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[ゲルダの様子に声はかけず、ただ隣に座って。
幼馴染の視線を正面から受ければ、だからこそ俺は心配なんだ、と感情を込めて。
ルーミィから、優しいと言われれば、そんなことはない、と頭を振った。
そして、ただ占い師二人の動向を見守って。]
不安の芽?
[表情は変えないままに]
[目の前の占いには興味がない様子で視線を流すと、隅っこで更に小さくなっているカヤを視界に捉える。
おいで、と手招いた]
[ウェンデルからの視線には、くびをよこにふり、なんでもないというように。
あらためて、クロエにむきなおる]
……えーと。
あんまり、そうはみえないけどぉ。
[強がり、ということばが、内心でうかんだ]
なんにもできないから、って。
[俯くカヤの様子に、軽く首を傾ぐ]
でも……姿、見えないと、心配するよ。
何か……あったのかな、って。
[そうは見えない、という言葉。
また、表情がへにゃ、と崩れた]
……そんな事、ないですよぉ。
[指摘しないでほしいのに、という言葉は心の奥底。
揺らいでいるのがわかっているから。
迷っているのがわかっているから。
言わないでほしかった]
おねえさんだなんて、うれしいよびかたしてくれるのねっ。
[場にそぐわないとわかっているので、はしゃぐのはあくまでも小声である。
なにより、占いはもうはじまっているのだから]
ルーミィって呼ぶのでもいいけど。
……って、あらぁん?
[ユリアンにカヤが呼ばれるようすをみて、身をひく]
[カードを開いたきり、物言わぬアーベルには吐き捨てるように]
んで?
[変わらぬ真珠をちらと確認ながら。
いつもと変わらず、飄々とした表情は崩さない]
どうした?失敗でもしたか?
[最後にはひんやりとした笑みを浮かべて]
[「心配する」という言葉が嬉しくて。続く「何かあったか」という言葉で、今がそういう時なのだと気付き顔が曇る。それでも帽子から手を離し、幼馴染へと顔を上げた所で、思いもよらぬところから招待が]
へ?わ、私?
[今までの沈んだ様子を忘れたような気の抜けた声が出る。と、同時に傾くように座っていた椅子からずり落ちかける。転ばぬようにバランスをとって立ち上がり、その勢いで2,3歩前へつんのめる。]
え、何?私、何か駄目だった?何?
[やや涙目になりながら手招かれた方へとおずおずと歩を進める]
[アーベルの動きが止まったのを見]
……なるほど。
[告げられる言葉に目を細くし、腕を組む。
ユリアンにカヤが手招かれるのを目端で捉えて、そちらに視線を向けた]
[カヤの反応に、首を傾ぐものの。
ユリアンの方に行くのを見て取れば、特に強く引き止める事はせず]
……ひと。
[アーベルの占いの結果が耳に届くと、小さく呟いて。
カヤを追うようにしてユリアンに向けた視線を、従兄の方へと向けた]
クーちゃん……!
[眼がきらきらした。
場が場でなければ、おそらく問いつめていたことだろう。
表情がくずれるのには、再度の指摘もかんがえるがやめておいた]
それなら、ごはんをたべるといいんだわ。
[たべなくても、なにも言いはしないのだが。
ヴィリーが、首をよこにふるのには、また笑みを見せるだけ]
[歯噛みするアーベルの様子に、どんな結果が出たのだろうと思うも問いかけはせず。
ユリアンが手招きしている相手を見止めると、そちらに意識を向けたところに、アーベルの声を聞き。]
…そう、か。
…アーベルの結果はユリアンは人間、か。
アーベルが本物であるなら、ユリアンは人狼に与する人間、ってことになるな。
[ぽつりと独り言のように漏らす。カウンターに入らぬままに居たフーゴーは、残るユリアンの動向を見やりながら腕を組んだ]
な……なん、です?
[唐突にきらきらした眼に、久しぶりにヘルムートからどん引きたくなった。
追求がなかったのは、よかったと言えばよかったのだが。
やっぱ、ちょっとニガテかも……なんて。
過ぎったのは、否定できない]
[静かに眺めていれば、ユリアンが人だと告げる声が聞こえる。
ヘルムートとクロエのやり取りは耳を素通りし、こちらを気にするヴィリーには大丈夫というような笑みを浮かべておいた。]
……ユリアンが人なら、アーベルは……?
