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[肩にかけられるタオル、恐怖とか悲しみとかいろいろ混じったような表情で亜佐美の方を見て]
と、とき…ひっく……うぇ〜〜ん……
[何かしゃべろうとするがそれは結局声にならず、
ただ泣き声だけをもらすだけになる]
―シャワー室―
はい。
[覚悟してと言われ、唇を引き結んでシャワー室に踏み込んだ。
昨日よりは匂いが薄く感じられたのは、水で流された分もあったからだろうか]
ryou さんは、無事なんですね。
Ibis さんは。
[タイルの上に、タオルの掛けられた身体。
一つ息を飲み込んでから確認すれば、その胸は抉られたかのように穴が開いていた。綾野のそれと似たように]
…ryou さんは、歩けそうですか。
着替えさせないと、風邪を引く。
[両手を握って震えを押さえ込みながら、低い声で亜佐美に言う]
無理そうなら、運びます。
Ibisさんは…その後で。
[しばし呆然としていたが、ふと思い至ったように顔を上げると、]
……そうだ、このことをみんなに伝えないと。
[ぽつりそう呟くと、晴美や蹲る七重を無視してふらりと出て行く。
その足は、おおよそまっすぐシャワー室へ向かっていたか。]
[入ってきた聖の声に、そのまま頷いて。
泣きじゃくったままの涼の様子をみて、聖に言葉を返す]
大丈夫…だと思います。
とりあえず、近くの部屋で、服を着せてきます。
ときさんを…よろしくお願いします…
[涼を抱きしめたまま、ゆっくりと歩きだす。]
[そうして廊下を歩いていると、向こうの方に人影が見える。
それに声を掛けようとし……蒼さんに背負われる涼に気付く。]
え? ryouさん、どうかしたんですか。
もしかして、どこか怪我をしたとか。
[心配そうに駆け寄りながら、そう問いかける。
そして、その場にいる顔を見て、]
…………あれ? ときさんは?
[首を傾げそう訊ねる。]
―シャワー室―
[こちらを見る涼の目は涙でいっぱいで。
慰めの言葉はかけようもなかったが、労わるような視線を向けた]
はい、お願いします。
こちらはnoR_aさんと同じ部屋に運びますから。
[出てゆく二人を見送って、瑠衣の身体を抱え上げた。
水を含んだタオルもありかなりの重さになっているのを、どうにかこうにか横抱きにしてみたが]
一人じゃ流石に危ないな。
手を借りるか、椅子でも持って来ないと。
[仕方なくもう一度下ろして脱衣場へ]
蒼………、
とき……ごめ…ごめん……私…一緒に……いたのに……
[なんとかそれだけを声に出してまたすぐに漏れ出すなき声は収まらず、
亜佐美に連れられるままに歩き出した。
亜佐美に服を着せられた後もしばらくは泣いたままに、
いずれ時がたてば泣くのは*やむだろうか?*]
kana、一体どこへ行ってたんだ。
[姿を消していた奏もみつけた。
けれど今は追及までも出来ない状態だった。瑠衣を抱えたために自分の服も血に濡れていて]
…こっちには来るな。
蒼さんたちと一緒にいるんだ。
[押し付けるように言うと反応を待たずに脱衣所を出る。
一番近くの部屋を覗くと、デスクチェアがあった。
あまりにもの都合の良さに逆に気分が悪くなった]
まあいい。使えるものは使おう。
[カーテンを一枚外し、チェアに乗せて運ぶ。
瑠衣の遺体を包むのにもタオルだけでは心許ない。
後は車椅子の要領でベッドの並んだ部屋まで運ぼうと*思った*]
………え?
