撃証言があって、団長の家に辿り着いていない、ってのは不自然な話ではあるな。
まだ人も多い時間帯だったんだろう?
それなのに姿を消す部分での目撃証言が、無い。
[状況を纏めるように言葉を発する]
[段々と色濃くなるのは顔見知りの犯行と言う線]
[おそらく行商人が考えているのも同じことだろう]
―――詰め所―――
んー……。
[無い頭を必死に働かせながら歩いていると、もしかしたら、カヤ達3人の横を通り過ぎていたかも知れないが、全く気付きもしなかった。
そして、詰め所までたどり着くと、昨日よりも遥かに熱気のこもった室内の空気を感じながら、その扉を開ける]
ちぃーっす。
話聞きに来たんだけど、今良いか?
『……ああ。手短にな』
[レナーテを見ると一瞬だけ全員の目がそちらへ向き、すぐに興味をなくしてほぼ全員が元の仕事に戻った。
そのうちの、一人だけが反応して、レナーテに答える]
[とはいえ自分の戻った時間は遅い]
[表通りで話を聞いて遅れ][その事実を確認するのにもう少し]
[すれ違えなかったのはその間ということも大いにありうる]
……そういう話じゃない。
[小さくなって俯く少女に]
[ようやくそれだけを返す]
[ヴィリーが纏めるのを聞いて一瞬そちらにも視線を走らせ]
カヤ君。
本当にベッティとは会っていない?
[確認するように][何かを探るように問う]
/*
ベッティ消失の部分を読み返して思ったんだが。
名前を路地から呼んだんだったら、他でも聞いてるのが居てもおかしくねぇんじゃ?
周囲に全く人が居ないとは限らん気が。
ご都合主義とか言われたらどうにもならんけど。
[散々騒いで不貞寝して起きて。部屋中を回って様子を見た。窓があったり毛布があったり、テーブルがあったり、あとドアがある、そのドアや窓はもちろん開けられるものではない。しかし10人ぐらいで集まっても窮屈感はなさそうな部屋だ。それにしても異様なのは、窓ガラスが透明であるにも関わらず、外の様子が一切伺い知れない所か。光は射さず、薄暗いような灰一色の景色だが、体内時計は今が朝だという事を伝えている。]
きっとたぶん、なんかの魔法なの。
なんの魔法だかはよくわかんないけど…。
[むぅ、と口を尖らせて腕を組み、テーブルの真ん中の水盤を見やる。]
意外と、こういうのが全部の魔法の元々で、
水を汚すと外に出られるー!みたいなの、とか!
[思いついて、指を突っ込んでみる。とたん、ただの水だった水面が揺らいで色づき輪郭が現れ、最終的にはハッキリと、街の様子が映し出された。]
ぷわ!
なにこれ!
おもしろーい!
[くるくると魔法の水盤のなかで指を回せば、見える景色も変わる。]
目撃証言?不自然…?
[隻眼の男の、纏めるような言葉が降って来て
俯いたまま小さく続けて繰り返す。
が、その言葉に噛み付く隙を見つける暇も無くハンスの言葉が続けられ
ゆっくりと、泣きそうな表情をした顔を上げ]
会ってない…――
[嘘をついた。]
えっとよ。
なんかローザ捕まえたって話聞いたんだけど、本当?
『……ああ』
あ。本当なんだ。
んじゃ、それはなんで?失踪事件の犯人だとして?それとも、他の意味で?
『失踪事件のほうで、合ってる』
へー。なるほど。
具体的な証拠でもあったのか?
『……』
[その言葉に、一瞬自警団の言葉が詰まった]
?
どした?
…うー、ゲルダさんが怒ってる…。
[宿屋の一室、何やら呟きながら頭痛に苦しむゲルダを見て、自分のせいかしらと申し訳なく思う。しばらくそれを見つめてから、もう一度指を回す。]
[すると、ベッティの師匠と、怖い顔したお兄さんが、ローザの思う一番の被害者であるカヤに詰め寄っているのが見えた。]
何をいっているのー。
カヤちゃんが犯人なはずないじゃないの!
ちっちゃいし、それに、
カヤちゃんのお父さんが居なくなったんでしょー?
[そう、水盤に向かって語りかけるローザに、自警団長は何も言わない。]
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