[長年の喧嘩友達が、よく知っているつもりの相手が、マッタク違うもののように感じられて、小さな声で呟いた。]
[とはいっても、どうしようもないですし…――、
とヴィリーに視線でチラリと返したところで、
アーベルの占いの結果が出た。]
…――なるほど。
[ついっと碧はカヤを手招くユリアンに向けられる。]
こちらはどうでるでしょうか。
[学者が首を傾げると、籠の中の鳥も同じように首を傾げた。]
[ため息と共に聞こえてきた返事。
視線は合わせぬまま]
生憎、俺にはお前より占いたい相手がいるんでね。
今夜はカヤを占う。
[手招いた少女が皆より少し近い位置に足を進めたならば。
リッキーに用意させたグラスワインを片手に向き直る]
……いいかい、カヤ。この真珠をよく見るんだ。
[それは昨日のそれと同じように。
落とされた真珠に注意を向けさせると、グラスの縁に指を滑らせる]
[ぱちん]
[鳴らした指の音の後には、じわりと広がる緑]
緑は穏やかな様。
怯えなくていいよ、カヤ。
カヤは自分の信じたいことを信じればいい。
[そういう表情はほんの寂しげにも見えたか。
中から真珠を取りあげると]
カヤは人狼じゃねえぜ。
[パチリと鳴らされた指の音に、ぼぅと真珠を見つめていた目に光が戻る]
私…の信じるもの。私が信じるものって何かな…。
[ついでユリアンが告げた「人狼じゃない」という言葉に、安堵からホゥとため息が漏れた]
あ、あの。ありがとう。
[その礼は人間であると占ってくれた事への礼か。もしくはその前の言葉に対する其か。おそらくはその両方で]
がんばってね。
[ぐ、っと、握りこぶしをクロエにみせる。
こういうところも変人であるといわれる所以であることを、当人は気付いているのかいないのか。
占い師候補二人の結果をきいたなら、焦げ茶のひとみをフーゴーへとむける。
その頃には、まなざしはさすがに真剣なもの]
[ユリアンの結果を聞いて、ふぅ、と短く息をついた。ひとまずは人狼では無いと言う結果が出たことを喜ぶべきか、人狼を引き摺り出せなかったことを悔やむべきか。二種の感情が綯い交ぜになる]
どちらも人狼は当たらず、か…。
どうしたものかな。
[呟き、身の証明が出来て居ない者達を順繰りに見やった]
[アーベルの占いも、ユリアンの占いも、人狼ではないという結果に終わった。
昨日のようなことをまた繰り返すのか、とフーゴーに視線を向ける。
答えは、己も出せるわけはなくて。]
……こっちも、ひと。
[ユリアンの告げた結果に、また小さく呟く。
それはそれで、信じたい結果。
幼馴染を疑うのは、辛い事だから]
……て、あの。
が、がんばる、て、何を、ですか……。
[なんて言ってたら、何故か激励された。
やっぱり、調子狂う、と思いつつも。
ヘルムートがフーゴーへと向ける真剣な眼差しに、居住まいを正した。
膝の上にとん、と飛び上がったぶち猫を一つ、撫でるとそのまま両腕で抱え込む]
[この少ない人数で、人狼ではないと言われる人が増えて行くにつれ、視の潔白ができていないものが疑われるのは当たり前のことで――、そして未だ己が潔白を証明する術のない女は、けれど騒ぎ立てることなく、ただ淡々と周囲を見ている。]
今日も自警団員がやってくるのよね……
「人狼」を始末しに……
[誰が連れて行かれることやら、と僅かに吐息をもらす。]
ふぅん。
[細めたままの目で、カヤを見遣る]
人間、か。
……まぁ、
偽者だったら、何の証明にもならねぇが。
[声は何処まで届くか。
軽く目を閉じ、息を吐いて。
次にその目が捉えるのは結社員の男]
…――なるほど。
[ユリアンの占い結果にも、アーベルと同じ言葉を零し。
すっと碧はフーゴーへと向く。]
嗚呼、でも何もかもフーゴーさんに寄りかかっても、
とは思いますけれどね。
[周囲も同じ動きなら、また微かに首を傾げた。]
[自分への占い結果が人間と出たが、それでどうなるのか?と考えてみれば何が証明されたわけでもなく]
んーと。アーベルが本物の占い師なら、ユリアンは人間で…ユリアンが本物でもやっぱりユリアンは人間で…?てことは、ユリアンは処刑しなくてもいい人って事なのかな?
[と、ここまで考えて一つ当たり前に浮かぶはずだった疑問が今更頭に浮かぶ]
ねえ?どうして私だったの?
[その問いは目線と共にユリアンへと向けられて]
[皆にそう言って聞かせれば、グラスをリッキーに渡し自らは真珠を木箱へとしまって。
ポケットにそれを押し込んだ後はフーゴーへと視線を戻した]
悪かったな、引き当てられなくて。
[呟けば、聞こえてきたゲルダの声に顰めた]
……今日も誰か、あいつらに殺されるのか?
[集う面々を確認するようにして]
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