[脱衣所から聖に抱えられて出てくるバスタオルに包まれた塊。
それはちょうど人の大きさと同じくらいで。
しかも、聖の服とそれは紅く濡れていて。]
…………ま、さか。
[ふらり歩み寄ろうとするが、聖に強い口調で止められ、ビクッと反応し足を止める。
そして、チェアに乗せられ運ばれていくそれをただ呆然と見送る。
もし亜佐美の説明があればその予想が事実であることを知るだろう。]
そんな……ときさんも一緒に死んじゃうなんて。
[その言葉に付いて問われれば、玲の死について知るところを告げるだろう。
なお、呆然としながらも晴美の説明は耳に入っていた*様子*。]
―ベット部屋―
[どれくらい意識が遠かったのか。
カラカラという音が耳に届き顔を上げた。リストバンドをもとに戻し、見上げて。]
誰…ああ、Wen.氏か。
…それ、は。
[椅子の上に、タオルに包まれた塊。
大きさからして、ぞくりとする物がある。
またなのかと、近づいて。
聖は何と答えたか。]
………………は。
[それが、クラスメイトの成れの果てと。
聞かされ一瞬何か、性質の悪い嘘でもつかれたような顔になる。]
[がばと、上の方のタオルを捲る。
それが嘘でも冗談でもないという、現実だけがそこにあった。]
………………………。
[う、と。口元を押さえ。その場に立ち尽くし。]
…………。
[ただ青く無言のまま。暫くその場に棒のように立ち。]
…………ああ、大丈夫、だ。
[口から出た言葉はそんなもの。]
運ぶ。
[聖が手伝おうかと問いかけも、拒むように無視して。
瑠衣の遺体を抱え上げて、綾野の横のベットに横たえた。
顔は遺体を見つめ、俯く。表情はおそらく伺えないだろう。]
[聞かされた内容はどういったものか。
耳にはちゃんと入ったか。
聖が見た一部始終を聞き終えると、そうと一言呟いて。]
…少しここに居る。
向こうは、任せた。
[それだけ言うと、それ以降は何を言われても無言のままだった。
聖が去った後も、瑠衣の遺体を見つめたまま。
どれくらいそうしていたのか。
口から零れた言葉は。]
…………ごめ、ん。
俺のせい、だな。
[細い謝罪。
浅はかだった計画の、代償を払ったのは自分ではないのが、酷く胸に痛かった。]
う、っく。
[ぎり、と片手で片腕に爪を立て。
そのままギリギリと引き裂いた。
それでも足りない、痛みが遠い。
何度も何度も、両腕に爪を立て、肉を引き裂き、痛めつけ。
ぱたと、涙の代わりのように、血が床に流れ落ちた。
悲しんでいいはずがない。
瑠衣を殺したのは自分のようなものだから。
それでも、悲しみも喪失感も絶望感も、減るような事は決してなく。
腕に無数の傷が残り、床を濡らす血の量は増え。]
ぅぇ…。
[堪えていたら、軽く吐き気がしてきて。
ぐらつく意識に膝をついた。]
[目線に程近い、瑠衣の顔を見る。
誰かが整えたのか、表情は良く見れるものだった。]
……お前の事だから、いい笑顔で俺のこと見てるのかもな。
[それが彼女の最上級の怒りだというのは知っている。]
……………俺が死んだら許すか?
…いや、無いか。
そんな事したら、本当に水無瀬が死んだ意味が無くなっちまう。
[だからまだ、このままでは死ねないと。
それだけは、曇った思考のなかではっきりと浮かんだ。]
[だらんとした血まみれの手を動かし、携帯を取り出す。
中に書かれていた言葉を、ぼんやりと眺め。]
…ああ、そうなのか。まぁ、別に問題ないか。
ナタリーとgato以外は、水無瀬を殺したかもしれないんだしなぁ。
[あの時、共に居なかった4人。そのうちの1人は人間だと確信出来た。
残り3人。このうちの1人か2人が確実に、瑠衣を殺した、狼。]
何だ、最悪三分の一か。だったら
[誰でもいいかと、どこかほっとしたように
*歪んだ。*]
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